今年は篠ノ之と織斑の両方と同じクラスになった。
しかも前の席に織斑、左に篠ノ之とまるで狙った様な形でなんだか少し面白い。
織斑は相変わらずクールな感じだけど、何となく見た篠ノ之の顔はどことなく得意げな表情だった、なんでだろう?
「なーさんぼー、なんでそんな顔してんの?」
「……別に? 私は何時もと同じだけど」
気になって聞いたらそんな風に言われてぷいっと顔を背けられた、絶対そんな事ねーはずなのに相変わらずコイツは気難しい奴だなぁ。
うーんけどどーすっかなぁ、去年と一昨年と遊んでてなんとなく分かったんだけど、篠ノ之って案外寂しがりやさんなんだよ。
んでこうやってつっけんどんな態度してても話しかけるとちゃんと返してくれる、そもそもコイツは人と話すのが好きみたいだしな。
そうそう、最近篠ノ之は俺の貸したゲームとかもやってるんだよね。
特に良く貸してるのがロボゲーとか親父が買ってきたゲーム屋の福袋の中にあった戦略ゲー、ロボゲーは単純に俺が好きなんだけど、戦略ゲーは単純に俺の頭じゃクリア出来ないんだわ。
だから篠ノ之にプレイしてもらったんだけど、そしたらあっさりクリアして『この程度で詰んでたの? なっさけな』とか何とか言われたんだよなぁ、その後は『なんなら縛りプレイって奴もやれるよ? なんか言ってみなよ』って言って凄く自慢気な顔してたし、得意なんだろなこの手のゲーム。
織斑にもゲームを貸す事があるんだけど、スポーツ物とか対戦格闘ゲームが中心だからジャンルが違う、三人で遊ぶ時はパーティー系だけどさ。
「そーいやさんぼー、この前新しいゲームいくつか買って貰ったんだよ、一緒にやんね?」
「……ジャンルは?」
「買ってもらったばっかだからしらね、なんかcmが超怖い奴となんとか(仮)とかいう奴だった気がする」
「……私は誘ってくれないのか?」
どんなゲームだったか思い出してたら、今までずっと静かだった織斑が若干不満そうな目でそう言ってきた。
「んー、でも多分織斑の好きそうな奴じゃねーと思うぞ?」
「別にいいさ、お前達を眺めてるだけでも十分楽しいし、まだ読んでない漫画もある」
「ふーん、なら今日家に来るか?」
「そうさせてもらおう、今日はベビーシッターさんも長く居てくれるらしいしな」
「……ちーちゃんが行くなら私も行く」
「ん、じゃあ今日は三人で遊ぶか」
取り敢えず今日は二人が遊びに来る事に決まった、最近は割と二人も遊びに来る様になったからいつもの事かな、他の友達と同じくらいの頻度だし。
たまーに二人と他の友達が鉢合わせになる時があるけど、そん時はそん時で全員一緒に遊んだりどっちかに帰って貰ったりしてる、今日はその心配は無いっぽいけど。
んで、他の友達とかと遊んだり二人に宿題を見てもらったりして放課後。
家に帰った俺は部屋に行く前に冷蔵庫の中のコーラもどきと、先に部屋に行った二人の分も含めてアイス三つを持って部屋に戻る。
「おまたー、バニラ・チョコ・チョコミントの中から好きなの選んでいいよー」
「なら私はバニラを貰おう、束はどうする?」
「私はチョコミント一択、バニラでも良かったんだけどねー」
「くっ、今まで誰に勧めてもチョコミントだけは残ってたのに!!」
毎回毎回微妙な顔されるから実質二択な選択肢にして俺は確実に好きな味を食べるって言う最強の戦法だったのに、くっ流石篠ノ之だな!!
かと言ってわざわざ取りに戻るのも面倒だからなぁ、しゃーねーしチョコ味食うか、嫌いじゃないし。
「好きなのか? チョコミントアイス」
「ん? まーなー、あんまり理解されねーけど」
バニラアイスを食べながら織斑がそんな風に聞いてきた、ほんとはチョコの入ってないミント味のアイスの方が好きなんだけど中々売ってねーからなぁ。
そもそも母さんがミント味のアイスが好きなんだよ、んで俺も勝手に母さんのアイス食ってたらいつの間にか好きになってたって訳。
「ま、俺の話はこの辺で切り上げて、ゲームしようぜゲーム!!」
本題は新しく買った、『よんはち(仮)』って読むのかこれ? 読み方が分かんねーや。
名前の読み方が分からなかったからあんまり気にせずにプレイをしたんだけど……うん、まぁ、アレだ、篠ノ之と織斑の困った顔が見れただけマシだな、うん。
クラス名簿を睨めっこして自分と千冬さんの席順か良い感じになる様に一人一人名前を確認して調節した束さん、得意そうな顔をしてたのはそう言う事です(白目
戦略ゲーをしてドヤ顔する束さん、主人公から純粋にすごい奴的な視線を貰って満更でもない模様。
チョコミント味が好きな主人公、母親の影響です。
主人公の買っていたゲームは言わずと知れた名作SIRENと言わずと知れた迷作四八(仮)、先に四八をプレイしたのが運の尽き、三人とも『なにこの……なに?』って顔しながら白枠が出て無事終了しました(震え声
原作7巻までがどちらの会社かのアンケート(今後の描写に関わる為)
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MF文庫J
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オーバーラップ