天災二人と馬鹿一人   作:ACS

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本日二度目の投下。

小学一年生の間はほぼ束さんオンリー、千冬さんは二年以降丸一年、と言う順番を予定しております。

なのでこの期間中はロリ束さんの罵倒が続きます、ヤッタ!!(白目


小学一年生 2

 ボロクソに貶された俺が漸く泣き止んだのは昼過ぎだった。

 

 鬼の形相で罵倒されまくったけど、超前向きに受け取れば誰も成し得なかった篠ノ之との会話を成功させる事が出来た、つまり俺と奴の距離は縮んだはず!!

 

 保健室で寝かされてた俺は、ベッドの上から飛び起きると廊下を全力で走って自分のクラスの所へ行く。

 

 丁度昼休み、今日中に友情の握手まで漕ぎ着けてやるからな!! 覚悟しろよ篠ノ之。

 

 幸運な事に篠ノ之は弁当持って教室を出た所だったらしい、すかさず前へ回り込みながら指を指して話しかける。

 

 

「へい、篠ノ之!! 一緒にメシ食おうぜ!!」

 

「豚とエサでも喰ってろ便所コオロギ」

 

 

 秒で返事が返って来たしクッソ冷たい目を合わせてくれたから俺嬉しい!! けど、なんでかな? 涙が溢れて止まらないや……。

 立て直したメンタルがワンパンで崩壊しました、しつこく食い下がろうかと思ったんだけど篠ノ之が拳握ったから諦めた、だって握り拳作っただけで漫画見たいにゴキゴキ言ってるんだもん、流石にコレは行けない。

 

 しゃーなしに教室に戻ったんだけど、クラスの人から凄く憐れんだ目で見られてるのを感じる、へへっ燃え尽きたぜ、真っ白にな。

 

 

 まるで戦場帰りの兵士を迎える様な態度の友人達と雑談しながら、俺はテイク2の作戦を考える。

 

 否が応でも五限目がある以上、いくら奴が俺を嫌って居ても席が隣な事は変わらない、つまり次の授業時間は丸々篠ノ之との対話に使える訳だ。

 

 なんなら放課後もある、なーんだ時間はまだ沢山あるじゃないか、ポジティブに行こうぜポジティブに。

 

 そんな俺の決意宣言に友人達は『おまえが勝つにごひゃくえん』とか『おこった篠ノ之にまた泣かされるにさんびゃくえん』とかそんな感じのエールを送ってくれた、やったね褒められた!!

 冗談はさておき、基本的に篠ノ之は昼休みになると別のクラスにいる唯一の友人の所に行くらしい、昼だけ行くくらいなら普通の休み時間の時から行けば良いのにと思ったけど、その友人も篠ノ之以外の友人が居るから一応気を利かせてるのかもしれない。

 

 本人がアレだから憶測で語るしか無いのがなんとも言えないけど。

 

 まぁいいや、親しい友人に気を使えるって事は根が悪い奴じゃ無いって事だし、俺はそう前向きに受け取ろう。

 

 それに仲良くなったら気を使ってくれるって事は、教科書忘れても見せてくれる、罵倒もされない、あれ? 完璧じゃね?

 

 後は会話の内容だけど自己紹介とかかな? 好きな物とかで攻めてみよう。

 

 

––––という訳で五限目、すっごい椅子を離されてるので態度が既に『近寄んじゃねぇ』状態で既に心が折れそう。

 だが俺はメゲない、授業なんぞほったらかしでレッツコミュニケーション!!

 

「所で篠ノ之、俺はオムライスが好きなんだけどお前好きな食べ物ってなんなの?」

 

「いくら天才の束さんでも便所コオロギの使用言語は理解出来ないんだ、何言ってるのか分からないし分かる気もないから黙ってろ」

 

 

 ……俺以上に悲惨なアダ名付けられた奴はいるんだろうか? いや、メゲるな!! コミニュケーションこそ最強の武器なんだから!!

 

「ふーん、便所コオロギの言葉も分からないてーどの天才なんだー、大した事無いねー」

 

 俺がそう言った瞬間、篠ノ之はどっから取り出したのか殺虫剤を吹き付けて来た。

 

 

「ばっ、人に向けて使うなよ!! つかじゅぎょーちゅうだぞ!?」

 

「あん? この程度の授業とか受ける価値無いだろ、そもそもお前は人間じゃなくて便所コオロギじゃないか、早く死ねよ」

 

 

 ジェット噴射される白い殺虫剤にむせながら、椅子から転げ落ちた俺は顔面に向けて噴射されたガスから逃げる為に一旦距離を取った。

 

 嫌われてるってレベルじゃねーような気をするけど、逆に考えれば特別なリアクションを取る程度には俺はコイツに認識されてる訳だ、何とか乗り越えれば勝てる。

 

 離れればジェット噴射は来ない、ある程度近付けば再び噴射されるけど奴の手には殺虫剤は一つ、使い切るまで行ったり来たりすれば攻撃手段は口だけだ。

 

 自称天才の割には浅はか!! ふっふっふっ、その手の薬剤が切れた時が見ものだなァ!!

 

 そんなニヤつきが顔に出てたんだろう、薬剤の切れた殺虫剤の缶を捨てた篠ノ之は手品の様に袖からトリガーの付いた殺虫剤を取り出して来た。

 

「オーケー悪かった篠ノ之、謝るからソレを俺に向けないでくれ」

 

「は?なんで束さんの言う事聞かないお前の言う事聞かなきゃならないんだよ」

 

 その言葉と共に奴はトリガーを引く、躊躇いが一切ねぇ。

 

 殺虫剤は蜂とかに使う様な強力な奴らしく、さっきの殺虫剤とは比じゃない勢いでガスを吹き付けてくる、そのせいで俺は授業が終わるまで泣く泣く立ちっぱなしされた挙句、薮蛇を突いた(篠ノ之を刺激した)という理由で先生に説教もされてしまった、ちくしょうめ。

 

 だが俺は諦めない、何故なら評価が底辺なら後は上がるだけだからな!!

 

……そう、思わせて下さい、ハイ。

 




束さんからの好感度は底辺です、まぁクソ鬱陶しい男と言う認識ですからね(白目

デレる日はいつになるのやら(震え声

原作7巻までがどちらの会社かのアンケート(今後の描写に関わる為)

  • MF文庫J
  • オーバーラップ

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