いきなり展開早いと思ったそこのアナタ!その感性は正しいです…
最初に異変に気付いたのはその違和感からだった。
74層の迷宮区をマッピングしている最中、明らかにあとをつけられていた。視線を感じるとか、なんとなく気配がするとか、そんなレベルではなく確証を持ってつけられている。しかしそれだけで、わざとらしく隙を見せたりもしたが襲ってくることはなかった。追跡者が誰なのか気になったがそのうち向こうから接触して来るだろうと考え、夕方には転移結晶で主街区に戻り、宿でそのまま眠ることにした。
次の日の朝、街があまりにも騒がしかった。
「号外!!号外!!昨晩のうちに行方不明になったプレイヤー多数!!」
キリトは息をのんだ。昨日のことを思い出していたのだ。結果襲われることこそなかったが、おそらく昨日のあれは自分もターゲットになっていたのだろう。少し冷静になってから、情報屋が配っている号外記事に目を通す。
「73層迷宮区を探索していた複数のパーティーから数名、一瞬の断末魔ののちに消えていた。フレンド登録者が探すもマップでは一部プレイヤーを除いて確認出来ず、普通にプレイするのではなくクエストによるものと考える人が多数。少数意見にはレッドプレイヤーによる犯行や、7割まで攻略が進んだために茅場が妨害したなどの可能性が示唆されており・・・」
急いでフレンドリストを確認する。アスナ エギル クライン リズ シリカ とりあえず全員無事みたいだ。そもそもこの階層には誰もいないらしい。少し冷静になり、記事の内容について考えていると、妙だと思った。まず、クエストの線はほぼない。なぜならシステムにより管理されているクエストであれば、昨日つけている最中いつでも攫うことができたからだ。攫う条件がパーティに加入していることならそもそも自分がターゲットになることもないため、追いかけてくることもない。要はシステムによる機械的な処理によるものではなく、生物的な不安定さが絡んでいるとしか考えられなかった。
「どうしたキリト つっても、おおかた見当はついてるけどな」
50層のエギルの店に来た。エギルの店に行けば、もう少し詳しく話が聞けるかもしれないし、なにより他の面子とも会えるかもしれないからだ。
「ようエギル。たぶんそれで合ってる。何か情報ないか?」
「残念ながら特に収穫はない。俺が知ってることはどの情報屋でも知ってるような内容ばかりだな。」
「そうか・・・実は昨日・・・」
「やあキー坊元気してたカ?」
ああ、なんとタイミングがいいと言うか悪いというか。そんなことを考えながらちょうど探しに行こうか考えてた声の主であるアルゴに挨拶しようとしたらいきなり本題に入られた。
「さてキー坊、ギルさん、もうかなりの騒ぎになってるわけだガ、昨晩から急にプレイヤーの行方不明事件ガ多数起こってるんダ。それも5件も」
「ああ、今朝別の情報屋から号外記事を貰った。」
「おネーさん以外の情報屋に浮気してタのかキー坊は…」
「やめてくれアルゴ。話がややこしくなる。それでなにか新しい情報が手に入ったのか?」
「ああ、おおまかに二つだナ。1つはその後も被害者が増えていることダ。そしてもう1つは直接見てもらった方ガ早い。というか、上手く口で説明出来る気がしないんダ」
「分かった。どこに行けば良いんだ?」
「74層の迷宮区ダ」
5/6号外記事の内容を修正しました。