Untold Myth   作:トラロック

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#1-02 アイズ・ヴァレンシュタイン

 

 レベル3になってしばらく経つ【ロキ・ファミリア】所属の『アイズ・ヴァレンシュタイン』は拠点である『黄昏の館』の中庭で剣の素振りを繰り返していた。

 腰に掛かるほど真っ直ぐ伸びた金髪に金色の瞳。

 白磁にも負けず劣らずの白い肌を持つ人間(ヒューマン)の少女。

 実年齢ははっきりしないが【ファミリア】が暫定的に決めた年齢で言えば十一歳になる。

 背はまだ小人族(パルゥム)と同じくらい。見た目とは裏腹にかなりの実力者である。

 この歳でレベル3に到達した冒険者は居ない。

 冒険者ギルドに伝わる記録の中では最年少にして最速の記録。

 レベル2になってから付けられる『二つ名』は【剣姫】である。

 戦闘狂とも言われている彼女を畏怖をこめて【戦姫】と呼ぶこともある。

 見た目は人形めいた無表情に無愛想だったので最初の頃は人間扱いされなかった。

 

「………」

 

 細身の長剣に軽装鎧。

 見た目は華奢だが中層のモンスターは今の彼女にとって難敵とはいえない。

 日々の日課として鍛錬は欠かさず、休憩もきちんと取る。

 今でこそ大人しいが最初の頃は毎日のようにダンジョンに潜り、とにかくモンスターを殺し続けた。

 仲間達と触れ合い、チームプレイも出来るようになってきた。けれどもまだ一人で戦う事が多い。

 

「もうすぐ朝食だ」

 

 二階の窓から声をかけてきたのは新緑の髪に長い耳を持つ『エルフ』の中の更に高潔の存在『王族(ハイエルフ)』の女性【九魔姫(ナイン・ヘル)】こと『リヴェリア・リヨス・アールヴ』で、【ロキ・ファミリア】に所属している古参のメンバーの一人。

 レベル6の冒険者でもある。

 

「……うん」

 

 表情少なめに返事を返すアイズ。だがこれが彼女の普段の態度だ。

 レベルが増える事を【ランクアップ】といい【ステイタス】の数値が一時的にリセットされる。けれども積み重ねた能力が消えたわけではない。

 

        

 

 朝食を済ませた後は小休止し、他の仲間達と談笑するのだがアイズは早々に街に出かける。

 目的はお気に入りの食べ物の購入だ。

 無機質な人形のように見える彼女だが自分の好みはちゃんと持っている。

 

「……ジャガ丸くん抹茶クリーム味」

「あいよっ。いつもご贔屓にしてくれてありがとな」

 

 行きつけの露天にて購入し、落ち着ける場所で堪能する。それが少女アイズの密かな楽しみだった。

 芋を潰して丸めたものにパン粉のようなもので衣を付けて油で揚げる食べ物。迷宮都市(オラリオ)の名物だ。

 これは【ファミリア】に入ってから食べた中で一番のお気に入りとなっており、常に戦闘を続けている為に太ることなく今に至る。

 

「……あまり食べ過ぎると怒られるか……」

 

 しかも朝食を済ませたばかりだ。

 軽い運動としてダンジョンに潜ろうかと思ったが、勝手に行くとリヴェリアに怒られるので控える事にした。

 アイズは【ファミリア】の中では最年少の冒険者。歳の近い友達は皆無。というよりは友達を作ろうとせず、モンスターを倒すことだけを目的としていた。

 

 強くならなければならない。

 

 【ファミリア】に入る前からアイズが持っている目的意識である。

 レベル2までは戦闘狂のように戦う毎日だったが、ここしばらくは休息を取るようにし、無理の無い戦闘を心がけている。それでもダンジョンに潜れば剣を取らずにはいられなくなるが。

 まだまだ表情が乏しいアイズも小さな少女。

 

「………」

 

 十代に満たない内に【ランクアップ】を成し遂げた事で冒険者の間では有名人となっている。

 道行く同業者に二つ名で呼ばれたり、時には恐れられたりする。

 嫌な噂は聞きたくないが応援されると嬉しくなる。それくらいの心の余裕が今のアイズにはあった。

 お目当てのジャガ丸くんを食べ終わった後は嫌いな勉強の続きが待っている。拒否すればリヴェリアの拳骨とお小言が襲い掛かってくる。

 実戦だけしたい気持ちを押し込めて【ファミリア】の拠点に戻る事にした。

 

        

 

 遠征以外の【ロキ・ファミリア】は充分な休息と鍛錬、新人の教育が主な仕事だ。

 リヴェリアを含めたレベル6が現在三人居る。

 重鎮として、教育係として下の者を導く。

 探索系と呼ばれる【ロキ・ファミリア】はこのところ入団希望者が多く、他の【ファミリア】から『改宗(コンバージョン)』した者も居る。

 所属する眷属が多ければ【ファミリア】としての地位が高くなる。

 主神達はそれぞれ派閥を持ち、他の【ファミリア】と敵対関係にあったり、利害関係にあったり、様々な戦いを繰り広げていた。

 神々の目的は主に娯楽。この一点に尽きる。

 長い時を生きる神々は退屈を嫌う。その過程で地上に降り立ち、眷属を作り、彼らを導く()()を思いついた。

 神が元々持っていた万能の力『神の力(アルカナム)』を封印し、一般人と大差のない状態で眷属と暮らす。

 神自ら武器を持って行動することはなく、また規則として禁じている。

 規則を破れば天界に強制送還。もちろん【ファミリア】は解散される。

 

「……ダンジョンに行っていい? ……上層階だけでも駄目?」

 

 暇さえあればアイズはモンスターを倒しにダンジョンに潜ろうとする。それは昔から変わらない個性のようなもの。

 

 言わば『絶対にモンスター殺すマン』だ。

 

 少し前のアイズはまさに戦う人形だった。今は自分を抑制する技術を身に付けて我がままな部分は見られない。けれどもダンジョンに向かう頻度は大人と変わらない。

 

「お前が行くと他の冒険者の取り分が減ってしまう。……もう少し自重(じちょう)しろ」

 

 金を稼ぐだけの冒険者ならアイテムや魔石を渡せば文句は言われない。けれども【ステイタス】アップを目的としている場合は妨害行為になる。

 冒険者とて規則がある。

 他の冒険者を私怨で殺してはいけない。

 暗黙のルールもあり、自分のモンスターを他人に押し付ける行為が該当する。さすがにアイズはそういう事はしないと思うので心配はしていない。

 

「しばらく遠征は無いし、勉強も大人しく続けている。上層階ならば散歩で済むじゃろ」

 

 レベル6の【重傑(エルガルム)】という二つ名を持つ古参の冒険者『ガレス・ランドロック』が髭をいじりながら言った。

 『ドワーフ』である為、背は子供のアイズより少し高い程度。がっしりとした体格で、手足は一般の人間(ヒューマン)の二倍ほどの太さがある。

 

「あまり閉じ込めておくのも不健康というものだよ。誰か付き添いでも居ればいいんじゃないかな」

 

 同じくレベル6の【勇者(ブレイバー)】で短い金髪の小人族(パルゥム)『フィン・ディムナ』は見た目は子供だがアイズの四倍以上の年齢で、この【ファミリア】を取りまとめる団長でもある。

 薄く微笑みつつ彼はリヴェリアに言った。

 三人の視線にさらされているアイズは臆することなく話しに耳を傾けていた。

 

        

 

 いくつかの条件を飲むなら、という事でダンジョンに行く事を許されたアイズは早速身支度を整える。

 深い階層に行っていた場合は次の探索に参加させない、と言われれば守るしかなくなる。尚且つ約束を(たが)えるとリヴェリアの拳骨が容赦なく降ってくる。

 見た目は小さな少女だが実力は本物だ。単純な戦力としては手放しで見送る事が出来る。しかし、そこに至るまでの道のりは険しかった。――特にアイズの教育において。

 今でこそ大人しい振る舞いを見せているが、ついこの間までは鬼神の如き活躍と形相でモンスターどころか他の冒険者達を震え上がらせていた。

 ただひたすらにモンスターを倒す。その一点の目的のみ。

 どういう理由があって武器を取ることを選んだのか、アイズ本人は語らない。

 それぞれの冒険者の過去を探らない、というのが暗黙の了解でもあるのでフィン達も無理に聞きだそうとはしなかった。自分たちも他人に詮索されたくない事情を持っていたためでもある。

 用意を整えたアイズは鼻歌交じりにダンジョンに潜る。付き添いはレベル2の冒険者が三名。――それぞれよその【ファミリア】から『改宗(コンバージョン)』した者達だ。

 モンスターが居ればどの階層でも構わなかった。【ランクアップ】したては身体の調子が狂うと言われる。なので無理に下層は目指さない。

 すれ違う冒険者を一瞥しつつ適当に散策すると壁に亀裂が走った。

 出現頻度はまちまちだが秒単位でモンスターが湧き出すことはない。

 小さな身体から繰り出される剣技により、地面に降りる前に駆逐されるモンスター達。

 魔石はお八つ代として回収しておく。

 そうして二層目へ向かう。

 下へ降りる場合は階段や天然の通路を通る。

 もっと下層では落とし穴のような状態のもある。

 誰が作ったのか、階段もある不思議なダンジョン。その全貌は未だに不明。

 調査された範囲であれば地図も作られ、後からやってくる冒険者の役に立てられる。

 モンスターが出現する時、壁などが壊れてしまうのだがいつの間にか修復される。

 誰かが治しているわけではなく、自動修復機能が備わっていると考えられている。そして、それは実際に多くの冒険者が目撃していた。

 潜るたびに様相が変わったりはしない。通路自体もそのままだが隠し部屋のようなものがあるようで、その未踏査の部分を見つけるのも仕事の内となっている。

 

        

 

 二階層を散策していると付き添いの冒険者の一人『狼人(ウェアウルフ)』の男性は威嚇しながら辺りを見回す。

 灰色の荒々しい髪型。敵意しか撒き散らしていないような凶暴さを秘めている。それを不満そうに見ている者は双子の女性。

 靴も履かずに平然と石ころが散乱する地面を歩き、一人は冷静に辺りを見回し、もう一人は微笑みつつ仲間の様子を窺っていた。

 女性ばかりの戦闘民族『アマゾネス』である。

 褐色肌で露出の多い服装をまとっている。力は一般の人間(ヒューマン)よりも高い傾向にある。

 

「雑魚モンスターしか居ない階層だけど……。どこまで降りるの?」

「……十二階層、くらいかな」

 

 そう言うと壁を蹴り出す狼人(ウェアウルフ)

 普段から機嫌が悪いのだが、今日は一段と荒れていた。

 それはひとえにアイズ・ヴァレンシュタインのお守りが原因だと思われる。

 当分は休暇中とはいえ子供のお守りなど出来るか、と激高したのだが団長である『フィン・ディムナ』の命令が(くだ)ったので仕方なく了承した。

 実力主義の【ファミリア】において古参の三名に対抗する力は彼ら(レベル2)には無かった。だから荒くれの狼人(ウェアウルフ)『ベート・ローガ』は弱者の立場で(こうべ)を垂れるしかない。

 

「あんまりダンジョンを壊さないでよ」

「うるせー」

「……今のはベートがうるさい」

 

 双子の妹分の方が口を尖らせつつ言うとベートと呼ばれた狼人(ウェアウルフ)の少年は不服を漏らす。

 年の頃はアイズより上だが大人というにはまだ幼い印象を受ける。それでも実力主義の【ファミリア】に認められ、【ランクアップ】を控えている最中だ。

 

        

 

 狼人(ウェアウルフ)という亜人(デミ・ヒューマン)だが顔つきは人間(ヒューマン)に近く、動物的な部分は頭にある尖った獣耳と尻尾くらいだ。

 アマゾネスの姉妹は姉が腰に掛かるほどの黒髪に対し、妹は短く切り揃えられていた。

 見た目には華奢だが素手でモンスターを倒せる実力を持っている。

 この三人は腕に覚えがあるのだが自分たちより年下であるアイズには一歩出遅れていた。

 単なる1レベルの差ではあるのだが、冒険者の強さを示すレベルは数字以上の落差を生んでいた。

 単純にモンスターを倒していれば【ランクアップ】するようなものではなく、次のレベルに至るには条件がある。それを満たせないまま過ごす冒険者はかなりの数に昇る。

 楽して強くなれる道は無い。

 

 冒険者は『冒険』をして強くなる。

 

 つまり冒険をしない冒険者はいつまで経っても弱いまま。

 もちろんそれは人それぞれの問題で、決して悪い事ではない。

 命を粗末にせず、日々の糧を得る仕事として見るならば。

 だが、それでも遥か高みを目指す者からすれば実に歯がゆい事態だ。

 

「……あ? 血の匂いか?」

「……この先にモンスターが居るみたい」

 

 ベートの鼻にかすかな血臭が感じられ、アイズが気配で状況を察する。

 種族や【ステイタス】などの恩恵により、一般人より感覚が鋭い彼らはすぐさま行動に表す。

 アイズは剣を。ベートは両手をズボンのポケットに入れたままだが表情を戦闘用に切り替える。――そこに先ほどまでの苛立ちは認められない。

 

「どこぞの弱者(バカ)がヘマをやらかしたか?」

 

 もし、冒険者がケガをしている()()ならば見過ごす。

 もし、そうではなく――多数のモンスターにより襲撃ならば撃滅しなければならない。

 アイズとしては後者が望ましい。

 

        

 

 ダンジョンには決まったルールが最低限存在している。けれども絶対ではない。

 特定の階数に出現するモンスターの情報は一般に共有されている。それでも極たまに例外が発生する。

 ダンジョンに冒険者が潜るようになって数十年が経過しているが未だに全貌がつかめない未知の世界。

 

「あー、居た居た。ゴブリンに襲われているみたい」

「……というより……。倒れている冒険者のそばに居るだけみたいね」

 

 暗い洞窟内でも遠くを見渡せるのは阻害するようなものが無いお陰だ。

 ダンジョンの中は基本的に不思議な光が最低限灯っている。それは天井やの穴や隙間から覗く妖しい光。

 『魔石』の輝きとも言われている。

 

「こんな所で死ぬ奴は聞いたことねぇぞ」

 

 ベートの苛立ちを察知したモンスターがアイズ達に気づき、威嚇してきた。

 身体の大きさはおよそ60(セルチ)。引っかき攻撃くらいしかとりえの無い定番のモンスターと言える存在だ。――それ以外のモンスターの姿は無かった。

 襲ってくる者は撃滅する。――ベートはやる気を無くしたのでアイズが瞬く間に討伐した。ほぼ一撃で。

 全力を奮うまでもなく、実に呆気ない幕引きだ。

 

「……で、こいつをどうするかって話しだが……」

 

 倒れているのは血で赤いのか、地毛なのか。とにかく赤い髪の毛の子供。――ベートから見た感想では。

 それとモンスターの唸り声のような音が聞こえてきた。しかし、周りからは既にモンスターの気配は感じられない。

 

「きっとお腹の音だよ。空腹で倒れたところを襲われたって感じだね」

「……でも、背中とか血まみれになってるわよ」

「傷自体は……浅いと思う。……おおっ」

 

 アマゾネスの妹の方が鼻につく異臭に気がつき、ベートも壁を見て鼻をつまむ。

 

「……これは胃液だな。こいつの……」

 

 吐いてからまだ時間が経っていないせいで匂いが残っていた。

 アイズは(くさ)いと呟き、我慢しつつ辺りを確認、調査した。

 結果として異常は見当たらない。

 冒険者が空腹の為なのか、気分を悪くしたのか、嘔吐した。それから目眩でも起こして倒れて――その後なのかは分からないが――モンスターに襲われていた。

 そういう状況になったと推測する。

 

「まだ若い冒険者って感じだけど……。あれだね。貧乏だから?」

 

 あははと笑いながら言う妹の頭を姉が手刀で突っ込みを入れる。

 見た感じでは死んでいないようだ。――息があるので。あと、お腹の音が(うるさ)い。

 目を回している為に起きられないのであれば()()()地上に運ばなくてはならない。

 意識がある冒険者ならいざしらず、洞窟内で倒れて身動きが取れない者は可能な限り救出しなければならない。

 時には依頼として出される『冒険者依頼(クエスト)』になる。

 

「……ギルドに届けてくるわ。その間、三人で先に十二層に向かってちょうだい」

 

 本来ならば回復薬(ポーション)などを使うところだが、仲間でもない他の【ファミリア】の場合は見過ごす事が多い。――特に敵対【ファミリア】の構成員を助ける義理は無い。

 【ロキ・ファミリア】として出来る事はダンジョンを管理する『ギルド』に届けることくらいだ。

 恩を売る相手は必ず選ぶ。そういう打算的なものを彼らは持っている。

 意味も無く人助けをするお人好しは【ロキ・ファミリア】には居ない。

 

        

 

 冒険者をざっと見て女の子であり、歳の頃はアイズ程と確認した。それから落し物が無いか確認した後でアマゾネスの姉が赤毛の冒険者を易々と担ぎ上げて地上に向かった。

 残された三人は気を取り直して下の階への通路を探す。

 

「私達が来なかったらあの子……、確実に死んでたかもね」

「……そうだな」

 

 余計な時間を食った、と不機嫌を表すベート。しかし、壁に八つ当たりはしなかった。

 

「もしベート一人だったらどうする?」

 

 両手を後ろで組んで悪戯っ子の笑みでアマゾネスの妹が荒くれの狼人(ウェアウルフ)に尋ねた。

 敵意を振り撒く凶暴さを醸し出している彼に全く恐れを抱かない。それは仲間だからなのか、彼程度の凶暴性は恐れるに値しないと思っているのか。

 逆に戦闘部族たるアマゾネスの彼女は天真爛漫とした笑顔を振り撒いている。見た目から戦闘狂の様相は窺い知れない。

 

「例えばさっきみたいに行き倒れを見つけた場合……」

 

 あ~ん、と不機嫌に唸りつつ彼女の言葉をさっと脳裏に再現する。

 もし自分であれば。

 それは冒険者として、というよりは()()()()()()に対して自分がとるべき行動を模索する上で大事な事だと思っているからだ。

 自然と状況を構築し、次の行動の糧とする。

 

「……まあ、見逃したら……メンツが潰れるな」

 

 仮に誰も見ていなければ何をしてもいい。――という部分は暴論である。それは自覚している。

 ()()()()()()()()見逃す確率は高い。もとより雑魚に構っている暇は自分には無い。

 迷宮都市(オラリオ)で名高い【ロキ・ファミリア】に所属している今の自分は他の【ファミリア】に嘗められてはいけない存在だ。それは強さもさることながら模範的な行動も必要とされる。

 冒険者は憧れの職業であると同時に都市の防衛を担う存在でもある。

 悪い噂を持つ【ファミリア】は当然、誰からの信頼も得られず、また他の【ファミリア】との不和をもたらす原因と見なされる。

 

「階層次第だが……。俺一人ならある程度は上に連れて行くだろうな。……不本意だが……」

 

 自分と仲間と他人の優先順位というものがある。

 自分だけならば自己責任で済む。

 仲間の場合は他人を優先する場合がある。

 三者の場合、他人が一番重くなりがちだ。

 

 

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