ガーベラに寄り添うネリネ   作:勿忘草

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死神代行消失編は今回で終了です。
ギリコさんの瞬殺をなんとか戦いとして落とし込んで見ました。
あとは千年血戦編で力を貸してもらえるようなテコ入れをしてます。


『事態鳴動 - Scale Out - 』

始まってから優勢を貫いて攻撃を浴びせる。

相手に受け止めさせることもない。

こちらが瞬くに高位の鬼道の連射。

攻撃の意思がなく回避をしているのが煩わしい。

 

「なんたって能力がまるで分かってないんだからよ」

 

目星を付けるとすれば恐らくは『洗脳』の系統。

そうでもないと井上さんや茶渡君が庇おうとするなんて考えられないからだ。

もしくはあの刀に変化する前の形状に関係があるのか?

 

「しおりは挟むものだから……まさかっ!?」

 

なんとか形状から推理をしてみるが恐ろしい推測が結論として出て来た。

そんな事を考えていると空が暗くなっていく。

 

「幻術ではないようだが……」

 

分断する心づもりのようだな。

すると掴まれて追い出される。

出ていく直前にその相手に忠告をする。

 

「あの刀で『過去』を挟み込んで記憶の混濁や習熟したものについての穴を学習できるようだ」

 

追い出された先は片目を隠した男性。

其れと更木が立っていた。

 

「お前は帰れ」

 

俺は更木の肩に手を置いて相手を変わろうとする。

すると筋骨隆々な姿へと変わった男が笑っていた。

 

「私か貴方方二名が死なない限り、此処から帰れません」

 

成程、そういう規律な訳ね。

ならば不本意だが切らせてもらおうか。

 

「俺が相手で構わないか、更木?」

 

更木に確認を取ると眠そうに欠伸を漏らしていた。

そして頭を掻いて面倒くさそうに言ってくる。

 

「そんな雑魚でいいならくれてやるよ」

 

そう言うと更木は退屈そうに座り込んだ。

全く……相手に失礼とは思わないのかよ。

 

「悪いね、俺の相手をしてもらおうか」

 

俺はそう言って構える。

相手は拳を振り下ろしてくるが残念極まりない。

 

「筋力しか向上してないぞ」

 

受けとめながら俺は言い放つ。

想定したよりも速度は緩やかだったのだ。

それに膂力で押し込むことが出来ていない。

 

「お前、もしかして見くびったか?」

 

俺はにやりと笑って問いかける。

体の矮小さは仕方ない。

先刻のしおり使いも華奢だったはず。

其れで首領格なのだからそういった事は想定しておくべきではないのか?

 

「確かにその細腕で受け止めるとは思いませんでした」

 

しかしと相手は前置きをして蹴りを繰り出してくる。

それを回避するがやはり鈍重だな。

筋量に見合った速度の上昇もするべきだった。

それともそれは現在進行形なのか?

 

「こっちが仕掛けるが……」

 

俺は刀に手をかける。

この広さなら卍解をしたら更木を巻き込む。

始解で切り裂くしかない。

 

「死ぬなよ」

 

容易い相手ではないと思いたい。

そう願った一閃。

相手も太い腕で受け止める。

結果は振り切ったところで示されていた。

 

「両腕は貰ったが八文字とはいかなかったか」

 

相手の太い腕とそれに比例した骨の頑強さ。

それが俺の斬撃を防いだ最大の理由。

とは言っても腕はもう千切れそうな状態だ。

 

「次は足を使って防いでみるか?」

 

相手はその言葉に歯軋りをして構える。

血が滴る腕を鞭のように振るう。

しなって向かってくる過程で千切れて飛んでくる腕。

 

「ぐっ!?」

 

俺がそれを回避しようと屈んだ瞬間、血が目に入る。

目の前が赤に塗られてしまい、反応が一瞬遅れる。

そこに間髪入れずに顔にめり込む感触を感じる。

俺の隙を利用して、相手が膝蹴りを入れてきた。

速くなっているのは分かる。

筋力増強の後に修正されて速度の上昇があったという事。

『力』としては『総合した力』の意味合いだったようだ。

 

「体勢は崩れませんか……」

 

相手は残念そうな顔をしたまま、片手をついて立ち上がる俺を見て言ってくる。

結構苦しかったがな。

蹴り上げていたなら顎が揺れていたから追撃できただろう。

 

「腕を斬り落とさなかった俺の落ち度だ……」

 

次はない。

そう言って再度俺は構える。

 

「私にはまだ足がある!!」

 

そう言うがまだ発展途上な速さの動きでは捉えられない。

蝶が舞うように軽やかに。

相手の攻撃をことごとく回避する。

 

「左足を貰う」

 

そう言って一閃。

斬っているのは分かる。

相手は素知らぬ顔で佇んで一拍。

 

「なっ……!?」

 

そして驚愕の顔で崩れ落ちる。

斬られている事に気づかないほどの斬撃。

極致ともいえる。

 

「次は右足」

 

返す刀でまたもや一閃。

完全に機動力を奪った。

残った千切れかけの腕一本では何もできない。

 

「井の中の蛙だってよく分かっただろ?」

 

倒れている相手の胸に突き刺す。

徐々に目の光を失う。

空の風景が元通りに変わっていく。

 

「つまらない相手だったろ?」

 

更木が聞いてくるが首を振る。

蹴りを喰らった時点でそんな傲慢な考えは出来ない。

万能性や応用力こそが彼らの真骨頂ともいえる。

 

「なかなか面白い相手だったよ」

 

殺さずに連れて帰ってじっくり分析しても良かったな。

条件が曖昧だから試すべきだった、詰めが甘すぎる。

非常に勿体ない真似をしたものだ。

 

「あとの奴らの決着まで待っていようぜ」

 

解放された俺は侵入できないかを探りながら更木に提案をする。

うん、歪んだものがある。

こじ開ければ入れるか。

 

「ぐぎぎ……」

 

自分が細身で良かったと思う。

なんとか入り込める隙間を捻出して入り込んだ。

阿散井君が女性相手に戦っていたがどうやら切羽詰まった状態だ。

 

「死んでないと駄目なんだよな?」

 

そう言って女性に近づく。

阿散井君が止めようとするが構わない。

仲間が大事なもんでね。

 

「ギリコをやったのはあんたかい?」

 

あの男はそんな名前だったのか。

俺は頷いて返す。

相手はそれを見て微笑んだ。

 

「そこの甘い坊やに変わって殺せばいい」

 

どうせ自分が頑張っても無理だからさ。

そう言って無防備になる。

仮死状態ならばどうなるのか。

それを試してみようか。

 

「少し待ってろ」

 

懐をまさぐって出したのは薬の材料や器具。

戦場でも作れるように小型化したものだ。

調合を始めて三分後。

出来上がったものを相手に見せる。

 

「実験体になって貰う」

 

俺は相手の口に押し込んで飲ませる。

じたばたとするがしばらくして力が抜けた。

そして景色が戻っていく。

 

「あんた、女相手に毒飲ませるのかよ……」

 

阿散井君が怒りの表情で見てくる。

外道と罵るか?

甘い顔晒していたガキに言われる筋合いはない。

 

「まあ、見てろ」

 

額に手を当ててカツンと音が鳴るように叩く。

すると目を覚ましたのだ。

実験は成功だったわけだ。

 

「仮死状態にさせただけだ」

 

ギリコという相手に使わなかったのは臨戦態勢だったため。

こちらが隙を見せたら痛い一撃を喰らう所だったからな。

 

「ある程度決着はつくだろうよ」

 

そう言うと続々と出てくる。

朽木隊士と白哉君。

日番谷隊長や班目三席。

敵を全員が退けたといった形。

あとは黒崎君だけか。

 

「おおよそ察しはつくから帰ろうか」

 

全員で瀞霊廷へと戻る。

この戦いの答えは彼が出すもの。

その結果どうしたいのか決めるのも彼。

悪く言えば放任するという事。

 

「んっ?」

 

帰ってきて何気なく計器を覗いてみる。

すると興味深い反応が示された。

一瞬で虚数体が現れては消えるといった内容

 

修多羅(しゅたら)等級(スケール)が上振れるような内容だ」

 

一瞬の違和感。

だがそれは放置できない。

 

「マユリを呼んで来い」

 

阿近に言って連れてきてもらう。

すると一瞬、またもや虚の反応が現れる。

そして消え去った。

魂葬の痕跡は無し。

計器の故障ではないことが確信できた。

 

「こんな芸当ができるのはあいつらしかいないよな?」

 

俺はマユリに問いかける。

これに備えて加工もしてきたし、練り上げたが杞憂であれば良い。

 

「ああ、間違いナイヨ」

 

しかしそんな淡い期待はマユリの一言で崩される。

やはりそうだよな。

そうなると総隊長に進言しなくては。

 

「直ぐに用意を始めないとな」

 

魂の均衡が崩れてしまう前に。

多分このままいくと狙いは……

 

「お前、虚圏から研究対象は全て回収しているのか?」

 

壊滅したらお宝も台無し。

研究成果もろもろを取り戻すのも一苦労だ。

 

「無論ダ、残す莫迦はイナイヨ」

 

それもそうだが長期で見たいものとか、あの環境でないと適切に動かないとかはどうしてもな。

其れもすでに改造済みという訳だろう。

流石なものだ。

 

「おおよそ奴らはあっちを侵略するだろう、かなり昔に言ったが奴らの致命的な弱点だからな」

 

懸念は消しておくに越した事は無い。

奴らの強さは計り知れない。

もしかしたら侵略は問題無い状態かもしれない。

ただあの時、討ち取れなかった奴らも残存勢力で残っている。

それを考えれば相手も一筋縄ではいかないだろう。

 

「その次にこちら、進言しておけば被害は軽くなりそうダネ」

 

相手の奥の手も想定しておこう。

それだけ言って俺は一番隊に向かうのであった。




とにかくはこれで足がかりとはなりました。
生かしたいキャラはいますが、話の流れでどうしてもという人が3人ほどいるのが辛いですね。
もっと原作ではやられてますが蘇生されたりも有りましたが。

指摘等ありましたらお願いいたします。
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