天災二人と馬鹿一人   作:ACS

29 / 130

今日は一話だけ。


小学二年生 5

 

今日は昼休みに織斑達と昼メシを一緒してた。

 

すんげー露骨に篠ノ之が嫌な顔してたけど、いつだったかみたいにボコボコにされてゴミ箱inとか言うマネされなかったから実はちょっとホッとしてる。

 

……ただ今回は織斑が明らかに疲れた顔してたのが気になるけど。

 

「……ちーちゃん、私の気持ち分かってくれた?」

 

「……ああ、痛いほどにな」

 

「なーなーなんの話ー?」

 

「君には関係無い話だよ馬鹿」

 

溜息を吐きながら弁当の蓋を開けた篠ノ之を見て、何時もの事かと納得した俺も同じ様に弁当を開ける。

 

今日は1段目に俺の好きなオムライスと2段目に俺の嫌いなピーマンの野菜炒めとミニトマトが敷き詰められてた、コレ昨日俺が意地でも食わねーって残した晩飯のおかずじゃねーか。

 

母さんの野郎!! 1段目でぬか喜びさせやがって……!! けど食わなかったらぜってー怒るだろーしなぁ、てか余裕で指を鳴らしながら拳握ってる母さんの顔が思い浮かぶ。

 

「なーさんぼー、ピーマン美味しく食える裏技ってなんかねーの?」

 

「良く噛めば?」

 

「ししょー、さんぼーが冷てーんだけど?」

 

「平常運転だろう?」

 

「ふん、野菜ってのは噛んでれば甘くなるんだよ、どーせ良く噛まずに食べてるんでしょ」

 

「うっ、確かに……」

 

 

篠ノ之の言う通り噛まずに食ってるんだよなぁ、けど苦いもんは苦いし……うーんでも篠ノ之が言ってる事だから間違いねーな、うん。

 

アドバイスの通りにピーマンを食ったら案外いけたので、苦手克服パワーでレベルアップした俺は前から二人を誘いたかった事があるのを思い出した。

 

「そーいや二人とも、今度の土曜日暇? 親父が遅咲きの桜見に行こうって言ってんだけど、良かったら一緒に行こうぜ?」

 

「は? なんで私が君と一緒に花見しないといけないのさ」

 

「ふっ甘いなさんぼー、お前はどーせししょーが付いて来るなら付いてくるだろ? どーだししょー、花見一緒に行こうぜ?」

 

「花見……か」

 

 

意外に織斑の奴が乗り気なんだよなー、少しそわそわしてるっつーか興味津々っつーか。

 

「なー行こーぜししょー、親父も母さんも気にしねーし」

 

「いや、私は花見に行った事が無くてだな……」

 

「ならマジで行こう!! な? な? 良いだろししょー?」

 

 

俺は織斑の手を掴み、母さんが見てるドラマでよくやってた見たいに目線を合わせながら顔を近づける。

 

そーいや織斑もきれーな顔してるよなぁ、篠ノ之って可愛いって感じだけど、コイツも篠ノ之と一緒で見てて飽きねーんだよな。

 

「近い近い!! もう少し離れろ!!」

 

「えっ? 頼み事ってこーやってやるんじゃねーの? 母さんの見てたドラマじゃこーやってたぞ?」

 

「どんなドラマだ!?」

 

「おいこの馬鹿、ちーちゃんに迷惑かけんなっての」

 

「痛たたっ、耳引っ張んなってさんぼー!!」

 

 

織斑を説得してたら耳引っ張られた、くっそこまでして行きたくないか篠ノ之!! だが織斑が行きたがってるからこのまま押し切ってやる!!

 

えっと、こんな時ドラマの男の人って何やってたっけ? たしか……ベッドの上で女の人を押し倒してたよな?

 

というわけで篠ノ之が耳から手を離した後、俺は織斑を押し倒して馬乗りになって頼み込む。

 

「な? 良いだろししょー? 一回くらいさ?」

 

「ば、馬鹿!! 今自分がどんな体勢か分かってるのか!!」

 

「この変態!! 何ちーちゃんを押し倒してんだよ!!」

 

 

押し倒して織斑に迫ったらいつのまにか回り込んで来てたのかケツを篠ノ之に蹴り飛ばされて、今度は背中を踏まれた。

 

織斑も顔を赤くしてるし俺何か変なことしたのかな? げしげしと篠ノ之に背中を蹴られながらそんなことを考えてたら、正面に回って来てた篠ノ之のあるものが俺の目に映る。

 

「このバカ!! アホ!! なんでもかんでも見たもの実践したらいいって訳じゃないんだよ!! ノータリンの君には理解出来ないかも知れないけどね!!」

 

「さ、さんぼー、一個いいか?」

 

「なんだよ!? くだらない事なら余計に蹴っ飛ばすぞ!!」

 

「パンツ見えてる、しましまな奴」

 

「こ、こ、こんの変態!! スケベ!! えっち!! 見るなばか!!」

 

 

角度的に丸見えだったから素直にそう言ったら、篠ノ之はスカートを抑えながら顔真っ赤にして余計に蹴りを入れて来た、いや織斑を庇うように俺の頭の側に回ってきたのお前じゃん? なんで蹴られなきゃなんねーのかな? あっ、褒めりゃいいのか、女の人は褒められるの好きだって母さんも言ってたし。

 

「さんぼー!! そのパンツ似合ってるぜ!!」

 

 

蹴られながら親指を立てて笑顔を浮かべた瞬間、篠ノ之の蹴りが俺の顎先を掠めたんだけど、そっから記憶が無く目が覚めたら保健室だった。

 

 

……一つ分かったのは女の子は下着を褒めたらダメだって事、今日の教訓って奴?

 

 





ウチのちーちゃんは何気に男への免疫がありません、コロッと落ちるほどではありませんが、迫られたら赤面する程度には結構女の子してます。

将来主人公の所為で免疫付くんでしょうけどね……。

原作7巻までがどちらの会社かのアンケート(今後の描写に関わる為)

  • MF文庫J
  • オーバーラップ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。