しかし原作では崖から落ちた車両の乗員を助けたため、黒森峰は敗北した.じゃあ準決勝で普通に敗北したら、みほやまほはどうなるんだろうか?その時が楽しみでしかたない。今回はどちらが責められ、苛められて壊れるんだろうか。まぁその時はその時だ。
『ダージリン様。相手を責め立てるのは機動力に勝るクルセイダーが適任かと思います。それに相手に油断させる事が出来ます』
『わかりましたわ。しっかり誘導してくださいね』
『了解です。それと砲撃と交戦の許可をお願いします』
『どうして?』
『砲撃により相手を誘導します。その際こちらの挑発により相手が攻めてくる場合があります。その場合は作戦を変更し、我々は交戦します。その間にダージリン様が戦闘箇所に急行し、機を見て攻撃を行う。もしくはクルセイダーを撃破する部隊とフラッグ車が分かれた場合です。その場合は申し訳ありませんが、フラッグの捜索をお願いします。こちらは出来る限り奮闘します。如何でしょうか?』
『悪くありませんわ。隊長代理として採用します。各車両は情報を密にしてください』
『『『了解』』』
『クルセイダー小隊、相手車両を追撃します。あくまでも戦闘意欲があるようにしてください。作戦を悟られないように。相手は追い詰められていますが、西住流であり、黒森峰です』
『了解しました』
これでこの作戦が失敗した場合、全てダージリンの責任になる。保険としては十分だ。
何故?と思うかもしれないが、俺の立場がこれ以上悪くならないためだ。なにせ俺の作戦でアールグレイが負傷している。これだけでも100%やばい状態だ。これで敗北するようであれば、学校での俺への対応がマッハでヤバくなる事はバカでもわかる。だから敗北する作戦を承認したのはダージリンとする事で、敗北責任は俺に掛からないようにする。
敗北ではなく勝利したら全て解決と思うだろ?勝利する事で上記の戦犯は無くなる可能性はある。しかし勝利の結果リゼの報復が恐ろしい。一度目は「釘を刺す」といいながら、本当に刺された。次は「お灸を据える」等を言いながら、根性焼きされる可能性がある。
まぁ全ては俺の立場保持のためであり、学園の事など今はどうでもいい。
『敵戦車捕捉しました。現在フィールドの範囲ギリギリを走行しています』
『了解しました』
『どうしますか?』
『相手はフィールドギリギリを走行しています。そのうちダージリン様と遭遇します。しかし進行速度がやや速いですね。このままではダージリン様、アールグレイ様が合流した直後になる可能性があります。それでは陣形の構築が間に合わず突破される確率が高いです。ここで少し足止めといきましょう』
『了解しました』
『では進行間射撃開始』
行進間射撃により相手の進行速度は低下し、我々の攻撃により周りに何もない草原エリアから待ち伏せに適している岩石エリアに誘導した。障害物の影響で更に相手の速度が低下した。通信でダージリンがアールグレイと合流し、こちらに向かっていると連絡が入った。これは好都合。そろそろ俺達クルセイダー小隊が撃破される事で情報が途絶える。これで相手の位置が掴めず挟撃作戦が破たんする。
さて岩石エリアで撃破されますか。
『ダージリン様の小隊が挟撃位置にくるまで我々が相手の注意を惹きつけます。それでは相手に対し砲撃を開始してください。勿論撹乱も行いますので、衝撃に注意していください』
『了解しました』
俺達2両で相手へ砲撃を開始した。相手もクルセイダー如きの砲撃では撃破出来ないと分かっている。そのため砲撃を正面で受けつつ進撃してくる。それに対しこちらは向かってくる車両の横をすり抜けフラッグ車に接近する。撃破は出来ないが、威嚇射撃は行う。これだけで相手に考える時間、逃げる時間を与えない。我ながら姑息な作戦だが、この作戦実行出来ているだけでも奇跡だ。少し前までまったく実戦経験がなかったクルセイダー小隊をここまで戦わせる事が出来ている。それも1両減って2両のクルセイダーで5両の黒森峰の車両を翻弄している。これだけも奇跡だ。勿論評価に値すると思う。個人的に。
さてそろそろ計画通りといきますか。
『各車両、相手がこちらの動きに気づいたようです。ここで逃がすわけにはいきません。先ほど連絡を行ったところ、残り5分程度で合流できるとのことです。我々2両で5分は無謀かも知れませんが、頑張りましょう!!』
『了解しました。こちら攻撃を続行し、相手の懐に潜り込み動きを止めます』
『援護射撃後、こちらも同様に動きます。その時援護射撃お願いします』
『勿論です!』
俺の車両が威嚇射撃を実施した。その際何かの拍子に砲弾が明後日の方角に飛んで行った。先ほど相手車両に接触した際に標準が狂ったか?仕方ない。
『こちらの車両の標準が狂いました。こちらが先に相手の動きを』
その時だった。
「黒森峰女学院 フラッグ車戦闘不能。よって聖グロリアーナ女学院の勝利!!」
『・・・』
『あの』
『・・・え、あ、はい』
『先ほどの射撃が相手の進行方向にあった崖に命中し、その岩が相手車両に直撃し、撃破しました』
『了解しました。ダージリン様に報告してください』
『了解しました』
「うれしくないのですか?」
「勝利した感覚がないので、なんとも」
「確かに。それより」
「?」
「リゼ様になんと?」
「不測の事態による勝利です。訳を話せばわかってくれます」
「本当に助かるのでしょうか?」
「祈りましょう。お互い」
本当は合流前に撃破される予定だった。それならリゼも許してくれると考えていた。しかしこれは不測すぎる。市誰も予測も、予想も出来ない。
通信から聞こえる隊員達の歓喜は、私にとってはただの雑音にしか聞こえない。
試合が終われば、必ずリゼは鬼の形相で俺のところにくる。それまでに対策を考えなくてはいけない。殺されないように。
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