魔法少女リリカルなのは innocent duelists   作:テンタクルスキー

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クリックしてしまわれたか…
つくづく好きと見える……クククッ
それはともかく、頭のネジを緩めて、生暖かい目で見てもらえれば。
初投稿ですので、不手際もあるかと思いますがよろしくお願いします。
批評は大歓迎です。


小学5年生、はじまります

ーーACT 1-1 ーー

 

どこまでも広がっていそうな青をキャンバスに白いグラデーションの雲が程よく広がった空、地平線代わりに直線と直角で区切られた鈍色の山脈。

その一つのマンションの鉄扉に鍵をかける二人の少女がいた。

ある意味有名なマンモス学校、"St.ヴィルヌーヴ学園"の制服に身を包む少女は鏡合わせのように同じに背格好、顔つきをしていた。二人は双子なので勿論のことである。母親似の姉は赤い髪を、父親似の妹は黒い髪を腰ほどまで伸ばし遊ばせている。エメラルド色の瞳を持つ姉は優しさを、赤い瞳を持つ妹は熱血さを感じさせる。

「今日からお互いに五年生ですね、紅音ちゃん」

姉の天音が鍵を掛けながら妹に声をかける。

「今年も同じクラスだといいね!まっ、私のラックなら楽勝よ!」

拳を天に突き上げ元気よく紅音は意気込む。

マンションの階段を下りきると、さらに二人、同い年と思われる少女が待っていた。待っている二人は顔つきも良く似ており目の色も同じ蒼色である。しかし髪色が姉が青、妹が赤とここでずいぶん印象が変わる双子の姉妹である。

「おっはよー!アマネ!クオン!」

「おはようございます、アマネさん。クオンさん」

青と赤の双子が赤と黒の双子へ挨拶する。アイサツは大事、古事記にも書いてあるし、ミヤモトマサシの奥ゆかしい教えにもある。

「おはようございます、アレクちゃん、ノインちゃん」

「おっはー、今日は私たちが遅かったかー」

アイサツ返しを終えると4人が話す話の内容は一つへと収束する。

「チーム編成だけど私たちがって後衛とチームのまとめ役、つまり参謀や指揮官が居ないんですよね」

呟くように話し始めた天音はブレイブデュエルのチームについて思案する。

ーブレイブデュエルー

それは五年ほど前突如この世に現れたフルダイブ体感型対戦ゲーム。天才科学者と天災科学者によって作り出されたそれはゲームセンターでカードを集める、デッキを組む、対戦するというルーチンを持つ。それはドラゴンボ◯ル、ガ◯ダム、ム◯キングといった少年を魅了する集めて強くするという要素。アイ◯ツ、プリ◯ラ、オ◯カドールといったカードを集めてキャラクターを着せ替えたり可愛くする少女を魅了する要素。これらを兼ね備えたゲームは人々を老若男女問わず寂れたゲームセンターへと向かわせた。

5対5でのチーム戦が主なルールのこのゲーム。天音は紅音、アレクシス、ノインの4人でチームを組むのにあと1人足りないと考えていた。そしてその考えは他の3人も共通の悩みだった。

「どこかに居ないかなぁ〜…ボクたちにイイ感じの作戦をくれる人」

アレクシスが溢すように愚痴る。

「そうね、私たちより年上の方がいいかも知れませんね、姉様」

ノインは自分たち初等部の頭では恐らく作戦を理解できても立案は出来ないのではとも考えているようだ。しかし、初等部の中には子供特有の頭の柔らかさから来るセオリー無視の奇策の強みがあることを彼女たちは知らない。

「その前に上級生との知り合いがいないから難しすぎでしょ?」

アレクシスがノインの意見をバッサリ切り捨てる。

話しは結局まとまらず

「そういえば昨日のパリーグ見た?緋村選手凄かったよね!」

と、スポーツ好きの紅音が煮詰まりに煮詰まった話題を変える。

このパリーグ、別にパシフィックリーグではない。パックスリーグの略である。そう、ブレイブデュエルはプロリーグ設置されてどこかの世界の野球のような位置づけになっているのである。日本ではブレイブデュエル稼働後数年後で設置されたのだ。

次に火がついたのは某帝国、ゾンビ大好きなFPS脳の多い彼の国でジワジワと稼働台数を増やし、今では野球、バスケットボール、アメフトに続くメジャースポーツとして台頭したのだ。

そして国連も動いたのだ。そうだろう。アメリカの国家元首は重課金兵のカードコレクターでスタイルを試合中に変える能力、"D4C"の使い手。方やロシアはジュージツとKGB仕込みの暗殺術の使い手、国連の赤い悪魔の異名を誇る。紳士の国ことイギリスでは銃剣突撃の国家元首が正確無比な射撃と、大胆な突撃で対戦相手を撃破していく。日本の首相は相手にベアハッグを食らわせ背骨を鯖折りする"友愛"と呼ばれる必殺技一つで国連でのいざこざをブレイブデュエルで解決しようとしている始末。とあるダンディな老兵は後に「戦争は変わった…」と白目を剥きながら呟く。

つまりかなり流行っていると言うことだ。国連レベルで世界大会を何年かに一度行うと言うものだ。プロリーグの設立もブレイブデュエルの生まれ故郷の日本で早々とされる予定である。

彼女達が通うSt.ヴィルヌーヴ学園はそんなブレイブデュエルのプロを育てる小中高一貫校なのだ。

 




簡単な導入回です。
まだまだやりたい事があるのでジワジワとやって行きます!

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