【凍結】 Fantasy Story Online 作:竜人機
<小休止>
鬼ぐまのバックアタックを受けたあの後、アオたちは夜が迫るまでくろおおかみ狩りを続け、鬼ぐまにも何度か遭遇し、狩っていた。
夕暮れと共に狩りを止め、街へ帰って来たアオとフローレルメヌテイアとこぬこの3人は、戦闘の合間に採取した物とドロップ品を整理していた。
「まずは採取品だね。
薬草37、毒消し草13、毒草7、木材12、石ころ31、
集めて数えるフローレルメヌテイアは薬草類はアオさん、木材はこぬこだね、と分配する。
「で、ドロップ品は、角うさぎの角18、角うさぎの毛皮19、角うさぎの肉13、くろおおかみの牙37、くろおおかみの毛皮56、 鬼ぐまの毛皮11、鬼ぐまの肉13と」
食材の角うさぎの肉と鬼ぐまの肉はわたしねとふたつをもらい受けるフローレルメヌテイア。
「残ったのは、角うさぎの角、角うさぎの毛皮、くろおおかみの牙、くろおおかみの毛皮、鬼ぐまの毛皮、石ころ、謎石。
それで、くろおおかみの毛皮、鬼ぐまの毛皮は持込で防具に仕立てちゃって、後は買い取りで……
どうかな♪ 」
「…… 店のまん前で分配とかやんないでくれるか」
親父口調の少年ドワーフ生産者、アスロウは溜め息を付いてそう呟いた。
夜、世界樹広場の隅にあるアスロウの露店前でのやり取り。
営業妨害だっつの、と愚痴りつつも気を取り直して渡された品を鑑定し、値踏みするアスロウ。
「んー、22k(2万2千)と900ってところか」
22,900Gでの買い取り、アオとフローレルメヌテイアとこぬこの3人で分けて1人7,633G~7,634Gとなった。
「そんで、くろおおかみの毛皮と鬼ぐまの毛皮は持ち込みか……
くろおおかみの毛皮56でウルフレザー一式。鬼ぐまの毛皮7だとギリギリでベアレザーの篭手が作れるかだな」
「作れる物は予想通り、か。
ウルフレザー誰が使う? 盾がない分、防御薄いからアオさんとこぬ、ふたりのどっちかにする?」
「私は、タンクのテイアさんが一番防御を厚くした方が、良いと思います」
「俺もこぬちゃんに同意だな。
戦闘で矢面に立って攻撃を受けるのはテイアなんだし」
「そか、じゃあウルフレザーはわたしが使うね」
防御の薄い二人を気遣い、自分はベアレザー
「後は篭手だけど、どうしようか」
「私は、良いです。まだ後ろまで攻撃、来ませんから」
「それじゃあ、消去法で俺になるか」
「だね♪
じゃあアスくん、製作おねがいね」
「おう、任せとけ。出来上がったらメールすっからよ」
景気良く答えるアスロウ。
さて、一端店じまいだ、と鍛冶工房へ行く準備を始めたアスロウへアオは声を掛ける。
「なあ、アスロウ。防具にAtkを付けて武器として使えるようにできないか? 」
「出来るっちゃ出来るが、ベアレザーグローブにか? 」
「ああ、「体術」メインで戦っているんだが、やっぱり火力不足でな。
「体術」用の武器があればと思っていたんだ」
「わかった。篭手が無事に出来上がったら付けてやるよ」
「ありがとう」
感謝の意を示すアオにわははと照れ笑いを上げるアスロウ。
「あ、もうすぐでログインして16時間、8時間になるんだ」
アスロウと別れ、ひとまずと夜の街をブラブラと歩いていた一行。不意に「ステータスウィンドウ」を開いて見ていたフローレルメヌテイアがそんな声を上げた。
それを聞いたアオもステータスを開いて確認してみる。ステータスの隅、ゲーム内の時間とリアルの現在の時間を示すデジタル時計、そしてログインしてからの時間を示すカウンターがあり、そこには赤字で「15:22」と表示されている。
カウンターはログインしてから15時間で赤字表記になり、ログインしていられる残り時間が20分になるとアラームが鳴って知らせるようになっているらしい。
SFOは朝6時間、夜2時間の一日8時間でゲーム内は時間圧縮率二倍となっている。つまり二日で現実時間8時間ということになる。
「あー、
とフローレルメヌテイア。そういえばお昼休憩も取ってない、お昼も食べてなかったよー、と愚痴る。
「このままじゃアク禁24時だよ。
始めたばっかりなのに! 」
VRの安全上の取り決めでプレイ時間は連続8時間となっている。
そして8時間近くプレイしたら1時間以上の休息が必要で、連続プレイ時間が8時間を越えるとVRマシンのシステムにより強制ログアウトされ、ペナルティ、「24時間のアクセスの禁止」が発生する。
「そう慌てないでも、今からログアウトすれば良いだろう」
焦るフローレルメヌテイアをまだ時間はあるんだからと宥めるアオ。
「そ、そうだね。今から落ちれば良いんだよね。
あ、でも、そうするとこぬがひとりになっちゃう」
「大丈夫です。私も一緒にログアウトしますから。
一時間後には、また戻ってくるんですよね? 」
「それはもちろん。ゴールデンウィークなんだから思いっきり時間使わないと♪ 」
とこぬこへ笑顔を向けるフローレルメヌテイア。
「じゃ、宿を取ってそこを待ち合わせ場所にしよう」
そう言ってフローレルメヌテイアとこぬこがテスター時代にもお世話になった食堂のある宿、「居眠り子獅子」へと足を向けた。
×+×+×+×+
「ん…… 」
ログアウトから意識が浮上する。
「…… ふぅ。
ちゃんとログアウト出来たか」
目覚めた青児郎はVRマシンを外して大きく息を吐いた。
未だ持ってログアウト出来なくなるのではというVRの安全性以上ありえない、笑いに伏されるような小さな不安があるのだ。
まあ、VR初心者なら誰しもチラリとは考え、小さい不安を持つ物なので、ことさら青児郎だけが考えすぎているというわけではない。
「さて、時間も時間だし、何か簡単に作るか」
時刻は午後4時過ぎ。遅くなった昼食を取るべく、青児郎はベッドから起き出た。
昼食は冷蔵庫しまい込んでいた食パン、レタス、ベーコン、チーズを使ったサンドイッチ
早々に食パンにバターを塗り、レタスとチーズ、ベーコンを挟んでかぶり付く。
簡単にすますと決めた男の料理など、
「さて、ログインは一時間後だし、wikiでも調べて暇を潰すかね」
アビリティは最大10個までセットできる。セット数は固定、ではなく、特殊なアイテムによって増やすことも可能らしい。
「「投擲」、「治癒術」、「
wikiで調べたアビリティで気になった物を並べてみる青児郎。
「投擲」。投げた物に武器判定がなされ、中ったモノにダメージを与えられ、投げた物に命中補正が付く。
Wikiによればプレイヤースキル次第ではMOBを投げ飛ばすことも可能とか。
MP切れで魔導銃が使えない時の釣り用に、とも思うが、パーティーを組んでいる今はこぬこがいるので必要ない。むしろ「銃術」のLv上げのためという理由で
「治癒術」。そのまんま、回復魔法が使えるようになる。
今のパーティーで回復はポーション頼りで、戦闘中は主に後衛のこぬこがポーションを投げつけ掛けることで回復している。当然飲むよりも効果は下がる使用方法だ。
パーティーとしては回復役が欲しいところだが、どちらにせよ、一応前衛の上に魔導銃でMP切れを起こす自分には向かないアビリティだ。
「付与魔法」。Atk+やDef+などの効果を対象に、武器や身体に付与する魔法が使えるようになる。
要は一時的にパワーアップやブーストが出来る魔法だ。これなら前衛の自分でも使えそうだが、やはり魔導銃によるMP切れがネックになる。
「鑑定」。不明アイテムなどを鑑定することができ、アイテムの詳細を知ることが出来る。
「錬金術」で作ったアイテムの詳細を調べられることから取ってみようかとも思った青児郎だが、神造人間の熟練度3倍という特性を考えると余程頻繁に使わなければLvが上がらず、あまり役に立たないのではと思い直す。
「身体能力向上」。その名の通りに身体能力、StrやVitなどのステータスが向上する。
自分の取っている「体術」を始めとした戦闘系、特に近接系アビリティと相性が良いという。
取りさえすれば後は戦っていくだけでLvが上がっていくらしい。
「ひとまず「身体能力向上」取って、Lv上げだな」
次のログインで青児郎はギルドの訓練所に篭ろうかと考える。
To Be Continued
アオ
HP101/101 MP72/72 AP12 W:練達の魔導銃(Atk:+11)
銃術Lv2 体術Lv3 魔力運用Lv1 鷹の目Lv2 雷魔法Lv2 索敵Lv2 錬金術Lv1