最近の世界の技術進歩には目を見張るものがある。
つい最近まで空想上のものだった筈のものが
気付けば現代に無くてはならない物になっている、という事もある。
ちょうど俺の後ろをついてくるこの少女もそのひとつだろう。
街中を少し見回すだけでも、工事現場でロボットの操作し
建設している彼らも、もはや全てが人造人間だ。
きっと1982年の人間が見たら、映画ブレードランナーを彷彿とさせる事だろう。
この街では、レプリカントが人間社会に入り込み
ブレードランナーが解任させる、なんてことは無いのだが。
…とにかく、俺とこの少女は俺の知り合いが居るある服屋に到着した。
自動ドアが俺達を察知し、静かにドアが開く。
「いらっしゃ――おや、久し振りのご来店だね。」
ああ、久し振りだな…マキ
金髪のロングヘア、赤いロックスターのような服を着た少女に挨拶を返す。
余談だが、人造人間には10代の少年少女をモデルにしたものが多い。
ゆかりやこの少女も例外ではなく10代の
もっと言うなら10代後半の少女を元に造られている。
この店には仕事をしていた時から行っていたが、その姿は全く変わっていない。
人造人間は成長しないからだ。
特殊な薬物によって、大量生産される人造人間は強制的に成長を阻害され、10代で殆ど体の成長が止まってしまう。
だというのに、こんなにも楽しく生きているのは何故なのだろうか。
「その隣の子は?彼女かい?」
少し考え事をしていると、彼女がからかうように聞いてくる。
馬鹿言え、俺がそんなもん持てるガラかよ…
「…持ってもいいと思うんだけどなぁ」
ハッ、そうかい
「全然本気で考えてないだろ君…。」
当たり前だろう?
ジトっとした目でこちらを見つめられるが、関係ない。
…本題からずれた、今日は彼女の服を見てやって欲しいんだが。
「いいよー、彼女可愛いし何でも似合いそうじゃん?」
楽しそうでなによりだ。さて、ゆかり?
「はい?」
この人に服を仕立ててもらってくれ、金は出すから。
「分かりました、ご主人様。」
ああ、じゃあよろしく頼む
「待ちな」
そう言って立ち去ろうとしたところでマキに首根っこを掴まれる
「…君、そんな趣味を持ってたのかい?ご主人様って…」
若干引きつった顔で質問をしてくる
断じて違う、俺は止めさせようとしてるんだ
「えぇ…ホントに?」
マキのエメラルドグリーンの瞳がまるで不審者を見るような目付きがこちらを睨む。
勘弁してくれ…俺は無実だ…。
心の底から無実を訴えると
「そう、ならいいけど…」
と、相変わらず不審そうな目線を当てつけ着替えをさせに移動した。
さて、食事を買いに行こう
そう考えながら服屋を後にした