春の陽気、冬の間にはあんまり見れなかった花も色々咲いてて凄く華やかな通学路になった。
道端に生えてたタンポポを一つ摘んで眺めてながら、そーいやたんぽぽ茶ってのがあったよなーと前に他校の友達と話してた事を思い出す。
お茶にして飲めるって事は食べても大丈夫って事だよな? じゃなかったらお茶にはしないし、たんぽぽに当たったって話も聞いた事ないし。
気になったら直ぐに試すのが俺の主義だから試しに口の中に突っ込んでみたんだけど、なんだろうコレ? すっごい苦いってか青臭いってかそんな感じ、絶対これ食べ方間違えてるよな。
「……何をしてるんだ?」
「ん?
「物を口に入れたまま話すな……」
そー言われても飲み込めねーんだもん、吐きたくてもゴミ箱が無いしさぁ。
一応ポケットティッシュは持ってるからそれに吐き出す手もあるんだけど、結局包んだティッシュをポイ捨てする訳にも行かないし。
昔束に教えて貰った様に野菜なら噛んでればその内甘くなるかと思ってさっきからもごもごやってるけど全然どうにもならない、誰か助けて。
「ちーちゃんおはよー!! って、このアホなにしてんの?」
「分からん、さっきからずっと何かを食べてるみたいなんだが……」
「…………来る途中にたんぽぽが一本摘まれてたけどさ、まさかまさかだよね? 流石の私もちょっとこじ付けかなって思ったけどさ、もしかしてもしかするの?」
完全にアホを見る目で束が俺を見てる、けど悲しい事にそれが正解だから手で丸を作った後、親指を立てて正解アピールしといたけど、束にはめっちゃ不評だったらしい。
「ばっかだろ!? どーせ食えるかなぁ?くらいのノリで食ったんだろ? お前もう少し脊髄反射で生きるの辞めろよ!? 仮にも文明人だろ、未開の地の部族みたいな生活すんなよ!!」
「待て束、コイツも好奇心が旺盛なだけでそこまで考え無しじゃない筈だ、ネットで調べても分からないたんぽぽの味が気になっただけで責める程の事じゃない」
「ちーちゃん!? なんか妙にコイツの肩持ってるけどさ、常識的に考えても道端に生えたたんぽぽを直で食べるのはおかしいと思うよ!?」
「束、お前が常識を語るのか!?」
「語るよ!? むしろ語っちゃダメなの!? 少なくとも私はたんぽぽ直食いはしないよ!?」
「それはそうだが……たんぽぽか」
「ちーちゃん!? 何しげしげとたんぽぽ見てるの? 束さんも流石にツッコミ入れきれないから止めない? ねぇちーちゃん? 聞いてる? ねぇってば!? たんぽぽ摘まないで? ね? ね? コイツの馬鹿に付き合ったらちーちゃんもおんなじ馬鹿になるよ?」
「……苦い」
「ちーちゃぁぁん!? なーんで食べたの!? 私の話聞いてた? ねぇ、何で? コイツの真似しちゃだめだってば!!」
たんぽぽを食べて苦い顔をしてる千冬を揺さぶる束、俺のは苦味の塊みたいな葉っぱが少なかったからまだ良かったけど、千冬が口にしたのはかなり葉が多かった。
顔を顰めるとかそんなレベルじゃなくて顔が青い、そーとー口に合わないんだろう、しかも束の揺さぶりもあるから余計に気分が悪そう。あれ? 千冬吐きそうじゃね?
ヤバイと思って近くのこども110番の家に言ってピンポンを鳴らしたんだけど、俺も喋れねぇ事に気づいて束を呼んだ。
「えっ? 何? 私!? 待って知らない人の家だよね? 何で私が知らない人と話さなきゃいけないの? というかそもそも何を話せばいいのさ!!」
「
「何? トイレ借りろって言ってんの? 私にそれ言ってんの? お前ポケットティッシュ持ってんだから一旦それに吐き出せばいいじゃん!! 後でゴミ箱に捨てればさぁ!!」
束のツッコミでティッシュを持ってた事を思い出した俺は、一旦口の中のたんぽぽを吐き出してからインターフォン越しに事情を話してトイレを借りた。
水に流せるタイプのティッシュだったからついでに俺の奴も流させてもらったけど、えらい目にあったなぁ。
「そもそもさ!! 野草ってのはちゃんとした知識があって食べる物だからね? 今回は何も無かったから良かったけどたんぽぽに似た毒草とかだったらどーするんだよ!!」
「す、すまん、つい気になって……」
「分かった束、次からちゃんと野草の事調べてから食べるわ」
「だぁぁぁあ!! 私は文字通りの意味で道草食うの止めろって言ってんの!! 寄生虫とかもあるから生で何でもかんでも口にすんなってば!! 終いにははっ倒すよ!?」
ひと段落した所で流石に心配掛けたのか、かなりヒートアップした束のマシンガントーク説教が俺と千冬を襲い、ソレを聞きながら歩いてたら遠くで学校のチャイムまで鳴ってるのが聞こえた。
あーあ、仲良く三人で遅刻だなこりゃ。
原作7巻までがどちらの会社かのアンケート(今後の描写に関わる為)
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MF文庫J
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オーバーラップ