Fate/Dainsleif   作:英雄ならできたぞ?

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第9話

アヴェンジャーが立ち上がる。折れた手足は柔らかな光と共に修復され、削れていた慟哭外装は魔力の増大により、元の姿へ戻っていく。

振り出し、とまではいかなくとも十分戦えるほどには回復した。

 

「少しタフすぎじゃないかな?」

 

『黒』のライダーは驚愕をアヴェンジャーへ送る。愛馬であるヒポグリフの突進を二回もまともに受けたのに、まだ消滅せずに立ち上がる。なんていう気力と耐久だろうか。手に握る馬上槍に力を込める。

 

「貴様は、殺す」

 

先程よりも流暢な口調。狂化から解放されたのか?アヴェンジャーの腕とレイピアが動く。アヴェンジャーの顎と肩の間から左手までに四本の魔力で編まれた線が形成される。続いてレイピアにはどす黒い恩讐の魔力が宿る。

 

「死ね」

 

まるでバイオリンを弾くかのように、レイピアを魔力線に当てて動かす。流れ出る音。同時に『黒』のライダーが感じ取る死の気配。咄嗟に上体を逸らし、ステップを刻みながら止まらず移動する。直後、『黒』のライダーのいた場所に虚空から魔力刃が迸る。危機一髪。『黒』のライダーはもう少し遅れていたら首と体が泣き別れしていたと冷や汗をかく。

 

「それが君の宝具?随分物騒———だね!」

 

またも響く旋律。少しでも止まることの出来ない。刃が発生する場所に少量の魔力の溜まり場ができて、そこから魔力刃が形成される理屈はわかる。だが数が多く次への攻撃が早い。

 

無闇に動くことが出来ない。『黒』のライダーを包囲するように展開されている魔力の溜まり場。そこを切り抜けるとなると腕の一本は取られるかもしれないという完璧の布陣。『黒』のライダーから腕を一本でも取れば、その戦力がどれだけ下がることか。

相変わらずの自分の実力のなさにうんざりしながら、『黒』のライダーは魔力刃をかわす。そして気付く。少しづつだが、体の調子がおかしくなっていると。

 

「うへぇ〜これは本当に危ないかな?」

 

ステータスどおりの戦闘ができない。段々と弱体化している。愛用の馬上槍が少しだけ重く感じる。筋力を下げられた。

だがそんなこと、気にしていたらすぐに首を刈り取られる。演奏でステータスを下げ、更には無から魔力刃を形成して切り込む。上手く組み合わさって面倒だ。

 

「君、本当にバーサーカーかい?」

 

「黙れ死ね」

 

呆気なく返される返答。そして魔力刃の乱舞。回避は不可能。馬上槍を振り回しても間に合わない。絶体絶命まで追い込まれた。判断を少しでも誤れば即殺される状況に置かれても、『黒』のライダーは笑っていた。

 

「よっと!」

 

馬上槍を手手放して腰から剣を抜く。ライダーは騎士である。馬上槍を扱えて、使えない剣を腰に下げておく必要は無い。少なくとも凄まじい技量はなくとも、この状況を切り抜けることは出来る。

剣で魔力刃を二本打ち消す。打ち合った所で接点を置いて跳び上がる。続く上からの魔力刃を空中でひらりと躱す。正面の魔力刃を前のめりに倒れ込んで間一髪、髪の毛数本で終わらせる。

 

「へへっ!どんなもんだい!」

 

「チョコザイな。大人しく私に殺されろ」

 

アヴェンジャーがさらに弾く。今度は違う旋律が流れる。同時にアヴェンジャーの脇に出現する白い人形。まるでおもちゃの騎士のように見えるソレは、騎士のように剣を構えたもの、銃を構えたものがそれぞれいる。

 

「そんなのもあるのかい!?」

 

一斉射撃。平面をかける魔力弾が『黒』のライダー目掛けて飛来する。大した威力はないだろうが、何があるかわからない以上、無闇に当たるのは良くない手だ。

全部弾けるか?数が多い。避けられるか?逃げてもまた同じことの繰り返し。跳ね返せるか?そんな変態的な技は変態にやらせておけ。

結論———

 

「一時撤退!!」

 

背を翻して逃げおおせる。木々を縫うように移動する。運のいいことに、白い人形の足は速くはない。むしろ鈍重な方だ。数が多く、遠距離の攻撃手段があることは厄介だが、恐らくはアヴェンジャー自らが指示を出さねば動かないはず。一々指示を出しているのなら、逃げることは難ではない。

 

「逃がすか」

 

無論、アヴェンジャーがバカみたいにつっ立って『黒』のライダーを逃がすはずもない。白い人形を引き連れるように走り出す。邪魔な木々をレイピアで刈り取りながら『黒』のライダー目掛けて魔力刃を襲わせる。

 

「チッ」

 

素早く動く的に当てるのは、アーチャークラスではないアヴェンジャーには難易度が高い。もとより彼は音楽家。使っているレイピアでさえ貴族の嗜み程度。いくら慟哭外装の補正があるとはいえ、根本的な技術は変わらない。

 

「逃がすか」

 

白い人形に援護させ、己は直接『黒』のライダーを討つしかあるまい。アクロバティックな動きはできないが、英霊となったことでのステータスで生前できなかったことは大抵できる。その証拠に、インドア派のアヴェンジャーは『黒』のライダーとの距離を少しづつだが縮めている。

白い人形の援護が役に立っている。単発式で狙いは荒いが、ないよりはマシ。

 

『黒』のライダー、続けてアヴェンジャーが森を抜ける。出た場所はユグドミレニア要塞がすぐ近くに見える場所。アヴェンジャーはとうとう敵の本丸まで到達した。

『黒』のライダーの白いマントが旗めきながら要塞へ入るのが見えた。ならば自分も追って殺さなければ。

殺す。その言葉を思った直後、アヴェンジャーの脳が殺意に埋め尽くされる。まだ正常に思考する部分は少しは残っているが、殺意が強すぎて話にならない。

 

「これは———!?」

 

アヴェンジャーが『黒』のライダーを殺そうと動き出した直後、大規模な地震が起こり、ユグドミレニア要塞周辺の地盤が砕け、まるで竜の顎のように大地が盛り上がった。

アヴェンジャーは目を細める。視線の先には銀剣を携えた剣士の英霊と、今まさに英雄を喰らおうとしている邪竜がいる。

 

「撤退か」

 

巻き込まれる前に退くべきだ。火の粉は降りかかれば払うが、降りかかる前に逃げるのが一番だ。

思っていたよりの労働に、英霊の身ながらも全身に筋肉痛のような症状に襲われるが、それは後々マスターに治させようと誓い、走りながら巻き込まれぬようにこの場をあとにした。

 

 

——————————————————————————

 

 

美しい 見渡す限りの財宝よ

 

それはファヴニルを、真の意味で人外へと変化させる自己改変の英称(ランケージ)。己の身体は人ではなく魔物、邪竜そのものなのだと証明させる。

 

父を殺して奪った宝石

真紅に濡れる金貨の山は

どうして此れほど艶めきながら心を捉えて離さぬのか

 

英雄よ、どこへ行く?貴様のやるべき事はなんだ?その鎧は何のために身に纏った?その剣は何のために携えた?貴様は民に求められし英雄なのだろう?魔物を撃ち払う勇者なのだろう?

その鎧は魔物から身を守るためにあるのだろう?その剣は魔物を討ち滅ぼすためにあるのだろう?

 

煌びやかな輝き以外

もはや瞳に映りもしない

誰にも渡さぬ 己のものだ

 

悪しき邪竜はここにいるぞ?人に害なす魔物は牙を研いで今か今かと血肉を待ち望んでいるぞ?英雄なのだろう?勇者なのだろう?ならばその手に持った剣を振るえ!邪竜の首を掲げて見せろ!

 

毒の吐息を吹き付けて 狂える竜は悦に浸る

その幸福ごと乾きを穿ち 鱗を切り裂く鋼の剣

 

悪意の祝福が天より授けられる。紡がれる悪意の祝福は、歪みに歪んだ英雄賛歌。自分こそが邪竜であると誇らしく叫び、己に滅びを与える英雄を、簒奪した財宝の上で待ち続ける。

 

巣穴に轟く断末魔

邪悪な魔性は露つゆと散り

英雄譚が幕開けた

 

富、名声、財宝、力試し。どんな理由でも構うものか。邪竜()を打ち滅ぼせる勇者よ、汝の欲のために、邪竜を討ち滅ぼし勇者となれよ。

 

恐れを知らぬ不死身の勇者よ

認めよう 貴様は人の至宝であり

我が黄金に他ならぬと

 

ファヴニル・ダインスレイフが変わっていく。外面は変わらない。いくら機械が肉体のほとんどを作っているとはいえ、全く別の生物へ変化したと『黒』のセイバーを錯覚させる。

 

壮麗な威光を前に溢れんばかりの欲望が朽ちた屍肉を蘇らせる

故に必ず喰らうのみ

誰にも渡さぬ 己のものだ

 

溢れんばかりの殺意が叩きつけられる。大地を砕き、空気を歪め降臨するは邪竜魔剣。叫びは天へ轟き、太陽すらも失墜させよう。

 

滅びと終わりを告げるべく

その背に魔剣を突き立てよう

 

詠唱が終わる。そして始まるは真なる邪竜戦記。英雄に滅ぼされた邪竜が、滅亡剣として変成し、英雄を滅ぼしてみせる、ファヴニル・ダインスレイフの物語(人生)

 

超新星(Metalnova)

———邪竜戦記、英雄殺しの滅亡剣(Sigurdbane Dainsleif)ゥ!!」

 

魔力とは違う、星の力が吹き荒れる。大地を征服した邪竜は星をも墜す叫びを上げる。

さぁ来るがいい英雄よ。正義を語るのならば、(邪竜)である己の屍の上で語るがいい!

 

「そら行くぜ!テメェの本気で受け止めてみろや!!」

 

ファヴニルが雄叫びを上げて鉤爪を振るう。銀色の軌跡を描いてソラを舞う。その速度は先程と比べて、明らかに速い。

『黒』のセイバーでさえも、完璧に目で追うことが出来なかった。気づけば、刃は目の前の存在していた。

 

「———ッ!!」

 

危機一髪。咄嗟に銀剣を刃に当てて軌道を逸らす。逸らされた刃はその曲がった形から、『黒』のセイバーの頬を掠る。

『黒』のセイバーは銀剣を持つ己の手を見る。残ったのは若干の痺れ。打ち合わせた時にも感じたが、目に見える形でパワーが上がっている。それだけではない。

 

(まさか、オレの宝具を打ち破るとは・・・)

 

先程掠った頬から、一滴の赤が流れ落ちる。それは紛れもなく血そのもの。これが指し示すのはファヴニルの攻撃が全てBランクを超えていること。そして『黒』のセイバーは防御に頼った戦闘が不可能となったこと。

 

「次行くぜェ!!」

 

「———なっ!?」

 

背後から大量の気配。横目で見れば大量の剣が、『黒』のセイバーの背中めがけて迫っている。一体どこから?その疑問は辺りを見回して解決された。

 

「・・・地面が」

 

抉れていた。何箇所も、無作為に。

まさかこの剣は大地から作られたものなのか?

 

「余所見してんなよ英雄ゥ!!」

 

正面からもファヴニルが迫る。背後からはもちろん、大地と平行に進軍する竜の牙の雨。拙い。あまりにも拙すぎる。ファヴニル本人には宝具が無効化され、背中が弱点の『黒』のセイバーでは現状、あまりにも分が悪すぎる。

前を捌いているうちに後ろもやられてしまう。

 

移動しながら剣を躱し、追ってくるファヴニルのみを迎撃する。ファヴニルがこの剣の元凶なのだ。消耗を抑えるために、ファヴニルを速やかに討つ!

 

「そら!」

 

ファヴニルの篭手剣(ジャマダハル)が大気を切り裂き『黒』のセイバーの右腕を捉える。疾走する獣の如く、一心に突貫する。

響くのは鋼の残響。火花を散らして疾走する。竜の牙は『黒』のセイバーの背中を喰いちぎろうと空を駆け、ファヴニルは正面から殺しにかかる。

 

「ヒハハ!」

 

「グゥっ・・・!」

 

ファヴニルの力が『黒』のセイバーを完全に上回っている。両手持ちの銀剣が、片手の篭手剣(ジャマダハル)に耐え切れない。そして出来た隙に牙が突き立てられようとする。

全力で身を捻り、銀剣を振るい風圧で吹き飛ばす。だがどれだけ減らしても、また新しく地面から生えでる牙の群れ。

 

「どうしたどうした!?まだまだ力を出せるだろう?こんなもんじゃねぇはずだ!英雄ならばこの程度のピンチ、本気出して乗り越えて見せやがれ!」

 

地面が急激に盛り上がる。それは津波の如く、大地が壁となって押し寄せてくる。背後、あと1kmほどの位置にはユグドミレニア要塞。二人の戦闘ならば数秒あればあそこまで到達し、そうなればユグドミレニア要塞はファヴニルの攻撃によって潰されるだろう。

 

「・・・!」

 

銀剣を持つ手に力が籠る。急速に魔力を循環させ、全てを銀剣へ通していく。使うは竜殺しの魔剣。外見は人であるファヴニルに竜特攻の効果が現れるかは分からない。そもそも大地の壁を貫通した先に、ファヴニルがいたかどうかも。

だがやらなければここで死んでしまう。

 

「邪悪なる龍は失墜し、世界は今洛陽に至る。

撃ち落とす、

 

 

———幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)!」

 

極光が放たれる。光は大地の壁を食い破り、蒸発させて破壊する。足場が悪く、最大出力が出せない。出したとしてもすぐに足場は崩れ落ち、大きな隙を作ってしまうことになる。ギリギリを見極めるのだ。宝具を撃ち続けられるギリギリの力で、壁を突破する。

 

「やるじゃねぇかジークフリートォ!」

 

食い破られた大地の壁からファヴニルが躍り出る。宝具を撃ち終えたばかりの『黒』のセイバーに、篭手剣(ジャマダハル)を振りかぶる。

 

「いい加減、少しは喋ったらどうだジークフリート!?」

 

竜爪を振るいながらファヴニルが笑う。『黒』のセイバーはやはり答えず。騎士として、サーヴァントとしてマスターの命令は絶対。それをどこまでも守っているのだ。

 

竜爪が『黒』のセイバーの肉を切り裂き、銀剣がファヴニルの鱗を切り落とす。少しでも気を抜けば互いの首は即座に切り落とされる一進一退の攻防。神経は秒で磨り減り、また互いの肉体も傷ついていく。

だがやはり、優勢なのは大地を支配下に置いたファヴニルだ。ファヴニルと相対するだけで削れていく神経を、さらに背後を常に警戒させ続け、撃ち合いの中で剣を射出させることで無理矢理『黒』のセイバーを動かす。

 

「ラァっ!」

 

「ガッ・・・!」

 

故に、均衡が崩れてファヴニルの方に傾くのは必然。篭手剣(ジャマダハル)が『黒』のセイバーの脇を切り裂き、鮮血が空を舞う。さらに抉るように突き出された竜爪。竜爪は一部の狂いなく、『黒』のセイバーの心臓めがけて放たれた。防御は間に合わない。瞬間、景色が切り替わった。視界から色がなくなり、単純なモノクロの世界へ変わる。この感覚を知っている。かつて邪竜ファーブニルと戦った時と同じ。何も覚えていないほど我武者羅に戦った時と同じ感覚。

痛みを無理矢理押し留めながら、切り返した銀剣で竜爪を弾く。続く邪竜の連撃を、傷ついた体から少量の血をまき散らしながら巧みにいなす。ファヴニルの攻撃は当たらない。当たらない。掠ることさえしない。『黒』のセイバーはかつてないほど洗練されている戦いをしていた。原因は生前では味わえなかった戦いという興奮。

 

「ウオオオオオオオオオオ!!!!!」

 

「ゴボッ———!」

 

初めて、『黒』のセイバーが雄叫びを上げて反撃する。竜爪をいなし、弾き、ファヴニルの胴体へ銀剣の柄を叩き込み、怯んだファヴニルへ追撃を仕掛ける。

背中にズブリと何かが刺さる。構うものかと剣を振るう。大上段で銀剣を振り上げ、隕石の如くたたき落とす。ファヴニルが咄嗟に篭手剣(ジャマダハル)でガードしていたが、受け止めると同時に骨が軋む。

轟音と共に砂塵を巻き起こして大地へ叩きつけられるファヴニル。『黒』のセイバーはすぐに背中に刺さった剣を抜く。ドロリとした血液が一斉に流れるが、パスを通じてゴルドが回復魔術を送ってくれている。

念話でゴルドから賞賛の声が届くが、『黒』のセイバーは構えを解かない。

砂塵が晴れると、そこには各所から流血している邪竜の姿が。

 

「ヒハ、ヒハハ!ヒハハハハハハハハハハハハハハハハ!やれば出来るじゃねぇかよジークフリート!そうだもっと出せ!テメェの本気をもっと俺にぶつけて来い!まだ足りねぇだろ?まだ本気を出したりねぇだろ?俺もだ!まだまだこんなもんじゃ足りねぇんだよ!だから———」

 

ファヴニルが跳び出す。予備動作なしで行われた一瞬のダッシュは、今の状態の『黒』のセイバーの懐に容易に飛び込んだ。

 

「なに・・・!?」

 

飛び退こうと足に力を込めるも、動かない。見れば地面が陥没し、『黒』のセイバーの足を捕らえている。抜け出すことは容易だが、そんなことをしていれば・・・。

さらに視界を広めれば『黒』のセイバーを囲む剣の群れ。今度こそ、トドメを刺そうと数百の剣が『黒』のセイバーに向けられている。

 

「簡単に死ぬんじゃねぇぞ、ジークフリートォ!!」

 

完全に動作が遅れた。まもファヴニルの篭手剣(ジャマダハル)は今度こそ『黒』のセイバーの喉を喰い千切り、英雄の背に滅亡剣を突き立てるだろう。運が良くとも剣の群れが『黒』のセイバーを逃がしてはくれない。

ここまでか。目を瞑り、諦めたように肩から力が抜ける。最初の脱落者になってしまうことに、どうしようもない後悔と、マスターであるゴルドへの罪悪感が押し寄せる。

 

『私のサーヴァントなのだろう!?私の騎士なのだろう!?ならば最後まで戦い抜け!そして私に勝利を献上して見せよ!』

 

念話を通じて、ゴルドが令呪を使ったのが聞こえる。力が抜けた体は再び再起し、動かぬ体が再び活動を始める。

 

「そうだ・・・俺は・・・『黒』に、マスターに勝利を捧げるのだ!!」

 

一喝し、地面を砕いてファヴニルを迎え撃つ。今更動いたところで、もう手遅れになるだろう。既に竜爪は『黒』のセイバーを掻き殺そうと迫っている。

だからどうした?何故これで諦める?俺はマスターへ勝利を、聖杯を捧げると誓ったのだ。ならばそれを果たすまで、負けることは許されん!

 

「いい覚悟だ、『黒』のセイバー」

 

一瞬の交差。無限にも及ぶであろう時間が始まる、英雄が勝つか、邪竜が勝つか。

その戦いは、両者が思わぬ形となった。

 

 

 

「そこまでである」

 

 

声と共に、地面から創造される血色の杭。杭は飛来する剣の群れを全て相殺し、重なり造られた杭はファヴニルの篭手剣(ジャマダハル)を寸前の所で止めている。

 

「蛮族である貴様が我が領地への侵攻。そして余の『黒』の将を討つことなど、我がいる限り認めはしない」

 

ザッ、と足音を立てて立っているのは『黒』の王にして、このルーマニアで最大の知名度補正を受ける護国の英雄。

 

「狂い哭くがい。貴様は余が串刺しにしてやろう」




よーやく詠唱/告白に入れた・・・。一方的な展開なのは許してください。
これでも本気出したんです・・・!

?「もっと努力すればいいだろう?目指すべき目標はあるのだから、そこに向かって努力を怠らなければいい」
(クソ眼鏡感

途中で脳内でこんなセリフが思い浮かんだ私はもう末期だ・・・
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