この鎮守府の提督はいろいろ規格外でした。   作:ペペロンチーノ伯爵

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第十八話『その勇気と意志』

……コンコンッ

 

「来たか、入れ」

 

用事を済ませ、執務室に戻っていた深創はノックの音に返答する。

 

「失礼するね、連れてきたよ提督」

 

「……………………」

 

これでもかと恐怖に身を震わせる夕立を支えている時雨がひとまずソファーに彼女を座らせる。

その隣に着いてきていた江風と追加の付き添いで来たのであろう神通がじっと俺を監視する。

 

「…………まあいい、夕立」

 

「ッッ!!!」

 

「っと……そう怯えるな、お前の首に付いてるソレを取り外すだけだ」

 

「…………っ」

 

「言っとくが、夕立の姉貴に変なことすんじゃねぇぜ?」

 

「…………」

 

江風の言葉を心の中で復唱しながら傍で見守る時雨に頷き、夕立の首輪に手を伸ばす。

 

「さて、どれ程の代物か……ん?」

 

「…………?」

 

「本当に憲兵が取り外せなかったのか?こんなお粗末な物を解除出来なかったと?」

 

「え……?」

 

深創は羽ペンと前に電からもらったヘアピンを手にものの数秒で首輪を簡単に外した。

 

「あ…………」

 

「……ふむ」

 

「は…外れた!姉貴の首輪が……外れた!!」

 

「やったね夕立、これで自由だよ」

 

「あ……ああ……やっと……これでやっと…………」

 

自分の首元を何度も擦る夕立を見ながら深創は背を向けて執務机に向かう。

 

「そうだ、これでお前は自由だ夕立、よかっー」

 

 

ー『オマエを殺してやる』ー

 

 

刹那、自分の全身を貫くほどの殺気と悪寒を感じた深創は瞬時に振り返った。

 

「ッ…………!?」

 

「夕立!!」

 

「ハアアアァァァァァァァァァァァア!!!」

 

夕立はその目を限界まで見開き、深創に飛び掛かって来た。

そして深創の左腕を掴んで思い切り振り回す。

 

(なんて力だ……!まるで抵抗出来ない!)

 

深創はまるで乱暴に扱われる人形の如く宙を舞い、机やソファーをなぎ倒して窓ガラスを突き破り二階の空に投げ出される。

 

「提督!!なにをしてるんだ夕立!!!」

 

「ダメだ時雨の姉貴!!今の夕立の姉貴に近づくのはやばいって!」

 

時雨は自分を押さつけようとする江風を受け流し、窓に近付く夕立を睨み付けながら駆け寄る。

 

「…………っ!!」

 

「夕立!!……っ?」

 

窓の外を覗いた瞬間、夕立の顔は唖然とした。

それを見た時雨も夕立へと向かう憤怒の歩みを止めた。

窓の外には身体にいくつものガラス片が突き刺さった憎き『提督』がゆっくりと起き上がり、折れた左腕をブラブラと下ろし、出血の激しい額を右手で押さえながら自分を見つめてこう言った。

 

「…………来い、夕立っ」

 

「ッッッーー!!!」

 

「あ、夕立!!待て!!」

 

時雨の怒号を無視して彼女は窓から飛び出してあの男の前に降り立つ。

殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる。

私の全てを奪ったこいつを……コイツらを!!。

 

「殺してやる……!」

 

「やってみろ、俺はお前の提督とは違う、掛かってこい」

 

夕立の激しい絶叫によって何人かの艦娘がゾロゾロと外に出てきた。

 

(二階から飛び降りて何ともないのか……艦娘の力なのか、夕立自身の力なのか……)

「…………来い」

 

「ウウゥ……アアア!!」

 

掴み掛かって来る夕立の手を躱し、左足を蹴り上げて転ばせる。

 

「……っ!」

 

深創は自身の異変に気付いた、へし折れた左腕がまだ再生されていない事に。

 

「何故だ…どうして再生しなー」

 

考える隙も与えられない、夕立の復帰は異常なほど早く、再生しない原因を突き止めている暇は無かった。

繰り出される拳は空気を圧迫して強烈な風圧を纏っており、まともに喰らえば腕や顔など簡単に弾け飛んでしまうだろう。

 

(これが艦娘の本気か……あれじゃまともに防御も受け流しもできん、砲弾を躱してる気分だ)

 

暴風の如く振り回される攻撃を避け続け、必ず出来る一瞬の隙を探し続ける。

だが、捕まってしまった、指先、拳を躱した際に遅れて動いた折れた左腕にぶらつく中指を。

 

「ぬ……っ!!」

 

「ツカマエタ……!!」

 

その音は低く、炸裂した。

夕立の左拳が深々と、空気を暴発させながら深創の腹部にねじ込まれる。

 

「…………ッッ…!」

 

肋骨は全て粉砕され、五体の臓器に突き刺さる。

内臓はめちゃくちゃに引き裂かれ、ズタズタになった腸と胃袋が串刺しになった肺に大量の出血を流し込む。

だが深創の目はまだその意志を失っていない、見えたのだ、夕立にはどうすることも出来ない隙が、唯一のチャンス、見出だせたそのチャンスを深創は見過ごさない。

 

「ッア……!?」

 

食い縛る歯の隙間から溢れんばかりの出血を噴き出しながら、憎悪に染まる夕立の眼を見たその時、深創の右目から蒼炎が燃え上がり、その帯を黄金の光が覆う。

夕立の右肩を鷲掴みにする腕も黒炎を纏い、夕立の『絶頂』を喰らい尽くす。

 

「ッッ…シッ!」

 

深創は夕立を支配している闇、絶頂の叫びを脳裏に響かせながら夕立の腹に膝蹴りを食らわせる。

 

「……死ぬなよ…夕立」

 

「っ…………?」

 

肩を掴む手を首に回して足を蹴り、コンクリートの地面に全身全霊を掛けた力で思い切りうなじから叩き付けた。

叩き付けられた夕立の身体はまるで損失を負っておらず、軽いたん瘤か打撲程度に済んでいた。

だが脳への振動はあったのか、眠るように気絶している。

 

「………………」

 

「ッッ…………提督!!」

 

「時雨っ」

 

「……?」

 

「夕立を医務室に運ぶ、悪いが鎮静剤とモル…痛み止めを用意してきてくれ」

 

「っ、何をいってるんだい!それよりも提督の怪我の手当てをー」

 

「早くしろ、今すぐだ。さあ行け」

 

「……っ!」

 

駆け出す時雨を、見ながら深創は夕立を肩に担ぐように持ち上げて鎮守府へと足を進める。

 

「……なんだ?見せ物じゃない、そこをどけ、部屋に戻って待機だ」

 

ゆっくりと、度々吐血する深創に道をあける艦娘達はただじっと己の提督の背中を見つめていた。

 

 

ー『医務室』ー

 

 

「……よし、これで大丈夫だろう」

 

夕立の手当てをしている間に深創の身体再生していたが、左腕はまだ折れたままだった。

 

「……提督」

 

「さて…次はこの腕だ」

 

時雨に微笑みながら深創は折れた腕を診察台に乗せ、じっくりと観察する。

 

「ん……再生しない理由はこれか……?」

 

折れた左腕の小さな切り傷には細かいガラス片が何本か刺さっていた。

それを全て引き抜いて見ると、小さな切り傷は瞬時に塞がり、骨格音を鳴らしながら腕は元に戻る。

つまり、深創の再生能力は完全万能という訳ではなく、損失箇所に固形物が混じっているとその能力が完全に停止してしまうということになる。

 

「なるほど、理由した。俺は執務室に戻るが……時雨、お前はどうする?」

 

「……提督、夕立は…どうするの?」

 

「ん?どうする…か」

 

時雨に背を向け、医務室の出入口のドアノブに手を掛けながら当然のように答える。

 

「それは彼女が決めることだが……此処にいるつもりなら戦場には出てもらう、まぁ、彼女が決めることだ」

 

そう言いながら扉を開けると、扉の外には小さく俯いた江風が目の前にいた。

 

「どうした江風?夕立なら中にいる。時雨もだ、入りたいなら入っていいぞ」

 

それだけ言って執務室に向かおうとする深創に彼女は声を掛ける。

 

「ま、まってくれ!」

 

「…………?」

 

無言のまま振り返る提督に私はしばらく声が出なかったが、勇気を振り絞って言ってみる。

 

「その…な、あの…姉貴こと…いろいろありがとうって…………」

 

「………あの子は、お前達は戦う為にそこにいる。その意味を、その使命を全うさせるためにあの首輪を外しただけだ」

 

「…………」

 

「それに、駆逐艦の本懐は戦闘だからな。誰かの身体を満足させるものじゃない、悪いがお前達にはすぐにでも働いてもらうぞ、『生き残る』準備だけはしておけ」

 

「っ!…………おう!」

 

江風は、提督と合う波長のような物を感じた、今までのけ者に、消耗品扱いされてきた駆逐艦という人生の中で。

ここなら、この男ならと思わせるような彼の雰囲気、佇まいや声に惹かれていく。

江風を残して執務室に戻った深創は時間を確認し、館内放送を掛ける。

 

「これより遅めの昼食に入る、全艦娘は今から食堂に集まって食事を採るように」

 

放送を切り、これからの事を考えていると、不意に扉の奥から何者かの気配を感じた。

 

「……誰だ?用があるなら入れ」

 

「…………ぽい」

 

「ん……夕立か?」

 

ゆっくりと、恐る恐る扉を開けて顔を覗かせたのは医務室で寝ていたはずの夕立だった、どうやら一人で来たようだ。

 

「身体の調子はどうだ?」

 

「っ……えっと」

 

「すまなかったな、いくら艦娘とはいえ痛かっただろ?」

 

「………………どうして?」

 

「どうして?なにがだ?」

 

本気で何の事か分からない様子の提督に少し同様しながら夕立は口を開く。

 

「夕立は提督さんに酷いこと……したっぽい」

 

「……あれは仕方ない事だろう、お前が受けてきた仕打ちを考えればな」

 

「………………」

 

「心配するな、お前に俺から干渉するつもりは無い」

 

「え……?」

 

「お前は任務さえこなしてくれればそれでいい。それくらい出来るだろう?」

 

「え……で、でも……」

 

「俺が……提督が憎いのだろう?なら話は終わりだ、無理してそこに立っている必要はない、安心して時雨達の所に行ってこい、俺は何もしない」

 

違う……そうじゃない。

夕立がここに来たのは……来たのは……。

 

「ありがとうって……」

 

「…………ん?」

 

「ありがとうって…………言いたくて……」

 

ようやく出て来てくれた言葉、ようやく伝えたかった言葉。

提督さんは少しだけ静かに沈黙すると、椅子から立ち上がって夕立の目の前までゆっくりと歩いて来た。

 

「っ…………」

 

もう怖くない、何故だろう、もう…………怖くない。

この提督さんの近くにいると、今まで我慢して背負ってきた何かがスーっと吸いとられるような、安心する。

 

「もう心配はいらない、ここに居る限りお前は安全だ」

 

提督さんの手が夕立の頭に添えられた。

今までのような強引で、怖い触り方じゃない、ただ純粋に誰かを、夕立を、安心させたいだけの撫で方。

大きくも、細くもない普通の手、暖かくもなければ冷たくもない、でも安心する。

全身が蕩けてしまうような安心感だけが提督さんの右手から感じられた、蕩ける、蕩ける…………好き。

 

「………提督さん」

 

「なんだ?」

 

「ご飯……行くっぽい」

 

「そうか、行ってこい」

 

「提督さんも一緒に行くっぽい!」

 

「一緒に……?良いのか?」

 

「ぽい!」

 

「…………そうか」

 

 

ー『食堂』ー

 

 

「……なにこれ?」

 

「えっと……バイキング?」

 

二人は食堂のキッチンに張られていた紙を見て顔を見合わせる。

 

「曙、潮、こっちこっち」

 

「むぅ?、ぼのたんは腹ペコ丸ですかな?」

 

「うっさい、ぼのたん言うな」

 

曙はどこか得意げな漣を適当にあしらいながら朧が確保してくれたテーブルに向かう。

 

「てか……あれなんなの?」

 

席に座った曙はキッチン全体を指差す、横に広く設営されたキッチンには業務用トレイに盛られた様々な種類の料理が勢揃いしていた。

そしてキッチンの両端の張り紙には『バイキング、好きなだけどうぞ』とだけ書いてある。

普通の人間ならバイキングと聞けば分かるだろうが、劣悪な環境に晒されていた彼女達はまともな食事を知らない。

 

「てか誰も動かないね」

 

「え、だってあれ提督のじゃないの?」

 

「いや、本当は漣達のだったりして」

 

「なにバカな事いってんのよ、そんな訳ー」

 

 

『ん…………なんだ?まだ食べてないのか?』

 

 

……は?

食堂の出入口を背にして座っていた私はその声に振り返る。

視線の先にある光景は異様で、さっきまで外でむちゃくちゃな事をしていた夕立がクソ野郎の左腕に絡み付いたまま食堂に入ってきた。

 

「あの夕立ちゃんが…なついてる…………?」

 

「はぁ!?そんな分けないでしょ!」

 

潮の一言で私は勢い良く立ち上がる。

きっと夕立は何かをダシにされて脅されてるだけに決まってる、そんなのは分かりきってる、許せない。

 

「ちょ、曙ちゃん!」

 

「ぼのたん!?」

 

「止めなよ曙!」

 

嫌、もう逃げない。

曙は仲間達の静止を振り切り、音一つしなかった食堂を高々と足音を鳴らしながら深創へと向かう。

 

「あれは……」

 

「曙っぽい?」

 

何か用か?そう深創が喋る隙もなく。

 

「あんた、夕立に何したのよ」

 

「……!」

 

「曙……?」

 

「私達を脅して従順にさせるのがそんなに楽しい?刃向かったら殴って、蹴って、棄てて、犯して、さぞかし楽しいんでしょうね!」

 

「っ!………?」

 

「……………………」

 

反論しようとする夕立を左腕を動かし人差し指を立てることで静かにさせる。

 

「そうやって余裕ぶって、何様のつもりよ!私達を戦争の道具だからって舐めてんじゃないわよ!」

 

 

なんなのよ……

 

 

「どうせ私達が何をされてたのか知ってるんでしょ?それを知ってて私達を嘲笑って!バカにして!使うだけ使ったら棄てる!?ふざけないで!!」

 

 

なんで……なんでコイツは…………

 

 

「ハッキリ言って上げる、あんたなんてクソ食らえよ!私はあんたになんて従わないから!!このクソ野郎!」

 

「……………………」

 

「ッッ…………」

 

曙は目の前の男に動揺していた、今までなら、もっと最初の方で胸ぐらを掴まれて『生意気な』と殴り飛ばされていただろう。

だが、深創は違った。

深創は曙の話を彼女から一切眼を逸らさず遮らずに全て聞いていた、彼女の訴えを、彼女の全てを聞いた。

そして……。

 

「……それで?」

 

「……え?」

 

「もう話は終わりか?それで全て吐いたのか?」

 

「え…え……」

 

深創は曙の眼をじっと見つめる。

憂いや迷いを感じない純粋無垢な綺麗な蒼の眼が曙の眼を逃さない。

 

「お前が俺をどう思おうが勝手だ…………これだけは言っておこう、俺には従わなくていい、だが任務には従ってもらう」

 

「……な?」

 

「俺の事は信じなくてもいい、嫌いでいい、憎ければいくらでも憎め、だがお前の仲間の為に力は貸してもらう」

 

深創は曙をしっかり見つめたまま冷徹に、冷静に言葉を放つ。

 

「正直、お前からの俺に対する評価などどうでもいい、必要なのはお前が無事であること、生き抜いてここに帰って来ることだ」

 

「…………っ」

 

「それと……」

 

深創は夕立を連れて曙を横切る途中で一言。

 

「俺は奴(前提督)とは違う」

 

それだけ言って食堂の奥に進んで行く深創に曙は振り返れず、言葉も出なかった。

 

「提督さん、お腹すいたっぽい……」

 

「ああ…ちょっと待っててくれ」

 

深創は夕立を腕に絡ませたままキッチンの前に立ち、咳払いをしてから皆に話始める。

 

「なぜ食べていないのか分からないが、今日の昼食はバイキング方式だ、多目に用意してある、好きに食べると良い」

 

「えっと……あの!」

 

曙の腕を引きながら潮が手を上げた。

 

「バイキングって……なんですか?」

 

「…………ああ……なるほど」

 

そうか、確かにそうだ、分かるわけがないか。

 

「バイキングと言うのは、ここに並んでいる料理を好きなだけ取って数のある限り好きなだけ食べる食事の方式の事だ、由来は色々あるがひとまず自由に食べてもいいと言う認識で大丈夫だ」

 

「好きなだけ……」

 

「自由に……」

 

「良いんですか……?」

 

「もちろんだ、その為に用意された物だからな」

 

と言ったはいいが未だに誰も動かない、何を気にしているかは分からないが何故か動かないのだ。

 

「……夕立」

 

「……?」

 

「そこに食器がある、コップや箸なんかは端の棚だ、食べられるだけ皿に盛って食べるといい」

 

「本当に?好きなだけ食べてもいいっぽい!?」

 

「ああ、お前が一番乗りだ」

 

「ぽい!」

 

夕立は全員の視線を浴びながら一人、大皿を片手に見回り、食堂に入った時から気になっていた初見のスパゲッティをこれでもかと山盛りに乗せる。

 

「ん、提督さん、これなーに?」

 

箸を手に取ろうとする夕立にフォークを手渡す。

 

「これはフォークだ、こうやってパスタを……ほら」

 

クルクルと巻き込んだナポリタンを夕立の口に運んでやる。

 

「あーん。んっ!美味しいっぽい!!ぽーい!」

 

よほど気に入ったのか夕立は口元にソースを塗りたくりながらナポリタンを頬一杯に詰め込む。

そんな夕立の幸せそうな顔に惹かれて駆逐艦の子達は少しずつその数を増やしながらバイキングに並んで物珍しそうに皿を手に取る。

 

「あまり慌てるなよ、今日一日は食事と休息の時間にする、何人か呼び出す事もあるかも知れないがそこはよろしく頼む」

 

もう大丈夫だろう、と颯爽と食堂から背を向けて歩き出す深創を夕立は見逃さなかった。

 

「……どうした?」

 

「提督さんも一緒に食べるっぽい!」

 

「いや……実はもう食べたんだ、お前らが休んでる間にな」

 

「……嘘っぽい、提督さんからそんな匂いはしないっぽい」

 

匂い…………。

 

「歯を磨いてー」

 

「歯磨きじゃ夕立は誤魔化せないっぽい!それに今までにそんな時間は無かったっぽい」

 

なかなか鋭いな……これは参った。

深創は軽いため息をして、夕立の頬を撫で始める。

 

「すまないな、悪いがまだやるべきことが残ってる。また今度だ、いいな?」

 

「むー……お仕事なら仕方ないっぽい、でもでも、夕立に嘘を付くのはやめてほしいっぽい!」

 

「…………そうだな」

 

聞き分けの良い夕立から手を離し、深創は再び歩き出して食堂を後にする。

深創が食堂を出ていってしばらくした後、艦娘達は必死に料理を食べ漁っていた。

おかわりの足を止める者はおらず、深創の予想どうりほとんどの容器が枯渇していく。

 

「美味しい……おいしいですね加賀さん……!」

 

「ええ……とっても……久しぶりに気分が高揚します」

 

「見てみて翔鶴姉!これすごく美味しいよ!何て言う食べ物かな?」

 

「七面鳥……しちめん……あ」

 

「何々?わかったの?」

 

「わ、分からないわ瑞鶴、ごめんね?」

 

「??。そっか」

 

久しぶり、というよりは初めての『食事』だった。

今まではただ生かされるためだけの『エサ』しか貰ったことがない彼女達にとって食事とはそれほどの価値があるのだ、中には泣き出す者もいる。

だがそれとは別に…これこそがエサを与える餌付けなのではと考える者も少なくはなかった。

 

「…………」

 

「……満潮?」

 

「……何よ朝潮?」

 

「その……全然食べてないわよ?」

 

満潮もその一人だった、調理出来る物を避け、加工されていない果物だけを食べ、わざわざ水道から汲んできた水を飲んでいた。

だが、それも深創は予想しており、手は打ってあった。

 

「ん……妖精さん?」

 

頬杖を付く満潮の手元に心配そうな顔をした妖精さんが現れた。

 

「どうしたのよ……大丈夫?」

 

満潮は指先で妖精さんの頭を撫でる、妖精は絶対的に艦娘の味方であり、それを理解していた満潮も妖精さんには普段通りに接することが出来る。

心配そうな妖精さんを見ていると横にいた霞がキッチンを指差して口を開いた。

 

「アレ、全部妖精さんが作ったのよ」

 

「……え?」

 

「よく考えてみなさいよ、あんな量を一日や二日で作れると思う?」

 

「…………そうなの?」

 

コクコク……!

 

「……そう、なんだ…」

 

満潮は必死に頷く妖精さんの顔を見ながらしばらく沈黙し、ぼそりと呟くように声を出す。

 

「………おすすめ」

 

「ん?」

 

「おすすめは……なによ?」

 

「はあ、取ってきてあげる、全くしょうがないったら」

 

「あっそ…………ありがと」

 

「はいはい」

 

霞は歩きながら満潮の手元にいる妖精さんに視線を向ける。

妖精はぺこりと頭を下げた。

 

(……次は無いから)

 

その日の昼は本当に食事と休息だけで終わってしまった、本当はいきなり出撃させられるのではという考えは無駄に消えた。

急激に空が暗くなってきた頃、ほとんどの用事と仕事を終えていた深創は最後の課題である明日の秘書艦決めに悩んでいた。

 

「ここは重要だな、霞や時雨でもいいが、この艦隊のシステムを一人でも詳しく理解しておいてほしいのだが誰にするか……」

 

視界内に表示される所属艦娘の一覧をスライドしながら考えていると、執務室の扉が開かれた。

 

「ん……?」

(考え込んで足音を聞いてなかった……誰だ?)

 

「……司令?」

 

なんだ……幼女?いや、彼女は……。

見覚えがあった、艦娘の一覧をスライドさせて写真と見比べ、名前と当てはめる。

 

「お前は……海防艦の対馬…か?」

 

「はぁい、択捉型海防艦…7番艦の対馬……です」

 

「…………そうか」

(ずいぶんのんびりした子だな……海防艦は何が出来るのだろうか、見たところ本格的に戦闘できるようなタイプでは無さそうだが……)

 

海防艦についても無知な深創はプロセッサーで調べようとするが。

 

(いや、せっかく本人がいるんだ、聞いた方が分かりやすいか)

「それで、何か用があるのか?」

 

「特には……ふふふ、司令の方こそ、知りたい事があるのでは……?」

 

「まぁ、そうだな……」

 

「ふふふ、ふふ」

 

対馬はここに来て深創の顔を見た時から彼の人情を見抜いた、そして興味が湧いた。

端から彼が他とは違うことに気が付き、惹かれていた対馬は執務室の中に入って何の躊躇なく椅子に座る深創の膝に乗っかる。

 

「……対馬?」

 

「ふふふ……怒らないんですか?」

 

「怒る?いや?」

 

「そう、ですか…ふふ」

 

なんだか不思議な雰囲気をしてるな……この子は。

対馬は深創が怒らない事を知っていた、優しいというより、少し常識が欠けている事を。

 

「ところで対馬、聞きたいんだが……」

 

「…なんですか?」

 

「お前は俺を、提督を憎んでないのか?そんなにフレンドリーに接して俺が怒らないという確証はないだろ?」

 

「ふふふ……そうですね。司令なら大丈夫だって…確信があったからです」

 

「それは……どうしてだ?」

 

対馬は思わせ振りな笑みを浮かべながら膝の上で左右に揺れる。

 

「対馬は色んな司令を見てきました、いろいろ怖いことも痛い事も見てきたしされました」

 

「なら尚更その司令に対する嫌悪やトラウマがあるはずだ、なぜ俺は大丈夫なんだ?」

 

深創の胸に背中を預けながら対馬は彼の核心を貫いた。

 

「司令には…光が無かったから……ですね」

 

「っ!」

 

「対馬が見てきた司令は光で一杯でした、やりたいこと、終わらせたい事がいっぱいいっぱいでした。だから歪んじゃう」

 

「………………」

 

「ですが……司令には光が見えなかったんです、でもなんだか安心するんです……不思議ですね…ふふふ」

 

「…………そうか、俺から光は見えないか」

 

「はい。ただ今日を生きるためだけに動いてる……いいえ、必死に足掻いてるように。抗ってるように見えるんです……」

 

「……そうだな」

 

対馬は位置を変えて深創に向かうように座り、深創を見上げる。

 

「なによりも……」

 

「…………?」

 

「それだけ必死になってるのに、司令は何も欲しくなさそうです」

 

「…………ああ、きっとそうなんだろう。俺は……ただ生きるだけで精一杯なんだ、ただこの今日を生き残る、それだけを考えて生きてきた」

 

「……対馬はきっと、司令のそういうところに惹かれていたんですね。とっても安心します」

 

「……そうなのか」

 

「はい……」

 

深創は自分を見上げる対馬に微笑み、彼女の名を呼んで一言。

 

「…対馬」

 

「はぁい?なんでしょう?」

 

「これからも、よろしく頼むぞ」

 

「……ふふふ。頑張りますね」

 

実にゆっくりのんびりとした返事の対馬は膝から降りて律儀に執務机の前に立って敬礼する。

その夜中、深創は対馬を部屋に帰らせ、鎮守府内の見回りをしていた。

 

(まだ内装に手を加えてないからな……防犯面も強化しなければ……)

「ふむ……ん?」

 

背後を抜ける一瞬の気配に振り返ったが、そこには暗闇が奥行きに広がるだけだった。

だが確かに感じた気配に深創が声を掛けようと口を開いたその瞬間。

 

「…………!」

 

「遅いな……」

 

振り返った深創の背中に立って何かを突き上げる何者かの攻撃を躱し、その動きを追って腕を掴んで突き飛ばす。

 

「………そうかお前か」

 

「ッッ……!」

 

突き飛ばされた事で大きく仰け反ったその顔は川内型の神通だった。

手にはキッチンから持ってきたフルーツナイフが握り締められ、冬の月明かりに煌めく眼光は殺気に満ち溢れていた。

 

「相手に気配を感じさせてからの不意打ちは見事だ、よく『理解してる』動きだ」

 

「…………」

 

「だが俺の背後に回ってから急所を狙っているようじゃ遅すぎる、分かるか?」

 

深創は左側の窓を開け、カーテンを冷風で靡かせる。

そして無言のまま冷や汗を流す神通にノーガードで悠々と歩み寄る。

互いの制空権がゼロにまで近付いたところで斬り込んできた彼女のフルーツナイフが握られた右手を受け流し、左足の爪先を踏みつけて動きを制限し、防御する左手が繰り出される前に神通の腹に渾身のボディブローを入れる。

ダメージなど皆無に等しい可能性が高いが、それでも彼女 の身体はくの字に折れ曲がってくれた。

 

「少し……外で話そう」

 

「……え?」

 

刹那、神通の身体は車輪のように回転して深創が開けていた窓の外に投げ出される。

二階から投げ出されたと言うのに受け身を取れず地面に激突した神通に致命的な傷一つ付いていなかった。

 

「やはり頑丈だな……艦娘とは」

 

深創も窓から外に飛び出し、完璧な受け身とローリングでなんとか着地のダメージを殺す。

 

「…………さて、話を聞こう、なぜ俺を狙う?」

 

「貴方が……提督なんて職についてしまったからです」

 

「そうか……なるほど、ふむ…」

 

ファイティングポーズを取り始める神通を眺めながらあることを確信した俺は両手を下に広げる。

 

「俺を……殺すのか?」

 

「……はい…殺します」

 

「勝てぬと分かっていてか?」

 

「っ……はい……!」

 

「そうか、なら……殺ってみろ」

 

私は駆け出した、目の前の男を殺すために。

皆を守るために、己の憎しみをぶつけるために。

殺す、殺す、殺す、ころー

 

「………………」

 

「ッ…………!!」

 

ナイフの刃先は深創の左胸の前で止まった、止められた訳じゃない、止まってしまったのだ。

 

「……どうした?」

 

「ッッッ……!」

 

身体中の震えが止まらない、手元が揺れるに揺れる。

今からこの人の命を奪う、この手はそのための手、なのに震える、動かない。

 

「…………手伝ってやろう」

 

「え……っ!!」

 

いきなり深創の両手が神通の右手を鷲掴みにする。

 

「な、なに……ッッ……!!」

 

「よく見てろ…」

 

逃げようとする神通を跪かせ、動きを封じて掴んだ手を振り払われないようにする。

全力で抵抗しているのに掴まれた手首は少しずつ提督の心臓部に近付く。

怖い怖い怖い怖い怖い怖い!やだ、やだ、殺したくない……憎い……怖い……嫌…。

 

「聞け神通……」

 

「っ…………?」

 

提督の力が弱く、緩くなった。

それと同時に私の力も一瞬だけ抜けて……。

 

「俺達は家族だ」

 

「…………あっ!?」

 

一瞬だった、フルーツナイフは提督の左胸にしっかりと突き刺さっており、提督はそれを確認してから私の手を離した。

 

「ここに来た時点で……俺にとってお前らは家族だ」

 

「あ……あ……え?」

 

腰が抜けたのか動けない神通を見下ろしながら深創は胸に刺さったフルーツナイフを引き抜く。

 

「こんなナイフじゃ刃身だけでは心臓には届かない」

 

「…………っ?」

 

「心臓を狙うなら確実な刃身の長い包丁がいいだろう」

 

「なにを…………言って……?」

 

フルーツナイフを神通の足元に投げ捨て、踵を返して鎮守府に歩き始める。

 

「いつでも俺を殺しに来い、どんな手を使ってでも仕留めてみろ」

 

「……は?」

「だが仲間に武器を向けるのは許さん、ましてや命を奪おうとしたその時には……俺がお前を殺す」

 

それだけを言い残して深創は神通を置いて見回りを再開した。

 

(神通……か。いいセンスをしてる、磨けばまだまだ伸びるな……仕方ない)

「少しだけ……教えてやるか」

 

 

ー『翌日』ー

 

 

早朝の朝日が昇り、海鳥の鳴き声が大きく波打つ海原に抵抗し始めた頃、神通の総員起こしが館内放送で響き渡る。

ハッキリと大きく繰り返される総員起こしに次々と艦娘達が眠気眼を擦りながらゆっくり起き上がる。

 

「よし、すまないが神通、これを第七駆逐隊の奴等まで頼む」

 

「はい、分かりました」

 

神通は秘書艦をしていた、部屋に置かれていた手紙で秘書艦任命の記載を見つけたからだ。

昨日、というよりたった数時間前に命を狙われた相手を秘書艦にするなどどうかしている。

そして、もともと勤勉で他人から何かを吸収する能力に長けていた神通は嫌でも目の前の男を観察してしまう。

 

「…………」

(手早い……見るからに優秀な人間であることが分かる手際の良さ、作成された書類や作戦概要欄も丁寧で分かりやすく、無駄な要素が一つもない……)

 

俺を狙うのは構わない、と深創は言っていたが神通には既にそんな気力は無い、何故なら、深創が言い放ったあの言葉が頭から離れないからだ。

 

『俺にとってお前達は家族だ』

 

神通にはその言葉が虚偽の空想であるとは思えなかった、だからこそ、確認する必要がある。

 

「提督、大本営からお手紙です」

(今日1日でこの提督からどれくらい吸収出来るか……)

 

「ああ、すまないな」

 

皆の顔を覚える為に朝の朝礼を行ってみたが、どうやら普通に従う者もいない訳では無いみたいだ。

そう、誰しもが深創を疑い、憎んではいなかった、気持ちと現状の切り替えが出来てる者もいれば、対馬のように深創の事を安全だと感づく者もいる、例えばー。

 

《司令官、失礼します!》

 

「朝潮か、入れ」

「は、第八駆逐隊、長距離遠征から無事帰還しました!」

 

執務室に入ってきた朝潮は見本のような敬礼の後に 報告書を提出してきた。

 

「ご苦労、ここに来てから初遠征…いきなりですまなかったな、よくやった」

 

「いえ、駆逐艦として当然の事をしたまでです」

 

「確かにそのとうりだ、だが己の役割を日常的に当然の如く全うするのは難しい」

 

見終わった報告書を神通に渡して深創は朝潮の敬礼を解かせ、ソファーに座るよう促す。

 

「それに色々と大変で張り詰めていた筈なのにも関わらずお前はしっかりと切り替えて役割をこなしてくれてる」

 

「いえ…そんな、恐れ多いです……」

 

「俺は評価に価する者にはそれなりの評価をする。お前はその評価に価する、本当に良くやってくれた朝潮、ありがとう」

 

「そ…そんなに……あの…その……失礼します!!」

 

朝潮は顔を真っ赤にしながら勢い良く執務室を飛び出していった。

 

「……神通」

 

「はい?」

 

「なにか不味かったろうか?」

 

「……褒めすぎ…ではないですか?」

 

「褒めすぎ?あれでか?足りないくらいだ」

 

そう、この人が他の提督と異なる点の一つがこれだ。

 

「彼女は前の提督に褒められた事はありません」

 

「……そうなのか?あれだけ優秀な人材はそう他にはいないぞ、どういう事だ?」

 

「長距離遠征などという簡単な任務は駆逐艦でも出来て当然、褒める理由にはならない、そういうことです」

 

「ふむ……彼女には申し訳ないが俺には朝潮が必要だ、これから何度も頼ることになるかもしれないな」

 

これだ、提督には通常の常識が無い、簡単に艦娘を家族だと言い放ち、簡単に褒めて、堅苦しい接し方はしない。

「そうですか……そうですね」

 

この時、朝潮は執務室の外に出てから一歩も動いてなかった。

そしてあの一連の話を全て聞いていた。

 

(司令官は……本当に朝潮の事を必要だと思ってくれていたのですね……)

 

初めてだった、あんなには優しい言葉は、あんなに嬉しい言葉は、ありがとうって、よくやったって、まっすぐ正直に、なにも隠さず褒めてくれた。

自分が必要だと、言ってくれた。

 

(もっと鍛練を積んで、司令官のお役に立たないと…!そうすれば、神通さんみたいに、司令官のお側に…て私は何を考えているの!?ダメよ、駆逐艦が司令官の秘書艦なんて今さら勤まるわけない……わよね)

 

部屋に戻って専属の妖精さんに艤装の補給と整備をお願いしていると、後から霞が入ってきた。

昨日、霞は食堂で私達と食事をとってからはずっと個人用の部屋にいたからここに来たのは多分初めてのはず。

 

「霞……?」

 

「朝潮……帰ってたのね、お疲れ様」

 

「ええ……」

 

「…………なによ浮かない顔して。どうしたのよ?」

 

「ええと……その……」

 

朝潮は自分達が来る前に着任していた霞にさっきの事を全て話した、出来るだけ姉妹達には隠し事はしたくない、笑われたとしても。

 

「ふーん……そうなのね……」

 

「ええ……それで、その…出来ることなら、私も司令官のお側に、秘書艦になれたらいいな……とか思ったりー」

 

「なれると思うわよ、簡単に」

 

「……え?」

 

霞の返答に開いた口が塞がらない。

 

「多分言えば秘書艦くらいやらせてくれるわよ、もう今日は非番でしょ?いまからお願いしてきたら?」

 

「え、いや……いきなり今からはご迷惑がー」

 

「なに言ってんのよ、ほら、私も一緒に行ってあげるから来なさいよ」

 

「ちょ、ちょっと霞!?」

 

 

ー『執務室』ー

 

深創は首を傾げる。

 

「……秘書艦に?」

 

「ええそう、朝潮があんたの秘書艦をやりたいって」

 

「霞、司令官にそんな失礼な……あ、あの!ご迷惑をお掛けして申し訳」

 

「俺は別に構わないが?」

 

「…………ふえ?」

 

「秘書艦だろ?明日からで良ければ構わないぞ」

 

「……ほらね?」

 

「……い、良いのでしょうか…?本当に朝潮で?」

 

「ああ、むしろ秘書艦をやってくれるのは助かる」

 

無表情のまま申し訳なさそうな声で話す司令官を見ながら私は今にも飛び上がりそうな気持ちを押さえながら背中と顔を下げた。

 

「よ、よろしくお願いいたします!この朝潮!命に替えても司令官のお側に……は!」

(な、なんだかとんでもないことを言ってる気がします)

 

「そう固くなるな朝潮、こちらこそよろしく頼むぞ」

 

「…はい!司令官!」

 

朝潮は確信した、この司令官が何を考えているのかは分からない、だが今までとは決定的に違う何かを持っているということに。

満足げに敬礼して執務室を出ていく朝潮を見送り、足音が遠ざかっていくのを確認すると深創は呟いた。

 

「秘書艦の件なんだが……」

 

「はい?」

 

「……なに?」

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