変化に適応しなければドロップアウトする。その適応を、時には進化と呼び、時には退化と呼び、そして時には・・・
「もう終わりだ・・・母ちゃん・・・」 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」 「茅場のクソ野郎がぁ・・・!!」 「神よ・・・」
混沌としたその風景は、もしかしたら地獄の方がマシかもしれないなどという異常な思考すら誰にも否定されないように見えた。既にこの地獄絵図は1週間近く続いていた。プレイヤーの生活圏は残りこの一層を残すのみとなった。生命の牌に目を見やると、見た目ほどプレイヤーが死んだ訳ではない事が分かる。しかしそれは同時に、敵の物量が測れる。
「あいつらに殺される前に自分から捕まった方が良くね?」 「あいつらは一応プレイヤーとして生きてるしそっちの方が生存率の高いかもな・・・」
根拠のない噂が流れる。この噂のせいで自ら敵に捕まるプレイヤーも少なくない。絶望の荒波に揉まれ、私達高レベルプレイヤー達は何か策は無いのかと考えていた。最早諦めるよりほかに道は無いのかもしれない。キリト君も帰ってこない。団長もなんとなく情緒不安定になっている気がする。
街の外に、黒い影が見えた。
ざわめきが一瞬止み、より一層のどよめきが辺りを覆う。ここに居るのは最初からはじまりの街に居たものか、どうにか勝ちのこれた者しか居ない。単純な話、力のある者と無い者の二極化が激しいのだ。弱い者、或いは戦いたくない者は隠れ、強い者は武器を構える。
妙だ。今までは黒い壁に覆われ始めてから奴らは来た。しかし今回はそうでは無い。まだ黒い壁は無い。そして、黒い影も一つしかない。それも、一歩一歩確実に歩いている。明らかに今までの個体とは違う。それにしても妙だ。奴らは二足歩行ではあるが足が蹠行性のためか丸みを帯びた体制で歩く。しかし近づいてきている奴は背筋を伸ばして歩いている。それに、どれだけ近づいてもカーソルが表示されないのだ。段々と全貌が明らかになってくる。
・・・・・・!!
「プレイヤーだ!!!!」
誰かが叫んだ。真っ黒なワンピース。透き通るような白い肌。まっすぐ伸びた黒髪。そして、未発達な、まだ10歳程度にしか見えない体躯。そこまで確認出来、すぐに少女の元に駆け寄る。しかし、あとほんの10mにまで差し掛かったその時、少女に変化があった。その少女の体が揺れたかと思うとライトエフェクトに包まれて消えた。唐突の事で混乱する。さらにその後ろの人物の存在にさらに混乱させられる。真っ黒なコートを着た真っ黒なプレイヤーがいた。攻略組なら彼の容姿を知らない者は居ないし、彼の行方を下層へ追いやられながらも必死なって探していた。
「キリト・・・君・・・?」
精気を失ったような顔で手を前に突き出していた彼は、ゆっくりと手を下ろした。
「久しぶり、アスナ。どうにか突破口を見つけたよ。」
キリト君は凄く、凄く冷たい、達観した笑を浮かべていた。
あとこの場面は凄く描きづらい所でして・・・描きたいこと全部描いてると場面転換が激し過ぎて今まで以上にわからなくなると思うんですよ。なので次回、もしかしたらさらにその次辺りまで過去回想をします。勉強の兼ね合いで更新速度が落ちると思いますが今後もご愛読の程をよろしくお願いします。