天災二人と馬鹿一人   作:ACS

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飲酒執筆だから多少の粗は許してくだしあ(白目


小学四年生 12

 

最近思うんだけど、束も千冬も女の子らしくなった様な気がする。

 

別に今までが女の子らしく無かったって訳じゃないんだけど、身体の柔らかさとかが俺とは違って来てるんだよなぁ、道場稽古を始めてから体が鍛えられてるからかな?

 

身長も千冬や束が言うには伸びてるらしいし、男女の違いって奴が出始めたんだろうか?

 

 

「てな訳で、俺の背中に乗ってる束さんやその辺どうなのよ?」

 

「んな事聞いてる余裕があるなら神社の階段もう二往復する?」

 

「あっはっはっは、ムリです許してください」

 

 

何時もの束の追加特訓を誤魔化す為にそんな事を考えてたんだけど、情け容赦ない宣言が俺に飛んで来たのでとりあえず謝りながら黙々と階段を登る。

 

束のヤロー、俺がなんで色々考えてたのか知らねー癖にキツイ事言いやがって……。

 

大体、お前が押し付ける様に抱き付いて来なけりゃ背中の感覚を意識しなくて良かったし、そもそもおんぶって体勢が色々恥ずかしいんだよなぁ。

 

やんわりと束にそれを言っても、『私は恥ずかしくないから大丈夫、そもそも君におんぶして貰っても私はなーんにも思わないから』だからね。

 

いや、俺も束をおんぶする事が嫌だって訳じゃないんだよ? 束は可愛いし、学校でも割と人気があるから個人的にも嬉しいって気持ちはあるんだけど、それ以上にドキドキするんだ。

 

今までそんな事無かったのに最近になって二人を妙に意識する様になったんだよなぁ、なんでだろ?

 

かと言ってこの疑問を二人に聞くのは違う気がする、というか誰に聞いても納得出来ない気がするんだよなぁ。

 

「てか束? 前々から聞きたかったんだけど、俺の特訓って毎回毎回キツくね?」

 

「は? これぐらい普通だろ? 出来ない訳ないでしょ? 君のギリギリを狙ってるんだから大丈夫だっての」

 

……俺、そこまで出来る子じゃないんだけどなぁ、期待されても困るっつーかなんつーか。

 

「……足が止まってるぞ、早く階段登れって」

 

「わーったわーった、登りゃいいんだろ? けどちょっとだけ離れてくんね?」

 

「何でさ? そんな面倒な事したくないんだけど?」

 

「だ、だって当たってるからさ……」

 

「何が? つかさっきから様子がおかしいのはそれが理由かこのやろー」

 

「その、背中に柔らかいのが二つ……」

 

 

思わずそんなことを零してしまったけど、言った後から急に恥ずかしくなって何も言えなくなった。

 

 

「……別に減るもんじゃないだろ? というか一々そんな事気にしてんのかよ、スケベ」

 

「し、しょうがないだろ!! つい気になっちゃうんだから!!」

 

「だ、だったらコレも気にするなよ!! これも鍛錬、そう!! 鍛錬だから!!」

 

「んな無茶苦茶な……」

 

束はそんな風に言いながら更にキツく俺に抱きついてくるんだけど慣れないから正直やめて欲しい。

 

……いや、これも束の言う通り稽古の一環かもしれない、心頭滅却すりゃなんとやらっていうし、なるほどコレも精神訓練なんだな!!

 

 

「よし分かった、束がそのつもりなら俺もそれに甘えるぞ!!」

 

「……へっ?」

 

「足腰もそうだけど腕力も必要だよな? 相手の力を受け流すだけなら力要らないけど、男としてはあった方がいいに決まってる」

 

「う、うん、まぁ、そうだろうね」

 

「てな訳で束、お姫様だっこだっけ? アレやるから一旦降りてね?」

 

「……いやいや、えっ?」

 

 

そう言って俺は束を降ろして腰と膝裏に腕を入れる様にして抱き上げたんだけど確かにコレは腕に来る、というか女の子とはいえやっぱ重いな。

 

口に出したら絶対ブン殴られるから意地でも黙ってるけど一段一段と階段登るのがキツイ、しかも抱っこした束が急に黙り込んだもんだから会話で辛いのを誤魔化す事も出来ない、あれー? もう少し束は怒ると思ったんだけど?

 

結局登りきるまで束は借りて来た猫見たいに大人しくなってた、やっぱ女の子だからこーいうの憧れるのかな。

 

 

「はぁ、はぁ、の、登り終わったぞ束……」

 

「……うん」

 

「追加の往復は……はぁ、無しで、はぁ、いいよな?」

 

「……うん」

 

「えっと、束?」

 

 

腕の中の束はぽけーっとした顔で惚けてる、何回か呼びかけても返事が曖昧だし、よっぽど気に入ったのかな? 今度千冬にも試して––––。

 

 

「ちーちゃんはほら、あんまりこういうのは柄じゃないから多分気に入らないんじゃないかな?」

 

「そうかなぁ? 案外気に入りそうだけど……」

 

「ああ見えてちーちゃんは古風だからね、やるのは私だけにしとけよ?」

 

「うーん、まぁ束がそう言うなら……」

 

「じゃあ次からコレでやるからヨロシク」

 

「へっ?」

 

 

その言葉に俺がぽかーんとしてしまい、束を降ろし忘れたのを箒ちゃんに見つかってしまう。

 

んで、悲しい事に箒ちゃんは俺と束がお姫様ごっこして遊んでると勘違いして俺に抱っこをせがんで泣き始めた。

 

 

…………こうなったら俺がやれるのはただ一つ、諦めて箒ちゃんを抱っこして階段を往復する事だけ。

 

結局、俺は箒ちゃんが満足するまで階段の往復を繰り返すのだった。

 

 

原作7巻までがどちらの会社かのアンケート(今後の描写に関わる為)

  • MF文庫J
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