この鎮守府の提督はいろいろ規格外でした。   作:ペペロンチーノ伯爵

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ムズいわ!文章化するのってこんなに難しいんやねって。
これは厳しい戦いになりそうです(;´д⊂)泣


第三話『艦娘の心・そして異変』

寒さが一向に抜けない早朝の7時頃、朝雲の総員起こしが艦娘寮に響き渡る。

 

「んっ……」

 

「おはよう夕立」

 

「時雨……起きるの早過ぎるっぽい~」

 

モッサリと山を作ったボサボサの髪を振りまきながら夕立が布団からムクリと起きる。

それが合図のように次々と白露型の皆が起き上がる、ネームシップを除いて。

 

「ほら、白露姉さん。起きなきゃだめだよ」

 

「いやぁ……寒いぃ」

 

「今日は夕立と演習っぽい!白露、起きるっぽい!」

 

「うぅぅ、お姉ちゃんの言うことを聞けない妹を持ってガッカリだよぉ」

 

「だらしないお姉ちゃんを持って村雨は悲しいわ」

 

そんな事を言いながら身だしなみを整え、村雨は今日のスケジュール表を確認する。

 

「今日もわたしは非番ね……」

 

「仕方ないさ、213人もいるなら戦力は足りてるだろうし、第四艦隊までしか編成出来ないからね」

 

「こうなったら新しく第五艦隊を作るっぽい!」

 

「それが出来たらとっくにやってるよ」

 

髪飾りを付け、綺麗に三つ編みを整えてスカートをはたいて姿鏡の前に立つ。

うん、いつも通りだ、これなら大丈夫かな。

 

「時雨ぇー。夕立の髪やってほしいっぽ~い」

 

「うわ、凄いことになってるよこれ……村雨、その霧吹き貸して」

 

「はいはーい」

 

「たくだらしねぇな夕立の姉貴はよ」

 

「江風だけには言われなくないっぽい」

 

「ちょっと江風……動かないで」

 

「ああ、もうまた跳ねちゃった」

 

夕立の数倍は暴れまくっている江風の赤髪を海風と山風が二人がかりで解かしていた。

 

「村雨~お姉ちゃんの髪ー」

 

「白露姉さんは自分で出来るでしょ」

 

「うう……」

 

面倒くさがる姉を簡単に見捨てる村雨は口荒れ対策に色付きリップを塗り、鏡に自分の口元を映す。

お洒落は女の嗜み、だがもちろんそれを発揮させる相手は提督しかいない。

 

「そういえば今日の秘書艦は朝雲ちゃんなのね」

 

「そうだね、ずっとやりたかったみたいだから当たりクジをあげたんだ」

 

「あら?時雨姉さんが秘書艦を渡すなんて珍しいですね」

 

「まあね、でも毎回負けてるから1回くらいはあげようと思ったのさ」

 

「まあ朝雲ちゃん59だからね」

 

「具体的な数字は出さないであげてよ、僕だって運は………いやなんでも無い」

 

「時雨は80オーバーっぽい!」

 

「分けてあげたいよ全く」

 

~『執務室』~

 

「んっくしゅん!!」

 

「どうした朝雲、風邪か?」

 

「ううん大丈夫、ほら。さっさと仕事仕事!」

 

「もう終わらしてるが?」

 

「へ?」

 

あたしが秘書艦として執務室に来る前に司令はもうだいたいの書類は終わらせていたらしい。

毎回毎回クジ引きの時は必ずと言っていいほど幸運艦が数人絡んできて運と言う名の物量差で押し負けてしまうのだが、今回は時雨に当たりクジをもらった事で秘書艦の役目をもらっていた。

 

(せっかくの秘書艦なのに私なんにも役に立ってないじゃないのよ!)

「ねえ司令、あたしの仕事ってある?」

 

「ん?重要書類も終わらせたし、お前の分の書類は来る前に済ませてしまったからな。特に無いな」

 

「そう………ならいいの。なんだが癪だなって思っただけだから」

 

「ふむ。なら朝雲、お茶を淹れてくれないか?」

 

「!!。分かった、今淹れるね!」

 

そうよ!司令の仕事だけじゃなくて身の回りのお世話とかも秘書艦の役目よ。

給仕室の中で粉末状の茶葉を湯呑みに入れて最近司令が買ってきたティファールのボタンをカチッと押しながら考える。

 

(それにしても不覚だったわ。話によれば夕雲さんなんて4時くらいには執務室にいるらしいし、霧島さんは司令の思考を先読みできるとか……)

 

ここの艦娘は皆司令に好意を示している、それもLikeではなくLove。

夕雲さんや如月、荒潮みたいにズバッと愛を伝えられる積極的な娘もいれば、曙とか霞、満潮みたいにツンケンしちゃう娘もいる。

 

「はい、どうぞ」

 

「ありがとう朝雲、いただくよ」

 

「………どう?」

 

「美味い。さすがだな朝雲」

 

そう、この顔。

優しく本当に美味しいと感じてくれてるこの顔が好き、もちろんそれだけじゃないけれど。

わたしは司令が大好き、でも司令は気付いてくれない。

何かを吸収し、知ろうとはしてくれるけど、この気持ちに気付いてくれた事は一度も無い。

 

「それで?このあとはどうするの?」

 

「そうだな東京急行に出撃している艦隊をローテーションするための編成をー」

 

その時、執務室に備え付けてあった海軍外線電話が鳴り響く。

司令は湯呑みを置き、あたしの頭を少し撫でてから受話器を握る。

 

「俺だ………ああ、次の演習はまだ決めてないが?そちらと?分かった。スケジュールを合わせよう、また後日」

 

受話器を置き、軍支給のPCを開くのを見て朝雲が口を開く。

 

「また演習願いが来たの?」

 

「ああ、次は佐世保の知人だ」

 

「知ってる人なんだ」

 

「そうだな、彼女とは数ヶ月前に知り合ったばかりでな」

 

(彼女……?女?)

 

一瞬、朝雲の目のハイライトが点滅し始め、深創の右手を艦娘本来の力で握り締める。

 

「お、おい朝雲?ミシミシ鳴ってるからな?離してくれ」

 

「ねえ司令、その人とはどんな関係なの?」

 

「関係も何も、軍会議やレイテで世話になっただけだ、ほらあの時友軍に来てくれた西村艦隊。あれは彼女の艦娘だったから飲み仲間くらいの付き合いってだけ」

 

その言葉を聞いた途端に朝雲のハイライトが戻り、既に握り潰されてる右手を離してくれた。

 

「………関節が割れとる」

 

「ふんっ」

 

何で怒ってるんだ?やはり女性を理解するのは難しいな、俺には難易度が高すぎる。

そんな事を考えている内に深創の粉砕された右手は甲骨音をならしながら元に戻った。

不機嫌になりながらソファに座る朝雲を余所目に執務椅子に座り、タブレットから所属艦娘のリストを開く。

 

「もうそろそろ5月に入ると言うのにまだ雪が止まない…うーむ」

 

「原因はまだ分かってないらしいけど大本営からは?」

 

「大本営も頭を抱えてる状態だ、俺にも分からない」

 

レイテの地獄が終わってから降り続けている雪は雨の時以外止んだ事が無い、もちろん自然現象の可能性もあるが深海棲艦の仕業という可能性も捨てきれない。

そしてふと時計を見てみると、既にマルキュウマルマルを過ぎていた。

 

「もう9時だな、食堂にいこう朝雲」

 

「そうね、今なら食堂も空いてるだろうし。行きましょ」

 

考えすぎか…?いや、何か異変が起きる気がする。




うん、こりゃあ黒歴史確定ですわ
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