最近話が重いので束えもん投下。
夏の日差しが強くて日射病とか熱中症の注意報が出ているある日の事、俺は束の都合で特訓が休みになってたから家でゴロゴロしてた。
今日は父さんと母さんは出かけてて夕方まで居ない。俺も外に出ようと思ったけど、太陽からの紫外線アタックに負けてしまった所為でクーラーを効かせながらソファーでみーくんと一緒に横たわってる。だって暑いんだもん。
そんな風にパチパチとテレビ番組のチャンネルを変えながらボーっと時間を過ごしてると、昼頃に家のチャイムがなった。
お客さんかな?と思って覗き穴から外を確認すると、用事があった筈の束が暑そうにしながら扉の前に立っている。
疑問に思いながらも玄関を開けて家に入れた俺は、冷たい麦茶を出しながら束になんの用なのかを聞いた。たしか今日は一日用事があるって言ってたような気がしたし。
「なぁ束。今日は一日用事じゃなかったっけ?」
「その予定だったんだけどね。出掛け先の方で電気工事が入ってたらしくて急に用事がなくなっちゃってさ、家に帰っても良いんだけど今日はお父さんとお母さんが箒ちゃん連れて水族館に行ってるし、暇だからキミん家来たんだよ」
そう言って、襟を摘んでパタパタとクーラーの冷気を服の中に入れるような仕草をしながら束はみーくんの頭を撫でる。
まぁ予定のドタキャンは珍しい事じゃないし、束が遊びに来たから俺も暇を持て余さなくて良いかな〜なんて考えてたんだけど、小さく束の方からお腹の鳴る音が聴こえて来た。
チラッと見ると、みーくんを撫でた体勢のまま若干顔を赤くしながらプルプル震えている。多分恥ずかしかったんだろう、なんだかんだ言って束もその辺気にするし。
俺も時間的にもそろそろ昼ごはんを食べようと思ってたし、折角だから束の分も作るか。昨日の夜に親父が作ったビーフシチューがちょっと残ってるし、オムライス作ってその周りにデミグラスソースみたいに掛けるのもやってみよう。母さんが居たら絶対怒られるけど、お客さんが来てるんだし許されるだろ、多分。
「よし!! とりあえずメシ作るか!! てな訳で束は手洗って座ってろ〜? ちゃちゃっと作るからさ」
「私もいいの?」
「食ってないんだろ? 別に良いって、一人分も二人分も変わんないし」
そう言って俺は冷蔵庫から食材を取してオムライスを作って行く。ビーフシチューを掛けるから味自体は濃すぎない様に調整して、サラダも付け合わせに追加でバランスも考えた。
テーブルに座った束に皿とコップに入れた麦茶を出しながら、俺もその正面に座ったんだけど、食べた束からの評価は『……まぁまぁなんじゃない?』的な感じだった。ちょっと料理には自信があったからショック。
そんな事を思いながら、俺もオムライスを食べてたんだけど、正面で上品に食べる束を見てそういや、なんだかんだ言って一番長くつるんでるのってコイツなんだよなぁと気が付いた。
普段から色々な奴と遊んでるから特に考えた事無かったけど、六年間同じクラスだったし、道場にも通ってるし、席も大体左側だし、うん思い返したらやっぱ一番長いな。
そっかぁだから束は俺が考えてる事が分かるのか、付き合いが長いしこれが以心伝心って奴? アレでも俺は束から伝心してないよな?
付き合いが長いから束が俺を分かってると思ってたのに俺は束の考えてる事が分からん。となると単純に束の頭がいいからかな? そーいや、頭いいって言うけどどのぐらい頭いいんだろ?
俺と何倍ぐらい離れてんのかな? 十倍とか百倍とかじゃ絶対無いよなぁ……百人俺がいても束に勝てる気しないし、じゃあ千倍? うーんでも束にそれ言ったら『キミとの差が千倍しかないとかバカじゃないの? キミの頭脳だと私の一万分の一以下だよ?』とか言われそう。てなると、万とか億とかでもなんか似た反応されそうだし……。
「……ねぇ、人が食べてるところマジマジ見ないでくれないかな? 食べ辛いんだけど?」
「あぁごめん。考え事してた」
「どーせ下らない事でしょ」
「束と俺って何倍ぐらい頭のデキが違うのかなぁってさ」
「……気にしなくていいんじゃない? キミにはキミの良いところがあるし」
って言われてもなぁ? 俺が束と伝心出来てないって事は束の理解者になるって言う約束が守れないワケじゃん? だから束を理解する為には俺が束に近づかなきゃ行けないわけで、その差がどんだけあるのか知りたいんだよなぁ。
いやでも、めちゃくちゃでかい数字っぽそうだし、束に聞いてみるか?
「なぁ束」
「何?」
「お前さ、俺より5000兆倍頭いいよな?」
「馬鹿にしてる? ねぇ、束さんの事馬鹿にしてる?? その数字は絶ッ対頭悪いからね!?」
「大真面目に考えたんだけどなぁ……」
「はぁ……キミはもう少し言葉のキャッチボールしなよ、私以外には普通に喋ってるのに私と話す時だけ圧縮言語になるんだからさ。思いっきり大暴投、私以外まともに会話出来ないよ?」
そう言った呆れた様にため息を溢す束。今回は普通に話してたはずなのに、何で呆れられたんだろ?
けど言葉のキャッチボールかぁ……よく言われてるけど中々治せないんだよなぁ、この癖。
別に他の友達には普通に話せるんだけど、束や千冬と話す時はめちゃくちゃ楽にして何も考えずに喋ってるか、めちゃくちゃ考えて喋ってるかの大体二択だし、偶に二人を揶揄うつもりでわざとそう言った喋り方するけど、殆ど意識して喋ってるわけじゃないんだよね。
だから別に言葉のキャッチボールを適当に投げてるつもりは俺には無いんだけど、キャッチャーの束には大変なんだろう、何とか治したいと思う反面、野球で言うところのバッテリーだから気にしなくても良いんじゃ無いかと言う考えが浮かんできた。
でもバッテリーかぁ、となると俺がピッチャーで束がキャッチャー? ああでも、野球用語だとバッテリーのキャッチャーを女房って呼んだりするよな?なるほどだから束と話すのが楽なのか。
そう思って束の顔を見る。いつの間にか束はオムライスを完食しており、麦茶を飲んでるところだった。
「てな訳で束。お前は俺のお嫁さんだったのか……」
「ブフッ!?」
俺が神妙な顔でそう束に聞くと、束は盛大に麦茶を吹き出し、思いっきり咽せ始めた。びっくりしすぎじゃないかな? とりあえず拭いとこう。
「ゴホッゴホッ!! おまっ、お前何馬鹿な事言ってんだよ!? なんで束さんがお前なんかのお嫁さんにならなきゃいけない訳? そりゃ確かにキミのその圧縮言語を喋る癖を解読して理解できるのは束さんだし? キミの突拍子のない思い付きとかに付き合い切れるのは束さんだけども? 私たちはそもそもまだ12才だから年齢的にそう言う関係になるのは早すぎるし日本で結婚できる年齢は男性18歳女性16歳だから最低でもキミが18歳になる六年後まで待ってくれないとそういう関係には成れないしお父さん達の仲が良いけどちゃんとした挨拶の手順踏まなきゃいけないのにそれもしてないっていうか結婚以前にプロポーズすらされてないし彼氏彼女の段階すらすっ飛ばされてるんだから色々段階を踏みたいって気持ちが束さんの中にもなくもなかったりするんだけどその辺りは汲んでくれるのかなっていや全然そういう関係になるとは一言も言ってないよ? どうせキミのいつもの思考ロジック的に適当な事言って人を動揺させてるパターンでしょ? 私は分かるから!!」
「いやそのまんまの意味なんだけど?」
「ふえっ!?」
一気に一息で束が話切ったから最後の部分以外全く聞き取れなかったけど、女房って単語って嫁さんって意味だよな? 別に間違ってないと思うんだけど……。
そう思って何でか固まってる束に確認をしたらめちゃくちゃ怒られた。『お前は毎回毎回紛らわしい言い方を過程を省いてするから私が誤解するんだろ!?』とか言ってそっから俺は一時間くらい束のマシンガントークを浴びせられるのだった。
束の長文は大体400字詰め原稿用紙1枚分と少し、句読点が打たれないくらい一息で喋ってますので読みづらいでしょうが仕様です(白目
原作時代に入ってからの視点についてのアンケート。
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主人公視点(一夏は幕間)
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影響された一夏視点(主人公の出番は減る)
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①を完結させた上で両方(章分け)
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①を完結させた上で両方(作品分け)