天災二人と馬鹿一人   作:ACS

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何時ものダクソ没頭パターンで申し訳ない(震え声




小学三年生 8

 

篠ノ之の妹、箒ちゃんは若干人見知りな子なのか昔は割と良く俺の顔を見て泣いていた。

 

最近は慣れてくれたからかそんなことは無くなったんだけど、今度はまた別の問題が起きてるんだよね。

 

 

「なあさんぼー? 一つ聞いて良い?」

 

「ん? 何が聞きたいの?」

 

「その前に箒ちゃん? さんぼーが居るね? さんぼーの事はなんて呼んでるのかなー?」

 

「ねーね?」

 

「うんうん、じゃあ俺は?」

 

「びゃきゃ?」

 

「オイコラさんぼー、お前ほんっと普段マジで俺の事なんて呼んでんだよ!? 舌ったらずの小さい子にまで馬鹿呼ばわりは流石に傷つくぞ!?」

 

箒ちゃんは完全に言ってる事理解してないだろうけどつぶらな瞳と上目遣いの馬鹿呼ばわりは思わず泣けた、俺の顔見ても泣かなくなって喜んでたらこの仕打ち……明らかに篠ノ之の影響じゃねーか!!

 

しかも篠ノ之の奴悪びれもしねーできょとんとした顔してるしよ、やろーぜってー『えっ? 何かおかしいところでもあるの?』とか考えてるだろ、それぐらい分かる。

 

 

「えっ? でも実際君ってバカでしょ?」

 

「いやだからさ!? だからってさ!?」

 

「変なこと言ってるねー箒ちゃーん?」

 

「ねー」

 

「箒ちゃんにちょいちょい返事させんの止めてくんね? さっきから俺のハートにグサグサ刺さってんだけど?」

 

遊びに来た筈なのに遊ばれてる、なんだろな? このままだと将来箒ちゃんも篠ノ之並みに癖のある女の子になる予感が……。

 

いやいや落ち着け俺、篠ノ之も昔と今じゃ大分当たりが違うし人は変われる!! つまり今から正しい道に導けは問題無し!!

 

そう思ったが大吉……だっけ? とにかく正座して箒ちゃんと目を合わせて話し合おう、そーすりゃまだ何とかなる。

 

「てな訳で箒ちゃーん? 俺の事バカって呼ばないでおにーちゃんって呼んで見ようか? はいどーぞ?」

 

「うゅ?」

 

「箒ちゃーん、このバカとお話しするとバカが移るからおねーちゃんのとこおいでー?」

 

「ひゃーい」

 

 

とてとてと篠ノ之へ向かって歩いて行く箒ちゃん、そーいや篠ノ之が言うには若干他の子に比べて歩ける様になるのが早いらしい、その事でまた箒ちゃんフィーバーが再発してるんだけどね。

 

……脈略のねー事思い出してて流しかけてたけどさりげなく俺って箒ちゃんに無視された? ってまぁ当たり前か、篠ノ之はお姉ちゃんだもんな。

 

ぎゅっとハグしながら『偉いよー箒ちゃん!!』とか言って箒ちゃんに頬ずりしながら惚けてる篠ノ之を眺めつつ、俺は偶々目に入った本棚に手を伸ばし、なんとなくその中から一冊本を抜いたんだけど、ページをめくっても文字ばっかでちんぷんかんぷんだった。

 

「さんぼーコレなにー?」

 

「ん? ああ、それは今年新しく出た天文学の参考書、その横は海外の宇宙開発の歴史が書かれた本だよ」

 

「タイトル日本語じゃねーんだけど……」

 

「中も英語だよそれ、翻訳だと翻訳者の意訳が入っちゃうから原文の方がいいし」

 

 

そう言って篠ノ之はまた箒ちゃんと遊び始めた、俺も混ざりたいんだけどそれよりもこの部屋が色々と物が増えてる事に気が付いてちょっぴり感動してる。

 

一年生の頃に来た時は必要最低限のものだけって感じで寂しい感じだったけど最近は色々置かれてるんだよな、今手に取った本とかもそうだし、アルバムとかも実はこっそり並んでる。

 

……まぁ中身は箒ちゃんオンリーだけどね、しかも開いた瞬間に写真一枚一枚に映った箒ちゃんの解説が入るもんだからある意味最強のトラップだ。

 

 

「って、あれ? コレって確か……プリクラ? 昔撮った奴か?」

 

「…………なんだよ、取っておいたら悪いのかよ?」

 

「いや別にんな事は言ってねーけどさ、ふーん大事にしてくれてたのか……ちょっと嬉しいな」

 

「ふ、ふん!! 単に捨てる気にならなかっただけだからね!! 勘違いすんなよ!!」

 

 

そう言って篠ノ之はぷいっと顔を背けてしまった、まぁ多分口にした事以外の意味はねーんだろうし気にする必要はねーか。

 

それよりも気になるのが棚に置かれたカメラ、あの旅行とかで使うような小ちゃい奴なんだけど、何となく手にとって遊ぶ二人を写真に撮ってみた。

 

カシャって音で写真を撮られた事に気が付いたのか、篠ノ之と箒ちゃんがこっちに振り向いたんだけど、その隙に俺も箒ちゃんの横に行って三人で写る様にまた写真を撮る、ちゃんとピース付きで。

 

「ほい、箒ちゃんアルバムに二枚追加出来るぜ?」

 

「それ、箒ちゃんの撮影用カメラで後二枚しか撮影出来ない奴なんだけど? 今の二枚でフィルム埋まっちゃったじゃんか」

 

「えっマジ? あー勝手に撮って悪りぃ、母さんからお小遣い前借りして買って返すよ」

 

「別にいいって、そこまでケチケチしてないし」

 

 

––––この後、何事も無く色々箒ちゃんと遊んでから帰ったんだけど、何日かした後篠ノ之から三人が写った写真をくれた、なんでも『せっかく写ってるんだし君にもあげるよ』って事らしい。

 

俺も自分のアルバムに挟んどこうっと。

 





将来箒ちゃんの性格がどうなるのか想像出来る人はエスパー(震え声

束さんの過干渉が今は箒ちゃんに受け入れられてますが、ここまで彼女がシスコンだと……ね?

原作7巻までがどちらの会社かのアンケート(今後の描写に関わる為)

  • MF文庫J
  • オーバーラップ

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