SALAIOEN   作:へにょの錬成

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キボウノハナ-ツナイダ-キズナハ-


03 希望

恐怖に支配されている時、人は希望的観測をしがちになるのだろう。また、その逆も然り。

 

 

「キリト君、こちらは準備が整っている。そちらはどうだね?」

 

声をかけられた方を向くと血盟騎士団の団長 ヒースクリフが居た。

 

「ああ、こっちも準備できている。それにしても・・・」

 

浸食は予想以上の勢いで進んでいた。既に74層の主街区の目と鼻の先まで真っ黒ななにかは押し寄せていた。

 

「それとなんだが行方不明者の件・・・」

 

「ああ、わかっている。半数はまだ生きているが半数は生命の碑にて死亡が確認された。」

 

そう、行方不明者が出てから三日が経った現在、新たに分かったことがある。行方不明となったプレイヤーの半数は死に、半数は生きているのだ。さらに、死んだプレイヤーは例外なく、行方不明になってから時間が経ってから死んでいるのだ。状況を打破すべく、急造ではあるが攻略組を中心に行方不明者の奪還が行われることとなった。そのために74層の主街区に多くのギルド、パーティが集合していた。そこで、今回の諸々を取り仕切っているヒースクリフが声を上げる。

 

「ここに集合してくれた諸君には心から感謝を述べたい。ありがとう。早速だが、諸君も知って通り先日よりここ、74層の迷宮区にて謎の連続行方不明事件が起きている。今回はその調査、あわよくば行方不明者たちの救援に向かう。集団から1人、また1人と誘拐されているため、それぞれ連携を密にして隙をみせないようにしろ。また、謎の黒い壁に侵食され、マップからしか迷宮区が判別出来ない。そのため黒い壁の場所に入り次第、迷宮区でなくとも警戒を怠るな!!以上、なにか質問のある者は?」

 

しんと静まる集会所。誰もこの可能性に気づいていない、あるいは目を背けたいらしい。だから俺は手を挙げて聞いた。

 

「敵がプレイヤーの場合は?」

 

視線が、一斉に集まる。

 

「・・・オレンジプレイヤーなら監獄エリアに送るのがベストだ。レッドプレイヤーならば・・・状況に応じて殺人を許可する。責任は全て、私が取ろう。もしプレイヤーによる犯行なら、攻略の第一線にいる彼らを殺した罪は重い・・・!!」

 

どよめきが走る。相手が殺人鬼だからと言って血盟騎士団の団長直々に殺人の許可が降りたのだ。かの笑う棺桶(ラフィンコフィン)の討伐の際は可能な限り殺さないスタンスだったが、今回はそうでは無い。全員が人を殺す覚悟をしなければ前回のよりも被害者が出るとヒースクリフは考えたのだろう。前回の笑う棺桶(ラフィンコフィン)討伐戦に参加していたプレイヤーの顔が青くなる。まさにあれは地獄だった。地獄だったのだ。それ以上のナニかがこの先にあるかもしれないと、生ける伝説(ヒースクリフ)が言うのだ。それはある意味、全滅すらも視野に入っているという意味ではないのか?それぞれがそれぞれ最悪の方向に思考を加速させて行く。

 

「しかし!!」

 

突然の怒号に全員が顔を上げた。あの冷静沈着なヒースクリフが怒鳴ったのだ。全員が驚くのも無理はない。こんなヒースクリフを見たのは、全員が初めてだからだ。

 

「君達は攻略組だ!!トッププレイヤー達だ!!このまま、正体不明の何かに怯えている訳には行かない!!総力を持って敵を打倒すのだ!!!」

 

あのヒースクリフがいる。あのヒースクリフが導いてくれる。それだけが他のプレイヤー達の希望となる瞬間だった。




立った♪立った♪フラグが立った♪
ようやく解説的な部分を抜けられました。ここからどんどん面白くしていきたいので乞うご期待!
死なないで城之内!
次回 城之内死す デュエルスタンバイ!(嘘)
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