天災二人と馬鹿一人   作:ACS

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どうやら私は千冬さんの年齢を勘違いしてたので予定を変更してあの子が出ます、多分ごちゃごちゃ考え過ぎたのが原因かと(白目

後、今日は一話投稿です。


小学二年生 9

 

この前の勉強会から夏休み前までほとんど毎日織斑達と勉強する事になったんだけど、今日は篠ノ之が居なかった。

 

理由は単純、アイツに妹が生まれたんだよ……。

 

いやそら友達に姉妹が出来たんだから嬉しいよ? 嬉しいんだけどさ、この間珍しく電話して来たと思ったら『あのね!! あのね!! 箒ちゃんがね!! 箒ちゃんがね!!』って言って夕方から夜の12時くらいまでぶっ通しで自慢話されたもんだから俺は何も言えなかった。

 

びっくりするくらいの妹大好き人間になっちまって正直驚いてる、前々から篠ノ之のお母さんのお腹がおっきくなってたのは知ってるし、篠ノ之はその事にあんまり興味なさそうだったのになぁ。

 

…………後で聞いた事だけど俺の前に織斑も同じ目に合ってたらしい、朝の6時くらいから夕方ぐらいまでずっとマシンガントークだったとか。

 

あの妹に興味無いですよオーラは単純に我慢してただけみたいだね、うん。

 

あれ? じゃあアイツ朝一で織斑に電話してその後直ぐ俺に電話して来たんだろ? 半日ぶっ通しで話してたのか? 前に自分の事一日を35時間生きる女って言ってたよーな気が……アレ本気だったんだな。

 

「さんぼーの奴箒ちゃんだっけ? 妹ちゃん産まれてからはっちゃけたよなー」

 

「私もそれなりに付き合いが長いが、あそこまでテンションの上がった束を見るのは初めてだ……」

 

「すっげーよなー、俺一切喋らせて貰えなかったもん、受話器置こうとしたら先読みされて釘刺されたし、アイツ妹好きすぎだろ」

 

「まぁ少なくともこうやって勉強していれば妹に付きっ切りの束とは面と向かって会う事は無いだろう」

 

「そーだよな、アイツ学校休むレベルで妹に付きっ切りだもんな、わざわざ来ねーよ……な?」

 

篠ノ之の中で大好きな織斑をぶち抜いた女の子だ、俺が年単位で仲良くなろうとしてるのに産まれた瞬間に俺より上にいるとかちょっと凹む。

 

けど妹かぁ……俺一人っ子だし、箒ちゃんに何時か会わせて貰えないかな? 『君を箒ちゃんに会わせたら馬鹿が移るだろ!?』とかなんとか言われるのが目に浮かぶけど弟とか妹に憧れるんだよねー。

 

「気持ちは分かるが今は勉強を優先しろ」

 

「まーたエスパーしてるな? でもさんぼーが居ねーと静か過ぎてやる気がなぁ」

 

「一言多い束の教えが良いのか、変わってるなお前は」

 

「静か過ぎるのが嫌なんだよ、身体動かしたくなってさー」

 

 

どうも黙って座ってると身体がうずうずして来るんだ、織斑の教え方は丁寧なんだけど淡々としてて眠いしさー。

 

そんな事を考えながら背伸びしてたら玄関のチャイムが鳴ったのが聴こえて来た。

 

今日は母さんが居るし、出なくてもいいかーとか思ってたら階段を全力で走って来る音がする、親父や母さんとは音の大きさが違うし、織斑が溜息混じりに勉強道具を片付けてるから多分篠ノ之だな。

 

予想通り俺の部屋のドアを勢い良く開け放った篠ノ之は全力で走って来たらしく、髪の毛が乱れてたけど今まで見た事も無いくらい良い笑顔してるから興奮してるのがよく分かる。

 

「ちーちゃんちーちゃん!! それとそこの馬鹿!! さっきねさっきね!! 箒ちゃんが私の手を握ってくれたの!! それでね? 私の作ったミルクも飲んでくれたし、私の子守唄で寝てくれてね? もー可愛くって可愛くってね!! 今日も『おねーちゃんだーいすき』って言ってくれてね?」

 

「な、なぁさんぼー? いくら馬鹿な俺でも産まれたばっかの子が喋らないってのは知って––––」

 

「そんな細かい事は良いでしょ!! とにかく箒ちゃんが可愛いくって可愛いくって、しかも今日の寝顔はスペシャルでスーパープリティーな寝顔だからちーちゃんに見せてあげようと思ったんだけどちーちゃん家に居なかったからこっち来たんだよー? ほらほらちーちゃん行こう行こう? あ、今日は特別に君にも箒ちゃんの寝顔見せてやるから着いて来なよ」

 

「いや、あの、俺達今勉強して……」

 

「は? 勉強して良くなる頭してると思ってんの? なんなら動物園の猿の方が君より賢いよ? 飼育されてる畜生以下の頭の癖にいっちょまえに勉強に意欲だしてんじゃねーよ、私が見せてやるって言ってるんだから大人しく着いて来たらいいのになんで無駄な努力したがるかなぁ? どうせアレだろ? 君はテスト当日になって解答欄のズレに気が付かずに最後まで書いて0点になるオチなんだから早く着いて来いって」

 

 

わ、わーい、一年前に戻ったような気分だぞー。

 

おかしいなー、クーラー効いてんのに目から汗が流れてるぞー? 織斑が目元拭いてくれてるし、なんで汗がとまんねーのかなぁ?

 

久々の本格的な罵倒に凹んでた俺は、篠ノ之に無理矢理引きずられる形で篠ノ之ん家まで連れてかれた、横で手を引かれてる織斑も多分俺とおんなじ事考えてるんだろーなー。

 

 

……あ、箒ちゃんは可愛いかったよ。

 




兎さん暴走、妹が産まれて最強のシスコンになりました(震え声

尚後にもう一人ブラコンが産まれる模様(白目

原作7巻までがどちらの会社かのアンケート(今後の描写に関わる為)

  • MF文庫J
  • オーバーラップ

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