天災二人と馬鹿一人   作:ACS

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 [Project-Mozaica-Thousand-Winter]


 –––––パスワード承認。

 –––––ようこそ織斑計画(プロジェクト・モザイカ)担当職員様。


幕間:戦乙女の秘密

 

 

 –––––報告。計画の進捗は現在やや難航しており、研究主任の提唱した『完璧な感情コントロール』に関して不具合が発生している模様。

 

 この不具合は本年になってから顕著に発現しており、織斑千冬(成功例)への影響が見られました。

 

 端的に申しまして私は研究主任の語る『究極の人類』の条件として『如何なる状況、環境下であっても完璧に感情をコントロールし、常に最高のコンディションで最適解を行う』という物へ些か疑問を抱いており、不具合の発生も主任の不手際と考えております。

 

 彼らは『親』と言う役割を演じてはおりますが、それ以前に『研究者』としての側面が非常に強く、織斑千冬のコントロールが完全であるとは到底思えません。

 

 その証拠に実戦訓練終了後に織斑千冬は精神的疲労を負っている節が存在し、それは感情(余計な物)を持たせた事に起因するのではないのでしょうか?

 

 その為、感情の完全なるコントロールを目的とする本計画の中断及び織斑千冬(成功例)並びに織斑一夏(例外個体)の回収を進言致します。

 

 

 

 以上の報告書をPCから白衣の男が何処かへと送り、深いため息を吐く。

 

 究極の人類を誕生させると言う研究、それに非常に心が踊った彼は道徳や倫理などを捨ててその研究に終始し、彼らは遂にその計画の成功例を作り出す事が出来た。

 

 計画外の番外個体を作り出す事にもなったが、ある意味では必要経費であり、それ自体は例外とも言えるのだが……彼が深いため息を吐いたのには理由がある。

 

 現在のプロジェクト担当主任。その男は一種の完璧主義者であり、『究極』と銘打たれた人類が人形であるはずが無いと主張し、その意見が通ったからこそ一般社会に晒しながら情操教育を行い、感情のコントロールと他者の観察から得た洞察力を用いたマインドコントロール技術を与える事、それを徹底していたはずだった。

 

 しかし現実はそうならず、人形然としていた数年前の方が感情のコントロールや精神掌握が得意であったとそう結論付ける事が出来る。

 

 これは明らかな失敗であり、致命傷に近い失態なのだが、それを主任自身が理解している為か、その不具合を修正しようとするあまり、更に精神が追い込まれていくと言う悪循環を発生させていた。

 

 報告を作成していた男はその事に頭を悩ませる。彼からすれば感情こそ究極の人類には不用な存在であり、機械的に全てを完璧に熟せてこその究極であると、人類を不完全な存在にしている物こそ、善悪論を生み出す感情に他ならないと、彼は持論を述べていたが同意が得られず、その後一般研究員として計画に関わる事になっていたものの結果はこの通り。

 

 究極の人類の作成は成功した。しかし、究極の人類の()()には失敗したのだ。

 

 彼にとってもそれは屈辱であり、心血を注いで作り上げた最高傑作が鈍ったなどと認められる訳もない。

 

 しかし、かといって新たな『究極』を作ろうにも、資金面は勿論、時間と言う意味でも問題が存在しており、仮にその二つを解消したとしても『織斑千冬』を越える答えが作り出す事が出来るかは不明である。

 

 その為、彼は織斑千冬にある程度の見切りを付けており、もう一つの成功例である『M』の教育に着手しようとしていた。

 

 カタカタとタイピングの音が鳴り響き、研究主任が万が一失脚した場合の保身を行う為の情報収集と––––織斑千冬の人間関係の中で発見した一つの不安要素を報告書として纏め上げる。

 

 『篠ノ之束』

 

 『究極』の育成計画の最中に現れた異常存在であり、織斑千冬と引き合う様に友好関係を構築した不安要素。

 

 当初は身体能力等の水準が一般以上の『天才』止まりと判断されており、彼らの手中にある『究極』には程遠いと判断されていた。––––少なくともこの計画の担当主任からは。

 

 だが、彼だけはその異質さを研究者としての肌感覚から感じており、態々織斑家にハウスキーパーに偽装した人員を配置する事で、織斑千冬から間接的に情報収集を行っており、その結果推察される内容を報告書へと記載して行くのだった。

 

 

 –––––報告。本計画に於いて度々『X』と呼称していた存在である『篠ノ之束』について、織斑計画(プロジェクト・モザイカ)の根底を覆す可能性が存在する事が判明致しました。

 

 主任の報告によれば『究極』以下であるとの結論が降っておりましたが、私が個人的な調査を致しましたところ、明らかに『X』は他の存在から逸脱しており、身体能力は勿論の事、頭脳面での才覚が我々の想定以上の水準となっております。

 

 その証拠として調査班の入手した情報『インフィニット・ストラトス』と呼ばれるマルチフォーム・スーツについてをご参照ください。

 

 このマルチフォーム・スーツは大気圏外での活躍を想定した代物として現在開発中との事ですが、問題となるのはこのインフィニット・ストラトスと呼ばれる存在ではなく、この代物を()()1()1()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 –––––早急な調査が必要と思われます、場合によっては我々の悲願は唯の道化となるかもしれません。

 




 織斑計画自体は原作通りに成功しましたが、本作では開発担当者がそこから更に欲を出した為に『究極の人間=感情のパーフェクトコントロール』と言う目的の下、千冬さんは小学生やってました。

 この辺りが既に千冬が存在する理由となっており、人間関係等も全て把握された事が束に繋がる結果となります。

 また、周辺各所の調査によって主人公も調査されましたが、人の心が無いひとでなしの巣窟ですので()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()一切考慮出来ておらず、早々に影響無しと判断してしまいました。

 この辺りは主人公が束や千冬とのみ遊んでいる訳では無い点、彼女達をあくまで大多数の友人の中の一人として認識している点、遊ぶ頻度そのものも留意するような物では無かった点によるものもありますね。


 PS.この報告書。誰が読んでるんだろうね!!

原作時代に入ってからの視点についてのアンケート。

  • 主人公視点(一夏は幕間)
  • 影響された一夏視点(主人公の出番は減る)
  • ①を完結させた上で両方(章分け)
  • ①を完結させた上で両方(作品分け)
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