今日は学校で男友達とロボットの話で盛り上がってたんだけど、途中から変形する機体か合体する機体のどっちがカッコいいかとか、格闘オンリーの機体か射撃重視の機体のどっちがいいかとか、超火力ゴリ押しと超弾幕ゴリ押しのどっちが好きかとかで話が割れて決着が付かなかった。
んで、その話を帰り道で千冬と束にしたら思った以上にこっちでも話が割れた、主に俺と束が。
「だーかーら!! そんなに武装もりもり積んでも使い物にならないだろ!! 究極的にライフル一つと近接武器、後は軽くて運動性の高い機体の方が絶対に強いんだって!!」
「はぁ? なーに言ってんの束さん? 両手にガトリング、全身にミサイルで画面埋め尽くすレベルでどんぱちやる機体の方がカッコいいっての!!」
「そんなの流れ弾一発で大爆発起こすだろ!? そもそも弾薬の重さで機動性も運動性も死ぬし、装甲も薄くなってただの的になるって!!」
「お前はなんでそう現実的に考えるんだよ!! ロマンが大事なのロマンが!! なぁ千冬?」
「現実で乗りたい機体はどんな機体かって聞いたのは君でしょ!? ロマンだけの機体は観賞用にしかならないっての!! ねぇちーちゃん?」
「……いや、そもそも射撃兵器は必要なのか? 近接武器一つで充分だと思うんだが」
俺と束がお互いの意見に対する同意を求めたんだけど、静かに話を聞いていた千冬は少し考えながら
まさかの第三意見、いや確かにそれは俺もロマンを感じるよ? けどどっちかってーとバカバカ撃ちまくって敵を倒す様な機体の方が好きなんだよなぁ。
けど千冬の意見は束側かぁ、考えたら対戦ゲームでも千冬は格闘機しか使わないし、当然っちゃ当然か?
「ぐぬぬ、二対一じゃ分が悪いか?」
「ふっふーん、やっぱちーちゃんは分かってるねぇ、無駄な武装を付けるよりも最低限の装備で確実に相手を倒す事が重要だよねー」
「千冬の裏切り者め……」
「そこまで言う事か? 別に私はお前の気持ちも分からなくはないが……まぁ射撃兵器の好みなら一撃で何もかも決着を付けられる火力がある方が良いな」
「えっとサテライトキャノンとかバスターライフルとかか?」
「そうだな、付け加えるならビームサーベルも高出力の物がいい、加速性能も直線だけで構わないから可能な限り高速な方が好みだな」
「ち、ちーちゃん? どんな機体に乗りたいかって話だよね? そんなエネルギー管理ガン無視な機体は堅実性通り越してロマン機体だよ!?」
「可変機構を持っていればなお良いな、飛行形態から高速で接近して変形からの斬撃、その後再変形して離脱、私が現実で乗ってみたい機体としてはそんなところか」
「なんつーロマン機体、千冬も案外拘りがあるんだなぁ」
「ああ、誰かさんが遊びに来る度にその手のゲームやアニメを置いて行くからな、すっかり私もお前好みに染められてしまったよ」
そう言って千冬は何時もの様にクールな笑みを浮かべたけど、最後の一言が照れくさかったのか少ししてから早足で俺たちの間を抜けて行った。
いや、でも流石の俺もそんな癖のあり過ぎる機体に乗りたいとは思わないんだけどなぁ。
「ねぇ、お前もしかしてちーちゃんを自分好みの女の子にして将来自分のお嫁さんにしようとか考えてんじゃないだろうね?」
「はえ? うーん、千冬がお嫁さんかぁ……」
束から予想外の事を言われて想像してみたけれど、結婚生活そのものが思い浮かばないからイマイチ良い返事が出来なかった。
「ま、君はそんな事が出来る様な人じゃないのは分かってるよ、多分ちーちゃんが純粋過ぎるだけだね」
「千冬って割と俺の冗談鵜呑みにする時あるしなぁ」
たまーになんも考えずに口にした言葉を信じるし、意外に千冬は天然なところあるんだよな。
そんな事を考えながら俺は途中の交差点で束と別れた後、早足で歩く千冬を追いかけて肩を叩いて横に並ぶ。
「珍しく早足じゃんか、さっきの一言がそんな恥ずかしかったのか?」
「わ、分かってるならわざわざ口にしなくても良いだろう!? まったく、お前という奴は!!」
「えぇ……俺別になんもしてなくね?」
千冬は束の様にふいっと顔を背けたけど、俺が横に来たら早足をやめてちゃんと歩調を合わせてくれた。この辺りはやっぱ束とそっくりだなぁ。
その後は特に変わった事も無く、何時もの様に俺が好きなように好きな事を喋って千冬がそれを聞くって感じで普段通りの帰り道だった。
けど千冬と結婚かぁ……別に嫌って訳じゃないし、寧ろ気恥ずかしいのと嬉しいのが入り混じったような感じだけど、束でも同じ気持ちになるからなぁ、自分の感情なのによく分かんねーや。
そんな風に色々考えながら俺は家に帰るのだった。
ガンダムで例えるなら束さんはファーストガンダム、主人公はヘビーアームズ、千冬さんはエピオン。
うーん、これは将来主人公が関わる機体がどっちのルートでもアレな事になりますなぁ(白目
原作7巻までがどちらの会社かのアンケート(今後の描写に関わる為)
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