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急いで向かったが、到着が遅れても結果は変わらない。
ヒースクリフ率いる我々捜索隊は、叫び声の聞こえた方へ走っていた。最初に聞こえた方ではない。後から聞こえてきた方だ。こっちは明らかに複数の叫び声が聞こえたのだ。走りながらも叫び声が聞こえてくる。その一言一言に耳を傾けていると、気になる事を言っていた。
「壁から出てくる」
そう言っているのだ。この一言は我々、捜索隊全員に激震が走った。現場を見ていない為、確証を持って言える訳では無い。しかしもし、本当に壁から出てくるのなら、壁からモンスターがPOPするのなら、これは非常に問題だ。何故なら、今までは安全圏という形でモンスターの出てこなかった街が、あの黒いなにかに侵食されたとあっては街の中にモンスターが蔓延るという事だからだ。そのモンスターの数が余りにも多い場合、防衛用のNPCが居たとしても間に合わないだろう。そうなっては、プレイヤーが複数のモンスターに囲まれる事を指す。圏内ならHPこそ減らないが、精神をすり減らすには十分だろう。それに、理由は不明だが最初のように誘拐する事が目的なら、そもそもHPなんて関係ないのだ。ただ掴んで引っ張るだけでいい。大男ですら一瞬で引っ張り上げ、その後走って逃げられるほどの筋力値だ。1度掴んでしまえば圏内を端から端まで行っても1分かからないだろう。助けようにも他のモンスターが邪魔をする。とても助けられない。
思考に没頭していたら、目的地に辿り着いた。そこはボス部屋だった。文字通りボス部屋だった場所だ。
「全員、突入!!」
「「「うおおおおおおお」」」
ヒースクリフの合図でボス部屋に流れ込む。そこで目にしたのは・・・
「オレンジ・・・プレイヤー・・・?」
1人の、カーソルがオレンジになったプレイヤーが倒れていた。全員が身構えるたが、辺りには何も感じられない。とりあえず罠の可能性は無いようなのでそのプレイヤーに近づいて、初めて気が付いた。
「なんだこれは・・・?」
ヒースクリフも顔を顰めていた。その倒れていたオレンジの顔に、なにかが張り付いているのだ。それはなんと例えれば良いのだろう。人の手に、ヒレと尻尾を付けたような見た目をしていたのだ。それが、オレンジプレイヤーの頭部を掴んでいるのだ。そして、尻尾は首に巻きついている。
「くっそなんとかしてこのモンスター引き剥がせないか・・・!!」
俺が無理矢理剥がそうとすると、エギル達が来て手伝ってくれた。結果引きはがすことに成功し、小型モンスターはヒースクリフにより切られ、ライトエフェクトと共に消失した。
このオレンジプレイヤー、最初は小型モンスターによる麻痺毒かと思ったが、そうでは無かった。このプレイヤーは睡眠状態にあった。いや、睡眠と言うよりは昏睡と言った方が適切なのかもしれない。どちらにせよ、意識が無いようだった。
「おいてめぇ起きろ!こんな所で何してやがった!!」
クラインがオレンジプレイヤーに掴みかかり、思いっきりビンタを食らわした。すると衝撃でか音でか目を覚ましたオレンジプレイヤーは驚いた様子で辺りを見回し、大体の事を察したようだった。そして、俺もヒースクリフも、このプレイヤーがついさっきまでグリーンのプレイヤーだったことに気がつく。何故なら、このプレイヤーは捜索隊に参加していた少人数ギルドのリーダーだからだ。そこまで考え、未だに馬乗りになっているクラインを退かし
「ここで何があった?」
そう、切り出した。すると男は酷く怯えた様子で答えた。
「お、おお俺にも何が何だかさ、さっぱり分からないんだ・・・な、仲間たちとここに入ったら・・・カーソルの無いプレイヤーがいて・・・で、でもそいつは見るからに死んでて・・・カーソルのある奴もいて、な、なな中から・・・モンスターが・・・そしたら・・・壁からうじゃうじゃモンスターが出てきて・・・俺はそのままアイツらに捕まって・・・」
カーソルの無いプレイヤー?プレイヤーからモンスターが出てくる?訳が分からない。仮に今の話が本当だとしてなんで彼はオレンジカーソルになっているのだろうか。彼のどの行動がシステムに犯罪と認識させたのか。彼を、彼らを襲ったモンスターと直接対峙しなければ、謎は解けないだろう。
「どうやらこのまま上の層に行けるようだ。アクティベートしに行こう。もしかしたら他のプレイヤーもいるかもしれない。」
忘れていた。ここはボス部屋だ。そこにボスが居ないということは次の層に行けるということだ。無論、それに異論は無く全員で上の階層に行くことにした。
救助したオレンジプレイヤーを連れて。
ちなみになんですけど昨日ネタばらしした訳ですが読者の皆さんはどの時点でALIENだって気づきましたか?