ガーベラに寄り添うネリネ   作:勿忘草

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ユーハバッハ戦です。
結構強引さはあると思いますが申し訳ございません、


『イカれた男 - Broken Man Angry Man- 』

「かあっ!!」

 

相手に接近して斬りに行く。

この単純な動作の中にいかにユーハバッハが対応するのか。

それを考えていると構えてもいない。

さらに言えば防御の姿勢も取っていない。

 

「残念だったな」

 

円形のドームの防御壁を作り出す。

その強度は高く俺の斬撃が弾かれた。

でもこの系統は今まで相手にしてるから今更慌てない。

それに袋のネズミにしかならないよな。

そんな事を考えていると、血管が侵入しようとしてくる。

侵蝕してくるのか、不用意な動きだな。

俺は『虚化薬』を口に含もうとする。

 

外殻静血装(ブルート・ヴェーネ・アンハーベン)というものだ、その力を奪わせて貰……!?」

 

ユーハバッハが驚愕の顔になる。

奪えるわけがないよな。

いかにも怪しげな薬を飲もうとしている。

それが只のこけおどしではないのはよく分かるはずだ。

 

「くっ!!」

 

血管の侵蝕は諦めて距離を取る。

ここで強硬手段に出てくれればよかったのに。

そしたらもうその時点で相手は倒れていた。

 

「奪ったらお前は今頃猛毒で体を蝕まれていたぜ」

 

虚の霊圧に免疫が無いのは百も承知。

相手が嫌がる事を実践するのも戦の常。

相手もこちらの斬魄刀については熟知しているようで苦い顔をしていた。

 

「くっ……卍解も奪えないか」

 

ご名答。

俺の霊圧が虚交じりになれば斬魄刀もそうなってしまう。

奪いたければ猛毒を受け入れるしかないのだ、残念だったな。

だが今の態度で俺の疑念は確信に変わった。

 

「やはりお前は偽物だよ、本物なら実力に誇りを持つ」

 

其れこそ卍解を取れないだけで苦い顔しないほどにな。

いくら警戒するにしてもその反応はない。

 

「『卍解』、『印せ』」

 

奪うのに二の足を踏んだ相手を尻目に卍解をする。

黒い霧も噴き出していく。

それが地面が砕けていた瓦礫に当たる。

すると塵に還っていく。

 

「もうお前に優位な戦いは無い」

 

そういう俺に対して否定するように矢を放つ。

大きく威力も高まったものだ。

しかしそれすらも黒い霧の障壁に阻まれる。

そして俺に到達する前に威力が減衰していく。

 

「玩具の矢だな」

 

指で挟んで圧し折る。

こっちの攻撃を見て貰おうか。

 

「破道の九十一『千手皎天汰炮(せんじゅこうてんたいほう)』」

 

無数の光が相手に向かう。

ニャンゾルとの勝負でも使ったが相変わらずこれは量が多い。

これをどうするのか見物だぜ。

 

大聖(ザンクト・ボーゲン)

 

相手は巨大な光の弓を形成させる。

弓と言っても弦も何もない不思議な形状だ。

今まで見ていなかった巨大な矢を複数装填される。

 

「お前だけがそう言う技を使役できるわけではない」

 

腕を降ろすと射出されていく。

俺の鬼道と衝突していく。

こちらとしては鬼道は目晦ましにすぎない。

斬撃を見舞うための餌だ。

 

「足元がお留守だ」

 

刀の先で地面を突く。

地面は老いて塵となって足場を崩す。

こっちの鬼道に気を向けすぎていたために気づく事が出来なかったようだ。。

 

「うっ!?」

 

そのまま足を取られて体勢を崩す相手。

その隙はあまりにも致命的だ。

偽物と指摘されただけでこれほどあからさまに変化するものかね。

最早威厳も何もかもありはしない。

 

「くっ…」

 

片膝をついている相手。

相手にとって有利な要素は全くない。

体勢を崩されては立てなおすまでに勝負が決まる事はある。

あえて慈悲の様に問いかけを行った。

 

「手は残っていないだろ?」

 

相手は無言となる。

この場面における無言は肯定と見なそう。

じゃあもう仕留めよう。

 

「抵抗するならこれが最後だぞ」

 

たとえどんな防御をしても無意味だと思うがな。

能力で塵に還す事と力づくで肉体を断ち切る。

上段に構えた俺に対して、相手は最後の抵抗の為に矢を番えている。

 

「無抵抗な死は勘弁だ」

 

目が使命感に燃えて輝いている。

その一撃で差し違えるつもりか、良いだろう。

俺が踏み込むと同時に相手が攻撃を繰り出した。

 

「この一矢を受け取るがいい!!」

 

光の矢が刺さる。

其れの返しに右肩から左脇腹にかけて大きく斜めに切り裂く。

血が噴き出してこの戦いの決着を告げた。

 

「しかし矢にはどういった意味が……」

 

射られた瞬間に衝撃が来るかと思った。

しかし、それは無く代わりに体に違和感が訪れた。

そこから来る結論は特殊な屋で能力が付与されていたのだろう。

 

「霊圧探査妨害完了、我が任務完了です、陛下」

 

そう言って偽物は本物への報告を行う。

放ったのはやはり攻撃力がまるで無い一撃。

ただ妨害の為の一撃を最後に選んだ。

その真意は測りかねるものだった。

 

「これが私にできる事だ」

 

そう言って袈裟斬りされた偽物はそのままずるずると崩れ落ちていった。

最後の一手にこのような真似をする理由は何なのか。

顔も変わっていき全ての変装が解かれていく。

確信は有ったがこうも変わる事が出来るとは驚いたな。

 

「霊圧探知を狂わせる理由はどこにあった?」

 

俺は真意を問うために声をかける。

わざわざやる意味は無いだろう。

其れこそ本物の為に傷を負わせればいいのに。

 

「お前を殺すならばこれが最適と陛下がおっしゃっていた」

 

霊圧探知をできなくするだけで?

少し意味が分からないな。

そんな事を考えているとさっきまで見ていた顔と同じ顔をした滅却師が立っていた。

 

「本物が来たか…」

 

偽物だった相手、『ロイド・ロイド』に労いの言葉をかける。

そしてこちらに視線を向けてきた。

傲岸不遜というか堂々とした振る舞い。

これこそが束ねる者に備わった資質だろう。

 

「元柳斎の前に貴様を屠ってやる」

 

そう言ってこちらに視線を向ける。

前座扱いというのは再現できていたようだな。

しかし軽く見積もられるものだ。。

構えながらこっちは質問を放った。

 

「一番に総隊長の元へ行くかと思っていたけど」

 

こっちの柱を圧し折った方が速い。

その後にじっくりと壊滅させればいいのだから。

なのにわざわざ遅い登場をしていた。

其れこそ影武者を用意してまで。

 

「十二番隊に行っていたのだ、藍染に会うためにな、それと……」

 

そう言いながら胸元から何かを取り出す。

それを嘲笑しながら地面へ投げ捨てた。

俺はそれを見た瞬間、目を疑った。

 

「そこで手に入れたものだ」

 

それは綺麗な髪の毛の束だった。

その髪の色を知っている。

そしてその結んでいた糸を知っている。

其れこそ穴が開くほど見ていた色だから。

 

「存外に……」

 

相手が何か言っているが耳に入らない。

今までに無いほど体が震えている。

俺の霊圧が騒めき始めた。

 

「てめえはもう喋るんじゃねえ」

 

俺の瞳から流れるのは血の涙。

もう生きる事も要らない。

尸魂界の安寧も知らない。

霊圧は栓が抜けたように溢れる。

激痛は走るが構わない。

こいつを殺せるならそれで良い。

 

「があああっ!!!」

 

口に出すのは獣の咆哮。

両手で持った刀を振り回す。

防いでいるが無意味だ。

力任せに振り下ろして壊す。

 

簒奪聖壇(ザンクト・アルタール)

 

光が降ってくる。

どうせ力を奪ったりするようなこちらへの妨害策だろ。

下らない奴らだ。

 

「『黒棺』」

 

その上から鬼道を六連続で放つ。

今まで以上に重力をかけて繰り出される『黒棺』。

それは微小ながら光さえ吸収する黒い穴を作り出す。

それに光は吸い込まれて無効化された。

 

「らあっ!!」

 

首筋めがけて一閃。

弾かれるがどうでも良い。

食いちぎっても良いんだから。

 

「殺してやる、殺してやる……」

 

憎しみが渦を巻いて体を包む。

絶対に苦しませてやる。

歯を鳴らして睨み付けていた。

 

「千年前の護廷十三隊の奴らと同じ目をしているな」

 

余裕ぶっている暇もないぞ。

お前の野望はここで潰えさせる。

 

「『五龍転滅』」

 

これも六連続の発動。

都合、三十もの龍がユーハバッハへ向かう。

外殻静血装で防ぐが無意味。

痛みで視界が揺らぐがどうでも良い。

 

「『豪脚乱蹄』」

 

俺が腕を下げると次は馬の蹄が雨霰の如く降り注ぐ。

これは三度の詠唱。

防御しようとするがその流れを変化させる。

腕に痺れと激痛が走る。

歯を食いしばり、あの人の仇と思い奮い立たせる。

 

「『黒棺』」

 

威力を調整して重力をかけて加速させる。

それによってユーハバッハは回避が出来ずに喰らっていった。

足が千切れかねないほどの痛みが襲い掛かる。

しかしその隙を逃しはしない。

千切れれば引っ付けてしまえばいいのだ。

 

「八文字だ」

 

縦に真っ二つに切り裂きにいく。

こちらの速度に見識が無いのだろう。

後ろに下がるが浅すぎる。

 

「それだと重傷は免れない」

 

額から腰に至るまで縦筋の刀傷が入る。

静血装で防いだがそれでも完全ではない。

斬られた傷から血を流しながら不敵な笑みを崩してはいなかった。

 

「朽ちる時が訪れた」

 

ユーハバッハが呟く。

左肩から血が噴き出す。

これは奴の攻撃ではない。

傷付いた霊圧が棘となり体を貫いた。

ユーハバッハは防御を疎かにする。

おおよそ俺の動きが鈍ると踏んで、返しの一撃を悠々と叩き込むつもりなのだろう。

 

「だから?」

 

しかしそれは期待外れというもの、無意味な願望だ。

この程度で止まるのなら戦う意味はない。

今の肩への損傷で老化する力は宿せなかったが右肩から縦に深々と切り裂く。

 

「くっ!!」

 

その一撃に怯みはしないユーハバッハ。

返してきた矢の一撃で腕を貫かれる。

しかし俺にとってはどうでも良い。

 

「まだ、本来の力を取り戻してはいないが故の苦戦だな」

 

そんな事を言うが関係ない。

そんな心配は無用だ。

ここでお前は死ぬのだから。

 

「ふんっ!!」

 

ユーハバッハは巨大な光の弓を形成させる。

巨大な矢を複数装填される。

さっきの奴の技と同じだが練度が違う。

実力や人格まで一緒になっても根っこが変化していないようだ。

 

「無意味な技」

 

俺はそう吐き捨てて腕を動かす

黒い霧が弓矢全てを包んで飲み込む。

老いからはどの能力も回避できない。

 

「そのまま骨になれ」

 

霧が呑み込もうとユーハバッハへ迫る。

しかしその瞬間、今度は右肩から霊圧の棘が出てきた。

先ほどと違って強い痛みを発する。

額から冷や汗が出てきていた。

 

「一瞬、遅くなったから脱出できたぞ」

 

そう言うとユーハバッハが腹部を突き刺す。

どうやら刀を持っていたみたいだ。

 

「近づけたから使ったまでだ、弓矢の方が慣れている」

 

ユーハバッハがそう言って抜く最中に、俺は居合の一撃を放つ。

俺が放った一撃はユーハバッハの腹部に横一文字の傷をつける。

 

「ただでは終わらんな……」

 

腹部を押さえるユーハバッハ。

既に互いに傷はついている。

 

「だが終焉は近いものだ」

 

巨大な弓矢を形成するユーハバッハ。

腕を下げて再度雨霰のように射出してきた。

 

「舐めてるとしか思えねえよ……」

 

黒い霧を纏ってユーハバッハに向かって歩を進める。

矢は塵に還っていく。

そしてここので跳躍をして斬りに行く。

その瞬間に三度目の痛みが襲ってきた。

次の症状が出るまでの時間があまりにも短すぎる。

 

「がっ……」

 

今度は両膝から棘が出てきた。

さっきよりも痛みは増している。

眩暈がするほどの痛みだ。

それによって、一瞬だがまた動きが止まってしまう

そして、その一瞬は致命傷に他ならない。

 

「喰らえ」

 

そう言うとユーハバッハが作り出した巨大弓から発射された矢に体を貫かれる。

両方の腕と脛に着弾している。

其れとは違う痛みと疼きが体を駆け巡っている。

速く決めなくてはいけない。

そんな確信が今の自分にはあった。

 

「これで満足に動く事も出来まい」

 

撃ち落としてこちらの動きの肝を崩すことに成功したからだろう。

ユーハバッハは余裕をもって笑みを浮かべている。

だがそれで俺の闘志までは折れない。

当然憎しみの炎も消えはしない。

 

「甘いんだよ……」

 

着地と同時に駆けていく。

重力の助けも活かした加速で一陣の風が吹く。

全速力で突っ込む。

相手の余裕に付け込んだ形ではあるがこの一太刀で絶命させる為に。

しかし懐にまで忍び込んだ時、俺は目を疑った。

ユーハバッハはこちらに視線を向けてはおらず一番隊の方へ首を向けていた。

 

「……あまりコケにするんじゃねえぞ!!」

 

そこを見ても意味はない。

この一太刀で全てが終わる。

そんな必殺の刀が放たれ、首筋へと迫っていく。

しかし、呆れたような声が響いた。

 

「無駄な事だ」

 

ユーハバッハはようやくこちらを見ていた。

ただ、冷たく凍えるような視線であった。

既に勝負はついたのだというように。

 

「終れ、斑鳩傑よ」

 

ユーハバッハがそう言った瞬間。

遂に警告されていた限界が来た。

体中を刺すような激痛。

そして腕や足、腹部や様々な場所から棘が飛び出していく。

傷口から噴き出す血と喉元へこみ上げる血。

力が入らないのか刀を握る力も落ちてきた。

 

「あっ……ぐ……!!」

 

立つ事も出来ずに片膝をつく。

激痛に耐えているが脳は気絶しろと命令を下している。

盛大に血を吐いてしまう。

霊圧が傷みすぎてたからか、流れたものも合わせて少し嫌な臭いを発している。

 

「滑稽だな、愛する者は死んでいないのに探知不可の状態とたかが髪の毛だけで自滅したのだから」

 

そうだったのか。

あの人は死んでいないのか。

それだけ知れた俺は安心からか微笑んでいる。

 

「何か言いたいことでもあるのか?」

 

俺の微笑みが策があると思ったユーハバッハ。

お前にはこの気持ちは分からないんだろうな。

愛を知るが故の怒りを滑稽という悪辣なお前には縁の無いものだろうよ。

 

「あの人が生きててくれれば幸せってだけだ、くそ野郎」

 

その言葉を最後にユーハバッハは俺に背を向けて去って行った。

命を取るにもこの薬を盛られると致命傷となる。

そんな危険を冒さずとも勝手に死ぬのだ。

其れならば元柳斎殿を狙うに決まっている。

 

「ああっ……足音が聞こえるなあ」

 

回道で傷は癒すが出血量と激痛が俺の意識を混濁させていく。

忙しない足音だ。

誰が来るかなんて分かっている。

視界が狭くなっていく。

激痛すら意識を起こせない。

 

「何言ってるか聞こえないですよ……」

 

その人が叫んでいるのは分かるのに。

俺の顔に当たる雫も分かるのに。

俺は泣かないでほしいから手を伸ばす。

しかし、顔に触れようとしたところで俺は記憶が途切れたのだった。

 

.

.

 

霊圧の柱が立ち昇る。

先ほど相手の頭目が十二番隊の隊舎に現れた。

藍染の顔を見に来たと言っていたがいきなりウチに斬撃を放ってきた。

それはうちの髪の毛を束単位で切り落としてきた。

本来は首筋を狙ったみたいやけど、致命傷は藍染のおかげでなんとか回避出来た。

 

「速く行かんとまずい事になってまう…」

 

霊圧がとげとげしい。

あいつの事やウチの髪の毛見ただけで切れとる。

其れこそ敵を殺すための全力。

ウチがおらん世界に未練なしと死に向かうように。

 

「相手の霊圧が動き始めた……」

 

走って向かって行く時に感じる事。

それはタケルの敗北。

藍染の時には無かった嫌な予感。

その正体はたどり着いた時にすぐ分かった。

 

「なんやこれ……」

 

血の色は鮮血ではなく黒に近い。

鉄の中に嫌な臭いも混じっていた。

タケルはそんな血だまりの中心に倒れ込んでいた。

確認できたら臭いも構わずにすぐに駆け寄る。

強く顔を叩くも反応がない。

顔も青白くて浮竹隊長以上に生気を感じさせない。

 

「死ぬな!!」

 

目をうっすらと開けているけど多分見えてない。

この叫びも聞こえてはいないはず。

 

「ウチ、まだ何も恩返しできてないのに……」

 

目頭が熱くなる。

こいつがおらん世界を考えた事もなかった。

流れる涙は止まらない。

 

「今度はウチが助けたるからな……」

 

目から光が消えている。

でも鼓動はある。

ならばせめてこの命を救わなくては。

ウチはタケルを背負う。

いち早く四番隊に運ぶのだ。

 

「お前らの首を貰おうか」

 

そんな気持ちを邪魔するように、滅却師が邪魔をしようとしてくる。

こうなったらウチもなりふり構ってられへん。

 

「お前ら……道開けんかい、ボケェ!!」

 

『虚化』をして『虚閃』を放つ。

気持ちいい程に吹っ飛んでいく。

死ぬなと何度も繰り返して念じる。

着いた頃には敵襲も収まっていた。

ただ、甚大な被害と死者、重症者が出たのは理解できた。

 

「卯ノ花隊長!!」

 

必死に走って近づく。

背負ったものを見た瞬間、固く口を結んでいた。

ウチは頭を下げていた。

恥も外聞もない。

 

「こいつを治してやってください!!」

 

卯ノ花隊長がそれを聞いて指示を出す。

抱えて連れていかれる。

治るのかと思った瞬間、肩を叩かれた。

 

「別れの覚悟をしておくのです」

 

別れの覚悟って……

それはあまりにも突然で、到底受け入れられるものではない言葉やった。

 

「治されへんのですか!?」

 

食って掛かるようにウチは卯ノ花隊長に聞く。

無言で佇む卯ノ花隊長にウチは何とかしてほしいという思いで次の行動を行っていた。

 

「そんな……お願いします!!」

 

土下座をして頼み込む。

この人が無理なら無理に決まっている。

それでも縋りたかった。

 

「治せるのなら既に何とかしていました」

 

それが出来ない以上、お分かりでしょう?

そう言われても納得なんて出来ない。

少しでも蜘蛛の糸を掴むように問いかける。

 

「誰かこの状況で治せる人はおらへんのですか……」

 

その問いかけに俯くように答える卯ノ花隊長。

可能性は無いというわけじゃないのか。

 

「……零番隊ぐらいです」

 

この危機ならばもしかしたら動くだろう。

願うような気持だった。

別れの覚悟は出来ようと辛い。

去ろうとする時にそんな気持ちに気づいてしまう。

 

「…いつの間にかうちの心に居ったんやな」

 

足取りは重い。

世界は薄らいで見える。

壊滅的な被害を受けたからという理由だけではない。

何か心の中に穴が開くような悲しみが溢れそうで。

幸せの色味だけを抜かれたような感覚だった。




『ロイド・ロイド』に勝てたのは何時でもタケルが『猛毒飲むぞ』と牽制して卍解を使えたため。
そして本物の時はまだ『A』が覚醒していないのと、卍解で攻撃無効化したからです。

ひよ里の髪の毛見せて激怒させる点に関しては、原作も藍染に会う為とはいえ元柳斎は疲弊したのを狙った感じでしたから、こういった事はするかなと思いました。
実力差でねじ伏せる感じでユーハバッハが勝っても良かったんですが、ボロボロの体を酷使して負けたりする感じじゃないのでこのような形になりました。

指摘等ありましたらお願いします。
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