なーんで、私は自分から投稿回数詐欺をするんですかね……。
今日は土曜日、珍しく宿題も無いスペシャルハッピーな1日なので朝から街を歩いてたんだけど、運良く織斑と出くわした。
小さな手提げ鞄を持ってるので朝からまた剣術の稽古なんだろう、ちょうどなんのあても無くふらっと外へ出ただけだし、篠ノ之ん家の道場でも見に行こうそーしよう。
前々から剣術ってのには興味があったんだよねー、鉄とか斬ったりすんのカッケーじゃん? 俺も今から練習したら斬鉄出来たりすんのかな?
「よほどの達人でないとそんな真似は出来んぞ?」
「さ、流石ニュータイプだな……」
「顔に出ていただけだぞ?」
キョトンとした顔でそう言う織斑、篠ノ之なら変なカテゴリーに入れるなって怒るだろうに流石クールビューティ、中々やりおる。
しっかしなーに話すっかなぁ……、地味に織斑と二人ってのは今までなかったからなぁ、常に篠ノ之が間に居たし。
ゲームとか漫画の話をしようにも篠ノ之とは反応が違うから下手したら話膨らまねーし、うーむ。
考えながら歩いてるけど中々話しかけるタイミングが見当たらない、篠ノ之と話してると基本的に会話が途切れねーからどー切り込むかねぇ……。
「おっ?」
「ん? どうした?」
「いやほら、あの雲なんかひこーきっぽくない?」
道中の話題が無いから何話そうか考えてたら偶々空に浮かぶ雲の形がそう見えたから思わず口走ったんだけど、それに織斑が反応してくれた。
コイツも単に口下手なだけなんだろな、思った事を考え無しに口走っただけなんだけど、折角だしこのまま話を膨らませよう。
「織斑ってさー、空と海ってどっちが好きよ?」
「空と海? ……そうだな、強いて言うなら空の方が好きだと思う」
「ほーん、海の方が色々あると思うんだけどなぁ」
「それでも、私は空の方がいい。何せ何処までも広がってるしなんのしがらみもないんだからな」
「まるでさんぼーみてーな事言うんだな、お前」
俺と同じ様に飛行機型の雲を眺める織斑を横目で見ると、何となくだけど一瞬篠ノ之と同じ様な表情を浮かべていた様な気がした。
コイツは篠ノ之と違って友人が多かったと思う、確か俺の友達にも織斑と知り合いだって奴も居たはずだし。
真面目に考えようとしたものの、分からない事は篠ノ之に丸投げしてたから途中で考えるのを止めた、だって分かんねーしなー。
そんな馬鹿な俺がやれるただ一つの事、そうそれは一緒に遊ぶ事だ!!
「つー訳で織斑!! 明日暇ならさんぼーと一緒にどっか行こうぜ!!」
「何が『と言う訳で』なのか分からないが、うーむ」
「どったの? よーじでもあんのか?」
「……いや、邪魔して良いのかと思ってな」
邪魔って何の事よ? 別に俺は織斑を邪魔だって思った事は無いんだけど……もしかして運動会の時の発言を気にしてんのか? 織斑が居ると俺が篠ノ之と仲良くなれないとか考えてたり? うーん分からんけどとりあえずは邪魔じゃ無いって事を伝えねば。
「織斑、心配しなくても俺とさんぼーはもう友達だからさ、問題ねーって。それにさんぼーの友達なら織斑も俺の友達、簡単な話でみんなはっぴー、だろ?」
「……ふっ、その理論を束が聞いたら怒るぞ?」
「大丈夫大丈夫、怒んねー怒んねー」
根拠のない自信で織斑に笑いかけてやるとクールな笑いを返してくれた、やっぱカッケーなコイツ。
そっからペースを取り戻した俺は漫画とかゲームの必殺技の話を思い付くままに話してた。
特に現実でやれそうな技に関しては剣術を学んだら良い感じに再現出来るのかな? とか、それこそ刃物で何処まで切れるかとか、気が付いたら篠ノ之ん家まで喋りっぱなし。
道場の前で別れたけど、今日は見学をしに来た訳だし問題無し、一応明日遊びに行くって話はまとまったから後は篠ノ之を誘うだけだな。
丁度織斑が来たって聞いて道場の方に来た篠ノ之も居るし、今の内に聞いとけ。
「てな訳で、明日遊びに行こーぜ?」
「だから結論……もういいや、なんで私が遊びに行かなくちゃいけないのさ」
「休みの日なんだぜ? 外で遊ぶのも偶には良いだろ?」
「……外出とか面倒だから嫌だ」
ふいっと顔を背けた篠ノ之、結構コイツも強情な奴だからこうなったら多分意地でも来ないだろう、しゃーねーか。
「わーったよ、なら織斑と二人で遊びに行って来る」
「…………ちーちゃんが行くなら私も行く」
……流石織斑、名前出しただけであっさり篠ノ之が折れやがった。
束さんの発言、良く見ると『遊ばない』とは言ってないんですよねー。
原作7巻までがどちらの会社かのアンケート(今後の描写に関わる為)
-
MF文庫J
-
オーバーラップ