天災二人と馬鹿一人   作:ACS

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次回の投稿で原作時の視点アンケートは締め切ります。

投票をしてくださった皆様、本当にありがとうございました。



小学五年生 14

 

俺の母さんは結構口が悪いけど、裁縫や料理とかが凄く得意でそれ関連の友人が多い。

 

親父が言うには昔は家事も何も出来なかったらしいけど、結婚してからはめちゃくちゃ上手になったんだとか。

 

なんで上手になったのか聞くと『恥ずかしい事聞くんじゃないわよ』とか言って拳骨食らうから最近は聞いて無いけど、今日はそれ関連の友人から少しお願いをされたらしい。

 

所謂コスプレ衣装って奴の製作の手伝いなんだけど、思いの外早くその衣装が仕上がって材料も余ったからって、俺用の衣装を二着作ってくれた。

 

片方は執事服、もう片方はメイド服なんだけど……両方とも俺用の衣装なんだよなぁ。

 

 

「なぁ母さん、なんでメイド服も作ったんだよ」

 

「んー? そりゃ昔の事思い出したからよ」

 

「昔の事?」

 

 

そう言われて、俺がもっと子供の頃に母さん側の実家で『丈夫な子に育つように』と言うおまじないとして女の子の着物を着せられた事を思い出した。

 

確かまだ写真があったよなぁとか思ってたら、どこからかアルバムを持って来た母さんがその写真を見せてくれたんだけど、俺って分からないくらい女の子してる。

 

なんで女の子の格好するのが魔除けになるのか聞いてみたけど、母さんはあんまりそう言う風習には詳しくないらしく、親父が帰って来てから聞いた話によると、昔は男の子の方が病気になりやすかったから、女の子の格好をしたら病気にならないと言う考えがあったらしい。

 

それが女装をすれば魔除けになると言う風習に繋がり、小さな頃に女の子の格好をしたら丈夫な子に育つと言う話になったと教えてくれた。

 

…………という事は今の内に一夏君に女の子の格好をさせれば将来丈夫な男の子に成長してくれるって事?

 

そう考えた俺は次の休みに母さんが作ったメイド服を持って千冬の家に行ったんだけど、千冬に女の子の服を持ってきた事を不思議がられてしまった。

 

 

「唐突に遊びに来たと思ったら……私にコレを着せに来たのか? 別に着るのは構わないが、着たことが無いから時間がかかるかもしれないぞ?」

 

「んにゃ、今日は一夏君にコレを着せに来たんだよ」

 

「……一夏は男だぞ?」

 

「うん、知ってる。だから着せるんだよ?」

 

 

男の子にやる魔除けだから別に変な事を言ってないと思うんだけど、千冬が本気で戸惑ってる。えっ? 俺何か変な事言った?

 

「……私は束の様にニュータイプじゃないんだ。頼むから話の過程を省くのをやめてくれ」

 

「うーん、魔除けのため?」

 

 

何時もの癖が出てたらしいので、取り敢えず親父から聞いた話をしたんだけど、案外一夏君は女装が似合う。

 

メイド服は俺用のサイズだからちょっとぶかぶかだけど、顔立ちが千冬に似てるからコスプレ用のカツラをつけてあげれば十分女の子っぽく見える。

 

最初はちょっと嫌そうな顔してたんだけど、俺が女の子の格好してる写真を見せてあげたら真似して着てくれた。

 

「これで一夏君も丈夫な男の子の仲間入りだ!!」

 

「わーい!! にーちゃんと一緒ー!!」

 

「本当に効くのか? その魔除けとやらは」

 

「まぁ古いおまじないらしいし、束なら『今時そんな迷信を信じるの?』とか言って馬鹿にして来そうなものだからねぇ、どれだけ効くのかは分かんないけど気持ちの問題だよ」

 

「病は気から、だな」

 

 

そんな風に千冬と話してたら、ちょいちょいと一夏君に服の裾を引かれて見上げられた。

 

 

「どったの一夏君?」

 

「にーちゃんもしないの?」

 

「うーん、じゃあ千冬の服借りていい?」

「分かった。じゃあ少し待て」

 

 

そう言って千冬は自分の服を脱ごうとしたので慌てて止めて、タンスの中から丁度良さそうな服を探したんだけど、スカートが無かったからあんまり女装って感じにはならなかった。

 

それでも一夏君は満足だったらしく、今度は千冬に向かって『ねーちゃんも!!』と言って俺の服を千冬に渡してる。

 

渡された側の千冬も素直に着ようとしたみたいだけど、他人の服を着る事に少し抵抗があったのか、俺の服の匂いを嗅ぎ始めたんだけど……中々服から顔を上げない。

 

 

「……なぁ千冬? 流石にちょっとくらいならともかく、ずっと匂いを嗅がれるのは恥ずかしいんだけど?」

 

「す、すまん。つい!!」

 

そう言って顔を上げた千冬はかなりテンパってたのか、俺が居るのにも関わらず勢いよく服を脱ぎ始めた。

 

慌てて俺は後ろを向いて千冬の着替えを見ない様にしようと思ったんだけど、姿見があった所為で着替えてる最中の千冬の姿が見えてしまう。

 

肌が白くて綺麗だなぁとか思いそうになったけど、鏡越しの視線に気が付く子だから目を瞑って着替えが終わるまで待った。

 

着替え終わった千冬は服装的にあんまり普段と変わらなかったけど、俺の服を着てるだけで何となく何時もと違って見える。

 

折角なので三人で写真を撮ったんだけど、この日の服のとっかえっこが一夏君は気に入ったらしく、別の日に箒ちゃんと服をとっかえっこしたり、千冬の服を着て遊びに来たりして、しばらくの間妙な癖がついてしまった事を後になって知るのだった。

 





尚この子供一夏のメイド写真が後々箒以外のヒロインズが発見し、大変な事になる模様(白目

原作7巻までがどちらの会社かのアンケート(今後の描写に関わる為)

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