何のために進むのか   作:yudaya89

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第14話「誰のために?」

 

 

「私はね、生まれてから特に苦労も、努力もすることなく生きてきたわ。勿論そんな私を嫌う人間も居たわ。「アヴァ!!」最初はそんな人間に対し無視することを決め込んでいたわ。「アヴァ!!」でもね、私が何もしない事、反抗しない事で、その人間達の行動をエスカレートさせてしまった。そして私は中学の時にレイプされかけた「!!」それを教師や警察に言っても証拠がない事で咎められなかった・・・何それ?って思うのが普通よね。証拠がない、未成年、受験前だから・・・そんな理由で!!「!!!」私の人生が滅茶苦茶になりかけた。その時からよ、私の性格と言うか、考え方に変化があったのは「!!」証拠がなければ、バレ無ければ、何もしていい世の中である。ならば、私もその世の中の考えに染まってもいいという事。そして、私に害した人間を制裁?人誅?したわ。「!!」エリ?今貴方がされている無駄骨の刑だって、その時思いついたの。「!!」」

 

 俺はリゼの過去の話を聞かされながら、骨を折られている。正直話なんてほとんど聞いていない。いや違う、聞こえない。

 

「爪は後回しにしてあげる、あれは最後にした方が面白いのよ。左手の指の関節14箇所のうち7本折って、2本声をあげたから追加4本ね。それでさっきの話の続きなんだけど、まぁ男は私の会社関係に任せたんだけど、面白いのよ。足は焼かれて機能していないかったわ。腕は指から順に血流を止めて腐らせて徐々に短く切断されていたわ。勿論「あそこ」はおもちゃにされて、さぞ苦しんだと思うわ「あっ!!」女は・・・分かるわよね?特別に喋る権利を与えるわ。さぁ、答えなさい」

 

 知るか!!ボケ!!

 

「・・・病院関係に入院させて、薬で睡眠状態で保管する。夜、睡眠中にどこかの社長とSEX。薬が切れ起きた時にその事実を知らせ、絶望感を与える。そしてまた同じ目にあわせる」

「・・・どうして知ってる!!「!!!」

「もし・・も、私なら・・そうします」

「なるほど・・・ところで」

「??」

「誰が答える権利を与えたのかしら!!」

 

 その時、指の関節を2本同時に折られた。

 

「アヴァ!!!!!」

「まったく、躾が出来ていないメスね。4本折って3回声を上げた。追加6本ね。指の関節は終わるから、後2本は手首と肘関節ね。そろそろ気合い入れなさいよ?じゃないと、両腕機能しなくなるわよ」

 

 

 

 もう耐えるしかない!!ラスト6本!!

 

「話の続きだけど、その女達は貴方が言った通りの刑を執行したわ。今頃はどうなっているか知らないけど「!!」それから高校に進学してからは、私に害をもたらす人間は悉く消したわ。勿論証拠なんて残していないわ。まぁ多少ウワサ程度は流れたけど「!!」でも最近私に害する人間が多くなってきたの。私の命令を聞かない人間!!「!!!」私の計画を潰そうとする人間!!「!!」私の立場を脅かす人間!!「!!!」そして、その全ての中心にいるのが!!!お前だ!!「!!!!」」

 

 最後の肘関節を折られた瞬間、意識が飛んだ。そして次に目を覚ました時、目の前にリゼは居なかった。意識を失った時間は約30分程度のようだ。

 

 

 

 

 

 ゆっくり立ち上がり体の状況を確認する。手首から下は機能しない。肘から下も同じく使い物にならない。意識を失ったときに失禁していないか心配したが、大丈夫だった。本の少し漏れただけだった。

 

 リゼも最初は純粋無垢な少女だったが、世の中、いや周りの人間が原因であんな恐ろしい女になってしまった。リゼの考え方を否定するつもりはない。逆に今後の参考になる。何せ、証拠が無ければ、何をしてもいい・・・本当にいい言葉だ。

 

 

 さてさて、ある程度気持が落ち着いたところで、この左腕をどうしようかと考える。誰を頼ればいいのか・・・アールグレイ?ダージリン?アッサム?クランベリー?バニラ?

 

 

 

 

 考えても仕方ない。とりあえず自分の部屋に帰る事にする。そして扉を開けた瞬間、私の目の前にはアッサムが立っていた。

 

 

「ごきげんようアッサム様」

「ごきげんよう水樹」

 

 

「これでよかったのですか?」

「はい」

「しかし、ここまでする必要はないと思いますが」

 アッサムに連れられて校門に向かう。

「確実な証拠を、言い逃れのできない証拠を突きつける。そのために必要な事です。流石に左手一本犠牲にした成果はありました。過去に遡り調査する事も出来る証拠も集まりましたし」

「貴方の目的が分かりません。リゼ派の人間なのに、我々ダージリン、アールグレイ派と手を組みリゼを失墜させようとする・・・何故ですか?」

 アッサムが用意した車に乗り込み病院へ移動する。

 

 もうお気づきかと思うが、全て仕組みである。準決勝終了後にアッサムに連絡し、このような事態が発生する可能性があるため、各教室、空き教室にカメラを設置するように依頼した。そしてリゼの所業を撮影し、最もリゼにダメージを与える事が出来るタイミングでこの映像を流す。

 

 アッサムと移動している姿はリゼの耳に入るだろう。その対策は出来ている。階段で負傷したところをアッサムに助けられ、病院に連れて行ってもらった。何故救急車を呼ばないと聞かれ場合、大げさにするつもりはなかった。と答えればいい。

 

「その理由は教えなくてはいけませんか?」

「無理にとはいいません」

「では、機会があればお話しします。しかし今はその機会ではありません」

「そう。でもダージリンを裏切るような事があれば、許しませんよ」

「そもそも裏切るつもりなら、とっくに裏切ってます」

「そうですか」

 

 

 アールグレイは未だに俺がアールグレイ派に属している事を教えていない。唯一知っているのは、クルセイダー小隊のみだ。勿論口止めはしている。そろそろ教えてもいいころ合いだと思う。

 

 

 

「ところで」

「はい」

「決勝戦は5日後ですが、作戦は有るのですか?」

「・・・」

「ありませんか?」

「作戦はあります。そのためにはダージリン派、アールグレイ派に根回しが必要になります。アッサム様?頼んでもよろしいでしょうか?」

「わかりました」

「では、治療後に打ち合わせを致しましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私はリゼを次期トップする使命があります。

 

 私はアールグレイを守る使命があります。

 

 私はダージリンを次期トップにする使命があります。

 

 私は、誰のために進むのか

 





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