幽閉するのは狛村に役目を受けてもらいます。
幽閉されて半日も経っていない。
俺の牢の前には虎徹副隊長。
じっとこちらを見ている。
「何故、反抗したのか聞きたそうな顔してるね」
そわそわして興味を持った眼差しを向けていた。
意外と野次馬根性があるのか。
「単純に四十六室が嫌いだし見捨てられないからだよ」
その言葉に僅かな落胆。
しかし驚きを見せる。
四十六室が嫌いと堂々と言って問題がないかと言われればそれは有り得ない。
「なぜ嫌うんですか……」
そんな事まで聞きたいのか。
過去の話は好きでもない。
あの人の事を思い出してしまい、目頭が熱くなる。
胸が締め付けられる。
次の瞬間、信じがたい事が起こった。
「えっ?」
「藍染の霊圧が消えた……!?」
牢屋から出る。
鬼道で切り裂いてすぐに瞬歩で隊首室へ向かう。
虎徹副隊長もそれに続いていく。
「卯ノ花隊長、今のは感じ取りましたか!?」
出てきた事を咎めもせず頷く。
今の顔が旅禍と協力するものではないと分かっているからなのだろう。
先に向かうとだけ言って俺は五番隊へ走った。
「なっ……」
五番隊の隊舎に入るとそこにあったのは変わり果てた藍染の姿。
……ではなく斬魄刀のみが刺さった状態。
つまり工作していたというわけだ。
これでおおよそ朽木隊士の情報操作についても黒であることが分かる。
「雛森副隊長を叩き起こしてくれ、虎徹副隊長」
俺はその間に起きている奴らに『天挺空羅』を放つ。
とは言っても夜中。
起きている奴なんてマユリや山本総隊長、砕蜂あたりだ。
二番隊からの通達も利用させてもらおう。
「しかし俺に芝居させるとはな……」
頭を掻いて真剣に藍染の死因をでっちあげなくてはいけない。
とにかく動きたいし、人員が欲しい。
あいつが姿をくらませているとしたらどこにいるかは想像できる。
.
.
侵入から一日過ぎた頃。
俺達は八番隊で暴れていた。
いや、止められるのを阻止しているだけだから厳密には違うが。
「悪いな、海燕さん」
そういう茶渡君。
三席の円城寺を倒す時点でかなりだな。
しかし次の相手は格が違う。
「桜吹雪の演出とは流石は護廷十三隊でも一番の伊達男」
伊勢副隊長がやってくれているようだ。
しかし次の瞬間、ざるの中身を全てぶちまけられて埋もれる。
「相変わらずですね、京楽隊長」
起き上がってこっちを見てくる。
旅禍と一緒にいる時点で黒なんだけどな。
疑わしげな視線を向けている。
「ルキアちゃんを救うために旅禍と手を組んだって事か」
うんうんと頷いて微笑んでいる。
ただ、目は笑ってはいない。
「海燕君、それは過ちだよ、彼女は罪を犯したんだ」
その判決に公平さは有るんでしょうか?
異例尽くしなり、時間の短縮。
あいつらの独裁で全てを決められる。
あいつらの胸三寸でこちらの処遇を決められることがまず間違いではないか?
理由もろくに聞かずに連行されている可能性も有るだろうからな。
「急な事情や不慮の可能性もあります、あいつが浅薄な行動をとるはずがない」
其れには心当たりがあるのだろう。
しかし、毅然とした態度で押し返してきた。
「それでも立場や面子を考えたらするべきではないよ」
溜息をついてこっちを見てくる。
そんな理屈じゃない。
「君からも言ってあげなよ」
そうは言うが茶渡君は首を振る。
こっちも命をかけてここにきていると言い放った。
其れに頭を掻いている。
実力行使しか残っていないだろう。
「俺がルキアと救いたいのが間違いだというのですか?」
もう既に刀を抜いている。
二体一なら少しは時間を稼げる。
その隙に抜ける。
「間違いうんぬんというよりはあれに逆らってまでやる事かどうかだよ」
貴族として最高の権力者。
でもそんなものが何だというんだ。
もしそれを恐れて助けられなかったら……
「きっと明日の俺は今日の俺を許さないだろうよ」
くるくると刀を回して見据える。
此方から問いかけてやろうか。
「あんたは自分の所の隊士が、極端に言えばの話だが……」
こっちの話を聞いている。
こっちの声に力が籠っていく。
「伊勢副隊長が処刑されるとしても、反抗しないんですか?」
少し困った顔をしている。
問いかけはこれだけで終わりはしない。
「それで悔しくはないんですか!!」
その言葉を聞いた瞬間、悲しい目になった。
この言葉に思う所が有ったのか。
「困ったな……」
こっちから目を逸らして呟く。
戦意を削がれたかのようだ。
「まさか百年前の言葉をまた聞く羽目になるなんてね」
苦々しい顔をして抜刀する。
俺も刀を抜く。
「『花風紊れて花神啼き 天風紊れて天魔嗤う』」
解号と共に二刀の刀となる。
此方も呟くしかねえな。
「『水天逆巻け』」
三又の矛となり、水が宙を舞っている。
茶渡君は七番隊の方へと向かって行く。
「始めるか」
こっちの能力で水を顔に放つ。
とは言えど悟られないほどの少量。
目に入るかどうかといった感じだ。
「むっ!」
回避しようとするが目に水が入ってしまう。
そうなると目を瞑ってしまうのが反射行動。
そのわずかな隙をついて矛を突き出す。
「少量の水なら悟られることなく隙を作れる…やるねぇ」
手応えは少しだけ。
ほんのわずかに頬に掠った程度。
目元を拭っているが余裕の姿勢だ。
溺れさせた隙に逃げるのが一番いい。
「『雷吼砲』」
破道を放って回避をする瞬間を観察する。
その道筋に水を撒く。
その道に沿って雷撃がうねって迫る。
「おおっ!!」
さらに後ろに飛ぶがもう遅い。
指で指示を飛ばす。
「茶渡君」
それを汲み取って一撃を放つ。
その一撃を受け止める。
水を蛇のようにして打ちつける。
「ぐっ!!」
膝をつく京楽隊長。
顎めがけて斬り伏せに行く。
「むっ!!」
横に回るがそれでも遅い。
顔に水が入っていく。
気道を塞いでいく。
「げほっ、ごほっ!!」
まだ『花天狂骨』が目覚めていないこの間に去っていく。
瞬歩で速いのは知っている。
油断か元々やる気がなかったのか追いかけては来ない。
「まあ、これでおわりゃしないんだろうけどな」
七番隊や六番隊もかなり面倒。
綱渡りなのは間違いない。
「副隊長なんざいくらでも替えが聞くからな、気持ちは楽なもんだ」
そう言って茶渡君が言った方向へと向かう。
そこでとんでもない事を聞いた。
「斑鳩副隊長が捕まった……だと!?」
俺が知る限り、あの人に勝てる時限は多くない。
片手で数えるほどだ。
「しかも藍染隊長が死ぬなんて……」
一体何が起きていやがる。
ルキアの処刑がこれに関係しているんだとしたら……
「とんでもない悪巧みの予感がするぜ」
背筋に冷たい汗が通り過ぎる。
今までにない大きな異変に胸を騒めかせながら向かって行った。
京楽も処刑にそこまで乗り気ではなかったのでこういう感じにしました。
更木の牢屋破壊が無かったらどこで原作キャラと絡ませるかといった感じです。
まあ、二部主人公は流石に次の対決で倒れるでしょう。
指摘などありましたらお願いします。