剣が舞う世界   作:あんふぁんぐ

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内容はタイトル通りです
原作とは少し変わった展開をお楽しみください。

ゴールデンウィークは時間が余っているのでうれしい!


004 お風呂事件

俺とキリトは今絶賛賢者モード中だ。

ほぼ全ての精神を無へと集中させ、悟りでを開くように心を鎮める。

しかし...

 

「ふわぁ、気持ちいい!!」

「お姉ちゃん私も入る!」

 

 

俺の努力もむなしく集中力はかけらも残さず飛んでいった。

とりあえず何周目かわからない攻略本に目を通して、明日のボス戦のことでも考えよう。

 

しかしいくら考えようとしても、全く頭に入ってこない。

 

キリトに至っては頭を壁にゴンゴン打ち付けている。

 

どうしてこうなったのか説明しよう。

先ほどパーティーを組んだアスナとノアが今俺たちの泊まってる宿屋で入浴中なのだ。

宿屋といっても、いくつもの部屋があるようなものではなく、一軒家のような宿屋だ。

 

こうなってしまったのは俺のせいでもキリトのせいでもない。

そして、いやらしいことも全くない。絶対に!

 

 

なぜこうなってしまったのか説明しよう。

4人でパーティーを組んだ俺たちは軽く自己紹介をした。

 

「俺はフウヤでこいつはキリトだ、これからよろしくお願いします。」

「ういっす、よろしく」

 

キリトの口調が若干ちゃらくなっているのは気にしないでおこう。

 

するといきなりアスナが

「ちょっとフウヤ君借りるわ」と言って俺を引っ張り出した。

 

「お、おい 何するんだよ」

 

するとアスナが真剣な顔で

「あなたって名字が加賀だったりする?」と聞いてきた。

 

図星だったが思わずビックリして違う!と答えた。

 

「そう... 気にしないで

知っている人に似ていただけよ」

 

顔はフードでよく見えないが、少し残念そうな雰囲気をかもしだした。

 

ここで俺は確信した。

 

 

彼女は俺の幼馴染である『結城明日奈』であると。

身長が伸びて雰囲気も変わったので最初はわからなかったが、ちらっと見た顔とさっきの質問で確信した。

だけど、少し恥ずかしいので俺はそのままやり過ごすことにした。

 

「誰にでも間違いは間違いはありますよ。それに二人とも待たせているので早く戻りましょう。」

 

アスナは無言で頷くと二人の方に歩き出した。

 

キリトは俺を見ると、何があったのか聞きたそうに鼻をピクピクさせている。

何科しゃべる前に「何も聞くな」と釘を挿しておいた。

ノアの方は何があっのか全て分かっているような顔でニコニコしている。

そして俺の隣まで来て耳元で

「お姉ちゃんをよろしくね、お兄ちゃん」

なんて言って来た。

 

ふあぁ!?

思わず吹き出す。

 

そう言えば、アスナは妹がいたな。

あまり会ってなかったから忘れたけど『希空』は俺をお兄ちゃんと呼んで慕っていた...

 

気がする

 

頭の中で一度に起きた大量の情報の整理をしていると

 

アスナは軽く咳払いをして口を開いた。

 

「さっきの続きをしましょ、アスナよ よろしく。」

「私はノアです。キリトさんにフウヤさん、よろしくお願いします!」

 

「あのー、ノアさんとアスナさんってリアルでも姉妹なんですか?」とキリトが尋ねる。

 

「敬語はやめにしましょう?

私とノアはリアルでも姉妹よ。

あと、私はフウヤくんとキリトくんって呼ばせてもらうから直接アスナってよんでいいわよ。」

 

「私はちょっと恥ずかしいので敬語を使わせていただきますね。

私のこともノアってよんでください!」

 

「う、うん。

じゃあ、改めてよろしくおね... よろしく。」

 

と他愛ないやり取りをしていた。

このまま終われば何も起こらない、そのはずだった。

 

「あのー、キリトさんとフウヤさんってどこに泊まってるんだすか?私たちは主街区の宿屋なんですけど、ちょっと高くて...」

 

「あーもしかして町の掲示板のINNに載ってるやつ?」

 

ノアは頷いた。

 

「あれって実は載ってないやつでもたくさんあるんだ」

そう言うと二人は体を固まらせて驚いた。

 

「俺たちのところは安い割には、部屋でかいしお風呂と牛乳付きで...」

とキリトが言った瞬間...

 

「「お風呂!!」」

 

女性陣が見事にはもった。

そして

「ちょっと待ってて」と言って何やら相談をし始めた。

 

「なあフウヤ、俺なんか変なことでも言ったか?」

「俺に聞くな」

こそこそと話していると、二人が戻ってきた。

 

するとアスナが少し顔を赤らめながら

「一晩だけその部屋譲ってくれない?」と聞いてきた。

 

「俺たちが借りてるところは最初に10日分の支払いをして、その間の部屋のオーナーは変更できないようになってるんだ。」

 

二人は落ち込んだような表情をしている。

だが、ここでアスナが爆弾を落とした。

 

「今日一日でいいからお風呂かしてほしいの!」

 

俺はうぐっと言葉を言葉を詰まらせたが、言った本人も相当恥ずかしかったのか顔を真っ赤にしてうつむいている。

 

ノアも真っ赤になりながらあわわわわとか言ってるし。

なんだこれ

 

 

「まあ、いいけど」

キリトが紳士なんだか変態なんだか分からないこと言いやがった。

 

じっとキリトを睨むと、しょうがないじゃんていう顔を向けてきた

 

殴ってやりたい

てか部屋に戻ったら絶対殴る

 

 

こうして今に至る。

 

これがアニメならお風呂から出てきた美少女と主人公がぶつかってきゃあ!とか言う展開になるのだろうけど、このSAOでそんなことになったら確実に監獄行きだ。

現実でも同じか

 

まあ、アクシデントは起こる可能性はあるので先に部屋に戻ってこもってよ。

「おいキリト、俺先部屋戻るからからそこで二人が出てきたら呼んで」

「ま、待ってくれ!俺を一人にするな」

「だいたいお前が悪いんだ!」と言ってキリトを放置

 

そのまま部屋まで走っていつものようにベットに飛び込む。が、寝てしまいそうなので椅子に重い腰を下ろし、ふうと息をつく。

 

今日色々ありすぎて疲れたわ

 

それにしても、アスナとノアか

ノアには正体バレたっぽいけど、アスナには言ってないみたいだし

今度俺が加賀風哉であること言わなきゃな

 

なんて考えているとだんだん眠くなって来た。

俺は少しだけ眠ることにした。

 

 

 

「きゃああああ!!!」という声とともに意識が覚醒する

キリトがなんかやらかしたのかと思い、急いで部屋を出る

 

そして俺の思考が完全停止した

 

 

下着姿のアスナとノアが走って来たのだ。

本来ならすぐに避けるべきだったが、俺の思考はショートしてたので

小さい頃と比べて、二人とも成長して美人になってるなあ、なんてこと考えながらぼーっと立っていた。

 

はっ!と思った頃にはときすでに遅し。

まさにお約束展開が起きちゃった

 

先頭を走っていたアスナは俺にぶつかり、俺を押し倒す体制で倒れた。

 

恐る恐る顔をのぞくと、羞恥エフェクトがバグってるんじゃないかってほど顔が赤くなってる

 

美少女の幼馴染に押し倒されて嬉しいけど、この後の展開がわかってるので素直に喜べない

 

 

 

よし、現実逃避をしよう

かわいいなあ やわらかいな

 

 

さらなる悲鳴とともに、俺の頰に衝撃がはしり、俺は意識を失った。

 




次回はこれの続きになります
後、フウヤ君の正体内容にもあるように、ノアにはバレています
アスナはまだ分かってないので、ネタバラシもします。

今回も作品をご覧いただきありがとうございました
次回の作品もお楽しみください

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