天災二人と馬鹿一人   作:ACS

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今回で一年生は終了して次から二年生になります。

次回からあの人がでるよ!!

今日は一話投稿。


幕間:兎から見た馬鹿 4

 

冬休みに入ったんだけど、この数日暇を持て余してる。

 

というのも、普段騒がしいあの馬鹿が北海道に行ったからちーちゃんくらいしか話し相手が居ないし、ちーちゃんもちーちゃんで剣術の稽古で忙しい。

 

居たら居たで鬱陶しいし、居なければ居ないで暇を持て余すあたり習慣ってのは恐ろしいんだね、束さん痛感しちゃった。

 

アイツ、ジンギスカンキャラメルとかいう訳の分からないお土産買って来るとか言ってたけど……冗談、だよね?

 

あの馬鹿ならやり兼ねないってのが怖い、そんなゲテモノを買って来るのを止めさせようとしたんだけど結局電話に出なかったし。

 

カレンダーを見れば今日帰って来るはず、アイツは友達が多いって言ってたから直ぐには来ないだろうけど、性格的に必ず家に来る。

別にアイツが来る事を待ってる訳じゃない、朝から何度も時計を確認してるけどあのアホの持って来る物が不安で仕方ないだけなんだから。

 

ある意味パンドラの箱に近い、当たりかハズレか来てみるまでわからないんだからほんとタチが悪いね。

 

……この間のスノードームは少し良かったけど。

 

そんな事を考えると、軽い足音が部屋の外から私の部屋に向かってるのが聞こえて来た。

 

音の響きから私くらいの子供、ちーちゃんにしては音を立て過ぎてるしあの馬鹿なのは間違いない。

「よーさんぼー、二日振りだなー」

 

「あーあー、せっかく静かだったのに」

 

「ふっふっふ、このお土産を見てもそんな口利けるのかなぁ?」

 

 

そう言って馬鹿は紙袋の中を漁り始めた、ジンギスカンキャラメル? 木彫りの熊? ペナント?

 

「てれれてっててー、さっぽろみそらーめんきゃらめる〜」

 

「あ、えっと、えう?」

 

 

思わず変な声が出た、えっ? 味噌ラーメンキャラメル? なんでそんな物売ってんの? 味の想像が付かないんだけど?

 

だけど一つだけ分かる、それはこのキャラメルがジンギスカンキャラメルと同じ方向性の物だと言う事だ。

 

「ほらさんぼー、あーん」

 

「だ、誰がするかそんな事!! というか食べさせようとしないでよ!?」

 

嬉々としてキャラメルを私の口に持って行こうとする馬鹿、見えてる地雷ってのもあるけどそれと同じくらいにあーんの体勢が気恥ずかしい。

 

いや、恥ずかしいじゃなくて鬱陶しいの間違いだ、気安く私に近づいて来るなよ!!

 

「いや、食ってみたら案外美味しいかもしれないじゃん? てか俺が味噌ラーメンもキャラメルも好きだし、どっちも合体したらもっと美味いって!!」

 

「絶対それは無いってば、君のその好きな物全部乗っけたらもっと好きになるって理屈何とかしろよ!!」

 

「いや絶対美味いって!! なんなら俺が一つ食ってみて––––」

 

「なら食って見ろよ!!」

 

 

私はそう言いながら馬鹿の手からキャラメルをひったくり、包装を剥がして中身を馬鹿の口へ突っ込んだ。

 

「むぐッ!?」

 

「ほら美味しいんでしょ!? 良く噛んだら?」

 

 

馬鹿はもぐもぐと咀嚼してたけど段々と口の動きが鈍って行き、途中で動きが止まってしまった。

 

しかも顔が青い、普段ポジティブなコイツが黙るなんてよっぽど不味いんだろう。

 

吐かれても仕方ないし、ティッシュを差し出したんだけど馬鹿は涙目のままで飲み込んだらしい、無言のまま膝をついてる。

 

「で? 味は?」

 

「……濃いキャラメルかと思ったら、よく分かんない味」

 

「美味しい?」

 

「美味しくない……」

 

「そらそうでしょ」

 

 

少し考えれば分かりそうなのに、直感と感性だけで生きてるからそうなるんだよ、まったく……。

 

「はぁ、ちょっと待ってろよ、何か飲み物でも持って来るから」

 

「……うん」

 

 

取り敢えず私は台所からジュースを取ってきて、馬鹿に手渡して口直しをさせる。

 

馬鹿は手渡されたジュースを飲みながら一息ついたのか、少し元気を取り戻したようだ。

 

「あ、ありがとう、さんぼー……」

 

「ふん、これに懲りたらもう少し考えて物を買って来るんだね」

 

「これでも考えて買ってきたんだぜ? 予想と違った味だっただけで……」

 

「ばーか、用が済んだならとっとと帰れ」

 

「い、いや、お前にゃ、もう一つ買って来てんだよ」

 

 

そう言ってコイツは紙袋の中からまりもを取り出して来た、なんでまりも? でもまだゲテモノキャラメルよりはマシかぁ……。

 

「……仕方ないから貰ってやるよ、キャラメルは持って帰れよ?」

 

「……おうそーする、悪りぃけど今日はもう帰るな?」

 

「う、うん」

 

 

てっきり旅行の話でもされるのかと思ってたのに、馬鹿は案外あっさりと引き下がってしまった。ゲテモノキャラメル恐るべし。

 

––––とか考えてたら次の日に朝一で私の家に来たかと思ったらいつも以上のマシンガントークを炸裂して来た、一日置いたからその反動なんだろう。

 

……ゲテモノキャラメル、二度と食わせない。




残念、主人公の口にゲテモノが放り込まれた!! 主人公の目の前は真っ暗になった!!

何だかんだで優しさを見せてる束さん、この辺りまで来るとツンとデレが8:2くらいになってるので友情かんじてます(本人は頑なに認めませんが)

それと味噌ラーメンキャラメル好きな方は申し訳ありませんでした。

原作7巻までがどちらの会社かのアンケート(今後の描写に関わる為)

  • MF文庫J
  • オーバーラップ
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