天災二人と馬鹿一人   作:ACS

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予約投稿。

数日お休み頂いたのでとりあえず投下、ダークソウルに熱中してるので暫く一話投稿になります。


小学二年生 12

今日は篠ノ之神社で織斑と一緒に境内の掃除を手伝ってた。

 

目当ては落ち葉を使っての焼き芋、篠ノ之のお父さんから『焼き芋出すから掃除手伝ってくれないかな?』って言われたから織斑と一緒になって落ち葉を集めてたんだけど、さっきから篠ノ之が集めた落ち葉を掬い上げて紙吹雪みたいにして遊んでんだよ、どーしよ?

 

「ほーら箒ちゃーん!! 落ち葉だよー? いっぱいだよー? ひらひらしてるねー? すごいすごーい!!」

 

 

こんな事言いながらキャッキャと笑う箒ちゃんに構ってるから邪魔すんのも可愛そうだし……。

 

「なーししょー、集めた端から散らかされてんだけど?」

 

「諦めろ、アレはもうすっかり妹大好き人間だ」

 

 

溜息を吐きながら織斑はそう言って掃除に戻っちまった、多分篠ノ之が別の事で遊び出すまで黙々とやる気なんだろう。

 

うーん、けどもう一時間くらい掃除してっからなぁ……いーかげん飽きてんだよねー。

 

だから俺は竹箒を置いて、ベビーカーの中で笑ってる箒ちゃんの顔を覗き込んだ。

 

「はろはろー、元気かなほーきちゃん? 今日も会いに来たよー?」

 

「おいコラ私の箒ちゃんに近寄るなよ、馬鹿が移るじゃないか」

 

「今の束に近寄るな、良いからこっちに来い」

 

 

すっげぇ低い声で言われたから大人しーく手招きしてる織斑んとこに逃げた。 なんだろ、秋だからかな? びっくりするくらいの悪寒が……。

 

ぽんぽんと肩を叩いてくれた織斑が今は女神に見える、なんだろこんなに織斑ってキラキラしてたっけ?

 

「ししょー、ししょーってまるで女神様だな」

 

「なっ!? 何を言うんだいきなり!!」

 

「だって優しいんだもん、千冬様って呼んだ方がいい?」

 

「やめろ気持ち悪い!!」

 

「みてみて箒ちゃん? 今日もちーちゃんが顔を赤くしたり青くしたりしてるよ? 可愛いねー」

 

「束ッ!!」

 

「きゃーちーちゃんが怒ったー、あっちに逃げるよ箒ちゃーん!!」

 

 

ベビーカーを押しながらテンションとは裏腹に箒ちゃんを気遣いながら走って行く篠ノ之、今の織斑の怒鳴り声でキラキラが消えたしとりあえず一件落着、かな?

 

静かになったし掃除を……と思ったら集めた落ち葉が全部散らかされた後だったから一から掃除をし直す事になっちゃった。

 

急に静かになったからか、なんとなく真面目に掃除しなくちゃいけない気がして俺と織斑は大人しく竹箒を使って落ち葉の掃除を終わらせる。

 

「ふいー、やっと終わったー」

 

「束が大人しくしていてくれればここまで時間はかからなかったんだがな」

 

「まーまー、もう終わったんだしいいじゃんか、それより早く篠ノ之のとーちゃん呼んで来ようぜ!! 焼き芋タイムだ!!」

 

 

俺はそう言いながら織斑の手を握ると、篠ノ之のお父さんとこに行って掃除が終わった事を伝える。

 

別に俺一人でも良かったんじゃね? とは思ったけど、やっとこさおやつが食べられると思ったらついつい織斑の手を握っちゃったんだから仕方ない。

 

相変わらず織斑の顔が若干赤い様な気もするけど、親父さんが落ち葉に火を付け始めたのでそんな疑問は吹っ飛んだ。

 

まだかなまだかなと火の回りをうろちょろする事数分、パチパチと小枝なんかが弾ける音につられて来たのか逃げた篠ノ之がベビーカーを押しながら戻ってきた。

 

「あ、見て箒ちゃん!! 焚き火だよ? ほーらあったかーい火がメラメラーってなって……ベビーカーの角度からじゃ見えないね、んーお父さん箒ちゃん抱っこしてあげて?」

 

そう言って篠ノ之はベビーカーを押してお父さんのところまで行った、そーいや初めて見るなぁコイツが家族と普通に話ししてるとこ。

 

ぼーっとそんな事を思ってたけど、よく思い出してみたら少し前くらいに『私は箒ちゃんに色んな初めてをいーっぱい見せてあげたいんだー』って言ってた気がする、目の下の隈っての? 何日かずっと寝顔見てたとかで、アレがなんかすげー半端なくて微妙に怖かったから何となく覚えてる。

 

とりあえず俺は篠ノ之が普段から言ってる『箒ちゃんラブトーク』に巻き込まれないように、マシンガントークをされてるお父さんから離れて織斑んとこに逃げた。

 

「ししょー、篠ノ之のとーちゃんもついに『箒ちゃんラブトーク』を食らったな」

 

「そう、だな」

 

「どったのししょー?」

 

「…………いや、なんでもないさ」

 

 

ジッと篠ノ之とお父さんを見つめる織斑、なんつーかよく分からないけど少し悲しそーな目をしてる気がすんのは俺の勘違い……だよな?

 

そんな疑問を頭に思い浮かべてはいたけれど、直ぐに出来上がった焼き芋と篠ノ之のお母さんが持って来てくれたバターとかに気が行ってる内に俺の頭からそんな事はすっかり抜け落ちてしまうのだった。

 





この作品に表向きにはシリアスはありません(白目

会話の裏を読んだりしたらまぁその……ね?(震え声

原作7巻までがどちらの会社かのアンケート(今後の描写に関わる為)

  • MF文庫J
  • オーバーラップ

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