朝登校したら学校の至る所に例の手紙が貼りまくられていた、しかも俺の下駄箱にはびっしりと罵倒が書かれた返信が何十枚も詰め込まれてるし、考えが甘かったんだなちくしょう。
…………篠ノ之の奴め、何という所業をしてくれたんだ、これじゃ単純に俺が恥晒しただけになったじゃねーか。
しかも俺への返事には丁重に漢字やカタカナにフリガナまでふってあった、や、やっぱり篠ノ之は優しい奴だなぁ。
初手から反撃がエグい、一枚一枚怨念が篭ってる様な凄い筆圧で書かれてるから例の手紙で何かあったんだろうか?
返信の手紙をカバンにしまいながら自分のクラスに向かってたんだけど、俺はその途中で気が付いてしまった。
教室が嫌に静かで、しかも一歩近づく事に嫌な汗が流れて心臓がバクバク言って来た、あれ? 俺ニュータイプにでもなったのかな?
自分の通い慣れた教室なのに何故か全く別の部屋に見える、中を確認したくても扉が閉まってるから何が起きてるのかサッパリだ。
まるでボス部屋の様な雰囲気を出す教室に俺は意を決して入る、というか登校してるんだから入るしかない。
ガラリと扉を開けると、見るからに不機嫌全開の篠ノ之が珍しく席に座っていた。
短い付き合いの俺にも分かる、アレは超怒ってるって。
そんな篠ノ之を見たら何故か足が震えてきたけど、意を決して彼女の前に行き、笑顔で挨拶をする事で爽やかな朝を迎えて貰おうという俺なりの気遣いだ。
「よっ!! おはよー篠ノ之、今日こそ友達になろうぜ?」
「漸く来たんだね便所コオロギ、お前の所為でちーちゃんに変な邪推されたし、一緒に帰れなかったじゃないか、お前の所為だぞクソ野郎」
わーい、篠ノ之が俺に会いたくて態々早めに教室に来て待っててくれたらしいぞー。
目が超冷たいし、声のトーンが何時も以上に低いけどね!! 超怖くてちびりそうです。
しかし何か返さないと会話のキャッチボールが成立しない、此処は一歩踏み出すんだ俺!!
「ほ、ほーん、けどそれって篠ノ之が意地張って俺と友達にならねーからじゃね? ほら、お前が俺と友達になればぜーんぶ解決、俺もはっぴーお前もはっぴー、違わね?」
「なんでそうなるのさ!! というか、お前はどうしてそんなにも友達友達って私に言うんだよ!!」
感情的になった篠ノ之が思いっきり机を叩きながら立ち上がる、そのちーちゃんという子と一緒に帰れなかった事が余程ショックだったらしい、別に嫌がらせをする気じゃなかったんだけどなぁ……。
「いい加減にしろよお前!! この間からずっと私にちょっかい出して来やがって、そんなにいい人ぶりたいのかよ、どうせ誰も理解出来ない女に構う俺カッケーとでも思ってんだろこの偽善者!! 本気で目障りなんだよ!!」
よっぽど頭に来てたのか、篠ノ之は俺の襟を掴んで身体を
同じ学年の男子を軽々と持ち上げてる時点で小学生の腕力じゃない、いくら馬鹿な俺でもここまでされれば篠ノ之が他の人間とは違う事とそしてそれが異常だという事はわかる。
だから誰もコイツに関わろうとしなかったんだろう、俺も確かにこんな真似されたら怖い、怖いんだけど、涙目で俺を睨む篠ノ之を見てしまったらそんな怖さは消えてしまった。
「……し、篠ノ之、俺はそれでもお前と友達になるって決めたぞ」
「はぁ!? ここまでされてもまだそんな寝惚けた事抜かすなんて馬鹿を通り越して精神障害じゃないの?」
「よーは、そのりかいしゃってやつが、ほしーん、だろ? だったら、俺は絶対にお前と友達になってやる」
真っ直ぐに見つめ返しながらそう告げた瞬間、篠ノ之は苛立った様に俺から手を離した。
そして奴は俺を見下しながら深い溜息を吐き、そのまま席へと座る、幸いな事にみんなビビって先生を呼びに行って居なかったからお互いに怒られる事は無いだろう。
「……君は極まった馬鹿だね、流石の私ももう疲れたよ」
「えっ、どういう事よそれ?」
立ち上がって席に座ったら疲れ様にボソッと篠ノ之が呟いた。
どういう意図がその発言には込められてるのかは分からないけど、ボロクソに貶される事が無かったから少し進展したんだろうか? 疑問の声に関しても精神攻撃が飛んで来なかったし、多少は仲良くなれたんだろうか?
「仲良くなれたとか勘違いしてそうだから先に言っとくけど、別に君に気を許した訳じゃないからな」
「エスパーかよ……」
俺のその言葉を聞いた篠ノ之はふいっと顔を背け、何時もの様に空を見上げるのだった。
仲良くなった、と言うよりも諦められました。
友達とか言ってても自分の異常性を知ればその内離れてくだろうと考えてるので、張り合いを辞めた感じですね。
なのでちょっとだけ態度が軟化。
原作7巻までがどちらの会社かのアンケート(今後の描写に関わる為)
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MF文庫J
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オーバーラップ