Fate/Dainsleif 作:英雄ならできたぞ?
テスト前なのにイシュタルレースの復刻で盛り上がってイベントしてたら単発で水着ネロが出てきてくれたんだよ。出たら即育成。当然だよね?
注意)あくまでこの作品は本気の素晴らしさを皆さんに知ってもらいたいために書いたものです。アキレウスとケイローンの戦闘の省略、アタランテやフラン、その他の方々が登場しないことに関しては目を瞑ってください。
ユグドミレニア要塞付近で戦闘が行われている間、要塞から離れた場所でも戦闘が行われようとしていた。
半壊しているアメ車を背後に、『赤』の主従が立っている。マスターの強面が獅子劫界離。サーヴァントは『赤』のセイバー。彼らは『赤』から離反した唯一の組。この聖杯大戦の仕組み上、『赤』と『黒』の勝負が終われば、残った陣営で聖杯戦争を行い、聖杯の保有者を決定する。
離反した理由は『赤』のセイバーの直感。再優のクラスのサーヴァントが持つ直感に、獅子劫は疑いながらも従った。
そして対面するのは主従ではなく従者のみ。槍を持ち、黄金の鎧を身につけ死人のような白い肌とオッドアイのサーヴァント。少し前に行われた『赤』によるルーラーの討伐戦。そこに最初は参加して『赤』のサーヴァント、『赤』のランサーがそこに立っていた。
「『赤』のランサーがオレ達に何の用だ」
宝剣を肩で担いだ『赤』のセイバーが敵意を隠さずに問う。未だに鎧は纏っていないが、魔力で編めば一瞬で身に纏うことが出来る。
「『赤』の意思を伝達するためにここに来た。『赤』のセイバー、並びにそのマスターよ。早急に離反を取り止め、『赤』に戻ってこい」
やはりか、と獅子劫は懐に手を伸ばす。現在、『黒』も『赤』も所属しているサーヴァントは六騎。『黒』のアサシンは行方不明。『赤』のセイバーは離反。
そして獅子劫は『赤』の戦力とサーヴァントの真名をほぼ確実と言える予測を付けている。
『赤』に戦えないサーヴァントが二騎いることも、ファヴニル・ダインスレイフがサーヴァントと同等以上の戦闘能力を持っていることも、理解している。
不意にズキリと、顔面の傷が疼く。実際に痛みがある訳では無い、精神的なものだ。かつて戦場で
「ハッ、お断りだね」
取り付く島もなく、『赤』のセイバーは宝剣を構える。『赤』のランサーも致し方なしと呟き、その手に持った槍を『赤』のセイバーへ向ける。獅子劫は巻き込まれぬように全力で車に乗って離れだす。
車のエンジンが火を噴き、急激な加速が獅子劫の体にかかると共に、後方で『赤』と『赤』による殺し合いが始まった。
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シロウ・コトミネはファヴニルのパートナーとも言える存在である。とある大望を抱える彼は、来たるべき聖杯戦争へ向けて幾重もの準備を進めていた。
教会内でも地位のある場所へ着き、ユグドミレニアを襲撃した魔術師たちの討伐隊の中に、『聖杯大戦』を開くために洗脳し、『知恵』を授けた者を忍ばせたり。
シロウは欲していた。聖杯大戦をくぐり抜けるために、確実な勝利を得る手段を。
クラス外で英霊を召喚する?可能とは言いきれないし、そもそもマトモな英霊が召喚されるかも不明だ。
参加者に息のかかったものを入れておく?そもそも誰に令呪が宿るかすら分からない。
有力なのは各所で開かれている聖杯戦争の紛い物、擬似聖杯戦争に召喚されるかも劣化サーヴァントを手中に収めること。本来の英霊よりもステータスは届かず、宝具などマトモに扱うことすら不可能だが、数合わせ程度にはなるだろう。
そう思い、行動を起こそうとしていた頃に、彼の噂を聞いた。
曰く、時計塔や聖堂教会から追われながらも、数多の封印指定魔術師を差し出す代わりに、再び時計塔へ籍を置いた放浪者の魔術師がいると。
曰く、マスターでないのに擬似聖杯戦争に参加し、五体の劣化サーヴァントを一度の戦闘で倒したと。
曰く、『ワラキアの夜』を捕獲し、時計塔へ献上したなど。
最後の一つなど訳が分からない。『ワラキアの夜』は固有結界という現象であり、どうすれば捕獲などできるのだろうか。最も、本人に聞けば「本気を出した」という意味不明な答えが返ってくるだろう。
ともかく、その男の噂を聞いたシロウは彼に接触しようと動き出した。自らの所属する教会に呼び出し、勧誘しようと前置きを言おうとした時に、
「イイぜ、お前のその目。何かに向かって本気で努力している男の目だ。最高にイカしてるぜ?」
その後、彼にシロウの目的も正体も、全てをさらけ出した。すると彼は何かを少し考え込むと人が変わったように大声で喝采をあげた。
「ヒハハハハハハハハ!!お前バカだろ!?筋金入りの大バカ野郎だろ!?ああ!本当に最高だよイカしイカレてるよ!
よりにもよって、本気でそんなことを目指してやがる!ヒハハ!まるでどこぞの誰かさんを見ているみたいだ!
本当に、イイゼイイゼイイナオイ!
その話に乗ってやるよ!テメェの本気を俺に見せてくれ!俺をお前の本気で狂わせてくれ!そして、この俺を、
忘れられないだろう。自身の目的を正面から肯定した。どういうことか理解していた上で。
どんな経緯があろうとも、どんな思惑があろうとも、シロウは協力者を手に入れた。
協力者を手に入れるにあたって、シロウはファヴニルの肉体のメンテナンスを行うことになった。ファヴニルの肉体は精密な魔術と機械の融合体である。シロウと会う前から六回、会ってから三十一回もの、一度で生死をさまよう確率がバカ高い改造手術を受けたのだ。
排泄物を排出する機能。ほとんど食事を必要としない臓器。人体の重要機関のほぼ全ての機械化。
シロウはファヴニルと関わり、邪竜の肉体構造を学んだ。修理やさらなる改造。凡そ常人には理解できないことをシロウは本気で努力し、習得した。
全ては光り輝く世界のため。
男も女も、老人も子供も、聖人も悪人も、全ての人々が、全ての命が救われる
シロウ・コトミネの鋼の意思に、狂いはない。
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何度も揺れる城の廊下を、少年を抱えて走り回る。『黒』のライダー。マスターからは念話で何度も戦場に戻るように警告されているが、『黒』のライダーは聞く耳持たない。
必要ならば令呪を切るというのなら切ればいい。
投げやりに念話を切り、『黒』のライダーは城を抜け出る。抱えたホムンクルスを連れて疾走する。目指すはこの先にいる一体のサーヴァント。その人物ならばきっと、この少年を助けてくれるはず。そう信じて。
「少し、よろしいでしょうか?」
突如、声と共に前方が歪み、一人の男が現れた。白い髪に褐色の肌、そして神父服。『赤』のマスターであり監督役でもあるシロウ・コトミネ。だが『黒』のライダーは彼を知らず。ただの『赤』のマスターだと思っている。
「僕結構急いでいるからちょっとどいてくれないかな?」
「貴方がしようとしていることは分かっています。そのホムンクルスの少年を救いたい、そうですよね?」
純粋な笑顔でそう言われて、『黒』のライダーは一歩下がる。シロウからは実力というものがまるで感じられない。それが『黒』のライダーには不気味に感じられた。
「安心してください。私は敵対するつもりはありません。むしろ、協力してあげようと思ってるんですよ」
ニコニコと、人当たりの良さそうな笑みを浮かべている。言葉に裏があるか、駆け引きが得意ではない『黒』のライダーには分からない。
「見たところ、貴方の抱えている彼、魔術回路が暴走したのでしょう。所々に傷が見えます。そして衰弱の原因は心臓ですね。傷ついた魔術回路に関係なく、心臓が魔力を生成し続けている」
少し見ただけでそこまで分かるのは、やはりシロウがマスターに選ばれるだけの実力があることの証明だろう。
「応急処置はされていますが、それもほんの少し。根本的な解決にはなっていません。このままではあと十数時間もすれば魔力に魔術回路が耐えきれずに亡くなってしまうでしょう。どうですか?私に治療させてもらえませんか?」
『黒』のライダーは歯噛みする。恐らくシロウが言ったことは本当だろう。事実、少しづつだが彼の吐息が小さなものになっていってる。そして美しき白い顔は青白くなってきている。
間違いなく、衰弱死の前兆。『黒』のライダーは生前に何度も衰弱してその命を果たすものを見たことがある。同じなのだ。その時と。
「さぁ、どうします?彼を救いたいのなら、私に委ねなさい。私を信じられないのなら、無視して先へ進みなさい。最も、私を無視して彼が助かるとは思えませんが」
これは賭けだ。『黒』のライダーが彼を助けるために、シロウを信じるかどうか。嘘をつく可能性だって十二分にある。むしろ人質にしてこちらになにか要求してくる可能性さえある。
ならば断るか?既に少年の命は風前の灯。あと一日も持たないであろう命を、安易に救う方法が現れるとは思わない。
以上のことから、『黒』のライダーが選択したことは———
「・・・分かった。彼を助けてやってくれ。でも、少しでも変なことをしたら」
「分かっていますよ。私もサーヴァント相手に戦えるなんて、そんなファヴニルみたいなことはできませんから」
生きて欲しい。まだ未来のある少年に、本当の生を謳歌してほしい。だからどうか、彼だけは———
「では始めます。彼をそこに置いてください。そう、そこ。問題は先程も言ったように心臓です。いくら体が治ったとしても、心臓による魔力供給に体が追いついていません」
そう言ってシロウは懐から一つのものを取り出す。どうやってしまっていたのか、それは拳ほどの大きさの鉄塊だった。
「ですので、問題となる心臓を取り替えます。安心してください。たかが心臓を取り替える程度の作業、失敗することはありえません」
ゆっくりと、鉄塊を少年の胸に押し付け、持っていない手で手刀で貫くように胸に触れる。
「では、始めます」
鮮血が、散った。
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一方、ユグドミレニア要塞正面での戦闘は激化していた。
地面は既に当初の原型を残しておらず、穴だらけでいくつものクレーターができている。さらに戦場を広げたのか、別の地点で戦っていたゴーレムや竜牙兵、戦闘型のホムンクルスが物言わぬ物となって転がっている。
ここまでの被害は、最早災害とさえ言える。たったの一撃で大地は悲鳴をあげ、空気は震えを隠さない。
それでもなお、破壊を尽くしながらも未だに戦い続ける三つの影。
「ウォォォオオオオオオ!!!!」
「ヌゥん!」
ファヴニルが雄叫びをあげると共に、大地が牙を向く。連続高速で射出される竜の牙。存分たがわずに正確に標的を狙う牙は、護国の英雄の創り出した血染めの杭によって砕かれる。
間髪入れずに竜殺しがファヴニルを刻みにかかる。
竜爪と銀剣が音を立てて打ち合う。だが打ち合いはたったの二合のみ。ファヴニルは後方へ大きくとびあがると、ファヴニルを追うように地面から血染めの杭が姿を現す。
「チッ、俺でも支配できねぇ宝具による物質。流石は英雄。些か、面倒がすぎるぜ」
「貴様のような蛮族如きに、余の宝具が敗れることなど有り得ん。大人しく余の杭にその身を貫かれろ」
血染めの杭。その名は『
ファヴニルの能力はありとあらゆる物質再整形能力。形あるものは、全てを己の支配下におき、己の意のままに姿を操るもの。圧倒的な物量で敵を圧殺し、格上すらも倒すことが可能な能力。
敵が剣を使うなら足場を崩し、弓を使うならば大地が盾となる。『黒』のセイバーのような防御型の宝具を持つ敵とは些か相性が悪いが、だが使い手のファヴニル自身の戦闘能力は正しくサーヴァントと同列。
杭と牙が常にぶつかり合う。この光景が先程から、戦闘中も延々と続いている。ファヴニルの牙を言わずもがな、『黒』のランサーの杭は破壊され、無くなるごとにまた射出される。
三者の顔に余裕はなく、あるのは焦りのみ。ファヴニルは英霊二体を同義に相手取ることに手こずる。敵の二人は中々の連携でファヴニルを攻め、防御も硬いので迂闊には攻められない。
『黒』のセイバーと『黒』のランサーも同様である。『黒』のランサーは宝具を全力で解放して迫り来る牙は全て無力化しているも、ファヴニルにとってはそれは手段の一つでしかない。大地を支配しておきながら、それしかできないのでは御笑い種だ。
むしろ、恐れるのは戦闘中での不意への攻撃。大地が前触れもなく牙を向き、顎となって襲ってくるのだ。
そしてもう一つ。こちらも攻めきれないことだ。ファヴニルの腕は彼らをもってしても見事と言ってしまう技量がある。
「セイバーよ、汝の宝具、最最大威力で撃つにはどれくらい時間がいる?」
「・・・二秒が限界だ」
キツい。今の戦況で二秒の時間を割くことがとてつもなく大変なことだ。一瞬でも隙を見せれば即座に首が刈り取られ、心臓が破壊されるやもしれない。そんな敵を前に二秒も時間を割かねばならないのだ。
「よかろう。余がどうにかして二秒、時間を稼ぐ。その内に汝は奴めがけて宝具を開帳せよ」
「俺を前にして呑気におしゃべりとは、随分と余裕みてぇじゃねぇかァ!」
『黒』のランサーの槍と
「ソラァっ!本気で避けな!」
「ムゥン!」
『黒』のランサーの移動した位置の地面が抉れ、顎となって襲いかかる。それに対して素早く槍を振るい、顎を破壊。しかし破壊された顎の欠片が指程の大きさの棘となり、『黒』のランサーを追撃する。
「グヌゥッ!」
杭を一本だけ作成し、正面に盾にする。盾のおかげで胴体に当たることは無かったが、足に一発、肩に二発の棘を食らってしまう。
「・・・!!」
「いい加減不意打ちは飽きたんだよ!!」
不意に迫る『黒』のセイバーの銀剣の腹を肘で殴り飛ばし、空いた胴体に竜爪を突き立てる。瞬時に『黒』のセイバーはバックステップで身を引くも、その身体に三本の傷が刻まれる。
「厄介な・・・!」
忌々しげに『黒』のランサーが舌打ちする。段々とファヴニルはこの状況に適応し、成長してきている。それこそ、英霊二人を一方的に攻め立てられるほどに。
二秒稼ぐ。
その行動が段々と難しくなっていることに、『黒』のランサーは歯噛みする。
戦争は、まだまだ続く。
神父「本気でファヴニルの肉体弄るうちに人体にも詳しくなりました。心臓取り替えるくらい朝飯前です」
邪竜「英雄が2人に増えたから置いていかれないように本気で強くなりました。あと1人位なら問題なさそうです。やはり本気は素晴らしいです」
書いてて意味分かんなくなった。
ちなみにジーク君の症状は原作よりもかなり重めです。