今後もこのくらいのペースになるかもしれませんがよろしくお願いします。
少女は、突然やって来た。カルマ浄化クエストを受けるために22層を歩き回っていた俺の目の前に、ふらりとやって来て
「お、おい!」
バタりと倒れた。先日この層に来た時、拠点にしようと購入したログハウス。そこに連れ帰り、様子を見る。最近見た黒い奴らも相当異常だったが、この娘もなかなかにおかしい。まず、カーソルが無い。プレイヤーだろうとモンスターだろうとNPCだろうと自由に動き回る物には必ずカーソルがある筈なのに、この娘にはそれが無い。ここ数日のアインクラッド内の変化の勢いが凄い。これもバグの一種なのだろうか。あの場から動かせたってことはNPCでは無いようだが・・・これがカルマ浄化クエストなのだろうか。
目が合った。
「起きたのか?名前はなんて言うの?」
「私は・・・」
「ん?」
「わた、しは・・・」
「あ、おいどうした?ごめん怖かったかな?」
泣き出してしまった。子供の扱いなんてスグ以来だから正直自信が無い。
「いいえ・・・大丈夫です。」
「君はどうしてあんな所に?」
「分からないんです。記憶野にまで…」
弱ったな。軽い記憶喪失なのか?いや、軽くはないな。でもなんとなく含みを持ったような言い方が気になる。
「私は・・・MHCP001号のユイです。キリトさん、アインクラッドを救って下さい。お願いします。」
名前を呼ばれた。なんで知ってるんだ?それにMHCPUって事は人じゃないのか?全然わからない。思考が追いつかない。
「今、アインクラッドは外部からのウイルスに侵されています。本来の目的とは別の形で、現在アインクラッドの存続を脅かされているんです。」
「ウイルス?あの黒い奴のことか!?」
「・・・・・・」
返事がない。
「黒いやつとは
「〈The Big Chap〉?わからないが俺が言ってるのは上層で蔓延っているプレイヤーアカウントが変化したやつの事なんだが」
「わかりました。あれの生態はどれくらいご存知ですか?」
「えーと、白い手みたいなのがプレイヤーに張り付いて寄生?してプレイヤーの腹を突き破って出てくる。この時点でプレイヤーアカウントは寄生してた奴に移って・・・本来のアバターはその場に残ってた。」
「概ね把握しました。では、こちらが掴んでいる情報をお教えしますね。」
「まず、先程言った通りこのアインクラッドが惨状はウイルスに感染した事に端を発します。ここがデスゲームとなった日に、政府が緊急対策本部を作り、どうにか中に居るプレイヤー達の攻略の助けとなる物を茅場晶彦にバレないよう、アインクラッドに忍びこませる事が目的だったようです。」
「その為のウイルスを作ったのは、海外のウェイランド湯谷社でした。そもそも、ウイルスによる攻略を提案してきたのもウェイランド社からです。そうして作られたウイルス
「
「〈The Big Chap〉は特殊な個体で、同じ個体が生まれることは基本的にありません。後続して生まれる個体は
「〈The Big Chap〉はNPCやプレイヤーを繭にし、新たなEgg Chamberとする事が可能です。これが、行方不明となったプレイヤーが死亡するか否かを分けてます。」
「また、〈Warrior〉達の中に〈The Big Chap〉が居ない場合、新しいリーダーとして〈Warrior〉が
「以上がだいたいの情報になりますが、分かりましたか?」
少女を見据えて、断言する。
「絶望的過ぎる・・・」
ハイ、ユイちゃんは完全な記憶喪失では無いです。キリトの元に来た理由とか名前とかは覚えてるけど…みたいなところですね。
もう記憶喪失じゃなくていいかな? いいや、記憶喪失なんです。これでも