天災二人と馬鹿一人   作:ACS

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小学六年生 5

 

 今日も束は忙しいらしく、特訓が休みだった。

 

 束も束で色々やる事があるらしくて、本当なら俺と特訓なんてやってる暇なんか無いらしいんだけど、何とか時間を作って鍛えてくれてるらしい。正直悪いなと思ってるし、束にも俺が出来る事ならなんだってしてやりたいと考えてるから、お礼をしなきゃいけないと思ってる。

 

 けど今月はお小遣いを使い切ってるし、宇宙談義とかもレパートリーが束に比べると少ないし、なんか無いかなぁ。

 

 

 「てな訳で千冬、なんか無い?」

 

 「……腹でも減ったのか?」

 

 「ん? 腹減ってねーけど?」

 

 「毎回の事だが分かる様に話してくれ……」

 

 

 一人で考えてても多分束にツッコミ入れられる様な事しか浮かばないから千冬ん家に来てるんだけど、良く考えたら千冬も束に似た様な部分があるし、取り敢えず千冬が喜ぶ様な事をやれば束も喜ぶ様な気がして来た。

 

 千冬の喜びそうな事かぁ……そーいや前に膝枕した時気持ちよさそうに寝てたよな? 今も膝枕喜ぶかな? 何なら一夏君もお昼寝中だし、川の字に添い寝とかでも良いんだけど。

 

 

 「よし!! 千冬さぁこい!!」

 

 「待て待て、全く話しが分からん!! 何の話だ!?」

 

 「いやだから、膝こいって」

 

 「なんだ? 私がお前に膝蹴りでもすれば良いのか? 痛いぞ!?」

 

 「なんで突然膝蹴りされなきゃいけないんだよ!? 膝枕だよ膝枕!!」

 

 「ああ、なんだそう言う意味か……。お前の事だから私には理解できん思考で膝蹴りを求めて来てるのかと思ったぞ」

 

 「お前俺がそんな事する奴だと思ってるのか…………」

 

 「少なくともお前との付き合いの長い人間は私の印象に同意するだろうな」

 

 

 あっさりとそう言い切る千冬を見て、俺は他人からそんな風に見えてんのかぁとちょっと悲しい気持ちになったが、目的は千冬に膝枕する事だし、そもそも昔の行動を考えるとまぁ仕方ない様な気もするし、気にしなくてもいいかなぁ?

 

 とりあえず膝をぺしぺししながら千冬を膝枕に誘ってみたんだけど、今までならすんなりとされに来てたのに、躊躇ってるような様子が見えた。

 

 

 「どした千冬?」

 

 「……いや、その、今日は……」

 

 「遠慮すんなよ千冬。俺とお前の仲だろ? 何なら頭も撫でてやろうか?」

 

 

 俺がそう言うと、千冬はゆっくりと俺の側に近付いて来てそのまま頭を俺の膝の上に乗せる。

 

 んでその頭を撫でてみたんだけど、少しだけ千冬の身体が強張ったような気がする。ただそれも最初だけで、ゆっくり撫でてると、千冬も目を瞑ってリラックスし始めたらしい。

 

 そんな風に暫く頭を撫でていると、千冬がボソッと呟き始めた。

 

 

 「……私は、弱いな」

 

 「いや強いだろ?」

 

「いいや、弱いさ。私はお前の優しさに甘えている。お前を汚したく無いと思いながら、こうして優しくされるとそれをつい受け取ってしまう」

 

 

 ぐりぐりと俺の膝に頭を擦り付ける様にして、そう語り出す千冬。時々俺に見せる弱音なんだろうと思い、千冬が話終わるのを待つ。

 

 

 「……私は強くなければいけないのに、お前が私を弱くする。それは良くない事だと理解はしているが……お前は私の欲しいものを全てくれる。私の知らない物を全て教えてくれる……どうしてもその誘惑を振り切れない……お前は……私にとって……」

 

 

 そう言って千冬はそのまま黙ってしまう。どうしたのかと思って顔を覗くとすっかりと眠ってしまってて、すーすーと寝息まで聞こえてくる。

 

 前にも千冬を膝枕した時に同じ様な事があった様な気がするなーと懐かしい気持ちになったけど、このままだと俺の膝が死んじゃうので、とりあえず千冬を抱き抱えて一夏君の隣に寝かせようとしたんだけど、気が付いたら抱きつかれてて離れられそうになかった。

 

 しょうがないから俺も添い寝しとくかと思い、一夏君と千冬の間に入るようにして横になる。

 

 そーいやこの部屋にもだいぶ通ってるけど、相変わらずなんも無いよなぁ……。

 

 ちらっと見ると昔よりは物が置かれてるけど、俺の部屋みたいにおもちゃやら漫画やらゲームやらで溢れかえってる訳じゃないし、片付いてるって言えば片付いてるけど、どっちかってーとなんも無いってのが正解な気がする。

 

 そんな風に考え事をしてたんだけど、一夏君と千冬の寝息を聞いてると俺も眠くなって来た。時計を見たらまだ昼の一時、千冬も寝ちゃったし離してくんないし、携帯のアラームだけ掛けて昼寝でもしとこうかなぁ?

 

 そう思ってポケットの携帯を取り出そうとしたんだけど、何時の間にか千冬が足まで絡めて来てたらしく、ポケットから携帯を取り出せなくなっていた。

 

 いや、取り出そうと思ったら取り出せるよ? けどそうなると千冬の身体を触らなきゃいけないし、そうなるとリラックスした顔をしてる千冬を起こす事になる。

 

 流石に起こすのは可哀想なので自分自身の体内時計を信じて、俺も目を瞑る。起きてても良いんだけど、そうすると千冬を変に意識しちゃいそうだから、俺の方が多分持たない。

 

 

 ––––まぁ二時間くらいで起きれるだろ!!

 

 とか思ってたらガッツリ寝過ごした上に一夏君に起こされた時にはもう夕方だった。

 

 ……体内時計って、役に立たないんだな。

 

原作時代に入ってからの視点についてのアンケート。

  • 主人公視点(一夏は幕間)
  • 影響された一夏視点(主人公の出番は減る)
  • ①を完結させた上で両方(章分け)
  • ①を完結させた上で両方(作品分け)
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