仮面ライダー電王LYRICAL StrikerS Vol.1 Spring Party   作:(MINA)

27 / 37
随分とご無沙汰してしまい、申し訳ございません。

亀更新ではありますが、少しずつ投稿していきたいと思います。



第二十七話 「機動六課 海鳴へ③~恐怖の白い糸~」

「にゃあ」

鈴の首輪をつけた飼い猫が能天気に鳴いていた。

中庭にいる飼い猫は一匹ではない。

『猫屋敷』と呼ばれてもおかしくないくらいにウロウロしまわっていた。

猫好きには『天国』と呼べる場所であり、猫嫌いもしくは猫アレルギーを患っている者には『地獄』としか言いようがない場所だ。

汽笛の音が猫達の耳に入ると、先程の能天気な鳴き声とは違って慌てふためくように散らばっていった。

「どうしたの?」

豪邸に住んでいる月村すずかが猫達の鳴き声の原因を探るべく、中庭に出ていた。

最近飼ったばかりの子猫が怯えた表情ですずかに寄ってきた。

「大丈夫だからね。安心していいよ」

「にゃあ」

すずかが不安を取り除く台詞を述べると、子猫は理解したのか安心した表情になって足元に止まっていた。

線路が敷設されて、二両編成の『時の列車』---ゼロライナーが停車した。

ドアが開く。

「ああ~。ごめんなぁニャンコ達」

降車しながら八神はやてが猫達に謝罪した。

「ごめんなさい。驚かすつもりはなかったのよ」

続いてシャマルが降車しながら同じように猫達に謝罪する。

「はやてちゃん!」

すずかがはやてのそばまで寄る。

「すずかちゃん!お久しぶりや。元気やった?」

二人は手を取り合って、親交を温める。

「うん。元気元気♪」

すずかは、はやての両手を握ったままぶんぶんと振る。

「そうみたいやねぇぇぇ」

あまり身体能力が優れている方ではないはやてにはすずかのパワーに振り回されかける。

「メールやニャンコ達の写真、ほんまにありがとうな」

はやてにとって、それらは『癒し』であり彼女が管理局で働くための『動力』にもなっていた。

「こいつが世話になってるみたいだな」

桜井侑斗がはやての頭を右手でポンと掴んでから頭を下げた。

「桜井さん。お久しぶりです。デネブさんも」

「月村も高町やテスタロッサみたいに大きくなった」

「はい!」

デネブの妙な褒め言葉にすずかは元気よく返した。

「シグナムさん、ヴィータちゃんもお久しぶりです」

「ご無沙汰しています」

「お久しぶりです」

すずかの言葉に礼儀正しく返す。

シグナムは、はやてに対して普段から使っているがヴィータはほとんどタメ口で言っているためどこか不自然だった。

「すずかちゃん。ますます美人さんになって」

シャマルがどこか親戚のオバサンみたいな台詞を言う。

「あ、ありがとうございます」

そのように言われると、すずかとしてはこのように返すしかなかった。

「お仕事だからあまりゆっくりできないんだよね?」

「そうなんよ。まあ失くし物捜しなんやけどね」

すずかの表情が沈み、はやてとしてもこればっかりはどうしようもないとしか言えない。

「頑張って。時間あるようならご飯とか一緒に食べよう」

「ええねぇ」

すずかの申し出にはやては笑顔になる。

「八神。そろそろ俺達は行くぞ」

「なるべく早く戻るから」

中庭にいた侑斗とデネブはゼロライナーに乗車していた。

「うん。気つけてな」

はやての言葉に、侑斗とデネブは首を縦に振った。

ドアが閉まり、ゼロライナーは汽笛を鳴らす。

その音で寛いでいた猫達はまたすばやく移動していた。

線路を空へと敷設しながら、ゼロライナーは走り出した。

 

 

 

自然が生い茂っている湖畔から場所は変わる。

隊長二人にフォワード陣にリインとイマジンを除くチームデンライナーは海鳴市の街中にいた。

「じゃあ、改めて今回の任務を簡単に説明するよ」

高町なのはが歩きながら口を開いた。

街中といっても、歩道のど真ん中で歩を止めていたら後続の者達に迷惑をかけるのは確実だ。

そのため、現在はビルの裏の広場で説明が行われていた。

もちろん服装は全員私服だ。

隊士服は海鳴では目立つし、浮いてしまう。

ミッドチルダでは隊士服で行動したからといっても、「管理局の人だ」で挨拶もしてくれるだろうがここはその時空管理局の存在そのものが認知されていない地球だ。

そんな服装をした人間が割とそこそこな人数で行動などすれば『怪しい』と思うのが自然だろう。

任務のために赴いているのに、現地の公務員(この場合は警察)に事情聴取なんて笑い話にしかならない。

なのははタッチパネルモニターを展開させる。

「捜索地域はここ。海鳴市の市内全域で反応があったのはこことこことここ……」

人差し指でタッチする部分が点滅していた。

「移動してますね」

ティアナ・ランスターが呟く。

「そう。誰かが持っているのか独立しているのかまではわからないけど……」

フェイト・T・ハラオウンが対象物へのコメントを漏らす。

「対象ロストロギアの危険性は今のところは確認されてない」

「仮にレリックだったとしても、地球は魔力保有者が滅多にいないから暴走の危険はかなり薄いね」

隊長二人の言葉を他の面々は真剣に聞いている。

「とはいえ相手はロストロギア。何が起こるかわからないし、場所も市街地。油断せずにしっかり捜索していこう」

「では副隊長達も後で合流してもらうので」

「先行して出発しよう!」

 

 

はい!!

 

 

隊長二人が締めくくり、フォワード陣は返事した。

「質問」

コハナが挙手をした。

「どうぞ。ハナさん」

「イマジンがそのロストロギアを狙っている可能性は?」

ミッドチルダで棲息しているイマジンに出くわしたのは二回しかないが、十分にあり得る可能性だとコハナは思っている。

はぐれイマジンだとしたら自らの意思で、契約者持ちのイマジンなら履行としてだ。

「あり得ないとは、言い切れませんね」

イマジンの中でも知恵のまわるタイプはロストロギアの価値を理解している可能性はあり得る。

現にRネガタロス(第二部参照)は『闇の書』を用いて、電王への復讐を果たそうとしていたのだから。

イマジンにロストロギアを持たせるという事は『鬼に金棒』状態だ。

そうなってしまうと、隊長達総出とはいえ苦しい戦いになるのは必須だ。

「良太郎。地元の人達から聞き込みして特定ってできる?」

フェイトはイマジン探索のエキスパートである野上良太郎に訊ねる。

「難しいね……」

実害がない状態で海鳴市にイマジンが潜伏しているか、契約関係を結んでいるかを探すのは自分では難しい。

ここにはいないがモモタロスがいれば随分と楽になるのは間違いない。

「ロストロギアとイマジン捜し。どちらも難しい探し物よね」

コハナの呟きに、良太郎、フェイト、なのはは腕を組んで首を縦に振った。

 

 

 

 

 

「く、来るな!化け物ぉぉぉぉ!!」

平日の海鳴市では、自然と人数が少なくなる場所も存在する。

例えばサッカーゴールが常に設置されている河川敷。

現在、蜘蛛の姿をしている怪人に追い掛け回されているこのサラリーマン。

正確にはスーツを着用しているだけの無職男だ。

本日、就職面接があったのだが好感触を得られなかったらしく家に帰っても家族に肩身の狭い嫌味を言われそうなのでこの河川敷で時間を潰していたのだ。

息を乱しながら、必死で両腕両脚を駆使して走る。

彼は既に本日の面接の事など頭の中になかった。

何故なら今自分が直面している事はそんな事よりもずっと大事なものを守るためだと本能で知っているからだ。

(殺される!捕まったら絶対に殺される!!)

後ろを振り向くこともしない。

振り向いたらその時点で何かが終わるような気がしてならない。

迫ってくる足音は耳には入ってこない。

「逃げ切れた」と考えてしまい、動かしていた身体全身を急速に停める。

両肩を揺らしながら、息を乱し、直立姿勢が苦痛になっているため両手で膝を押さえてやや前傾になる。

「やった……。逃げ切ったぞ……」

男は安堵の息を漏らした。

スーツの肩に何かがふわりと乗っかった。

白い糸の様なものだ。

これが綿菓子ではないことだけはすぐにわかった。

手にしてみると、綿菓子のような甘い匂いや特有の粘つきがなかった。

自分を追いかけてきた化け物が何をモチーフにしていたかを思い出す。

白い糸は上から落ちてきた。

恐る恐る頭上を見上げる。

四体の化け物が橋の上にいた。

白い糸を広げており、そこにはグルグル巻きになって糸にベッタリと貼り付かれている数人がいた。

化け物の一体が、スーッとこちらに向かって降りてくる。

男は本能的に悟った。

 

 

「ああ、自分はもう助からないのだ」と。

 

 

 

 

「中距離探査はリイン。お願いね」

「お任せですぅ」

なのはがリインに指示を出す。

実をいうと、一瞬宙を見てリインを捉えようとしたというのは本人だけの秘密である。

「クロスミラージュにも簡易版の探索魔法をセットしてあるから、そっちとこっちの二人ずつで離れて歩こう」

「後は市内の各地にサーチャーとセンサーを設置。作業としてはそんな感じなんだけど、良太郎とハナに注意するけどこのサーチャーとセンサーにはイマジンは対応してないんだ」

なのはが指示を続け、フェイトが良太郎とコハナに釘を刺した。

「それってやっぱりモモタロス達も捉えちゃうから、だよね」

「うん」

良太郎の言葉にフェイトは首を縦に振る。

「隊長」

その場に今までいなかった人物の声が響いた。

「すまんな。遅くなった」

別行動をとっていたシグナムが現れた。

「シグナムさん。これから始まるところですよ」

「そうか」

良太郎の言葉にシグナムは安堵の息を漏らす。

『ロングアーチも準備完了やで』

『あたしも設置と探索をしながらスターズに合流する』

宙に二つのモニターが出現して映し出されているのは、はやてとヴィータだ。

 

 

『ほんなら機動六課出張任務、ロストロギア探索。任務開始や!』

 

 

モニターに映っているはやてが部隊長らしく右手を前に突き出した。

 

 

了解!!

 

 

と全員が返事した。

 

 

 

スターズとリインとコハナはライトニングと良太郎とは違う方角へと探索を開始していた。

「リイン、久しぶりの海鳴の街はどう?」

「ふう~。懐かしいですぅ」

リインは深呼吸をしながら懐かしい街の空気を味わっていた。

文明が優れているミッドチルダと比べると、海鳴市が辺境の地に感じるのは当然かもしれない。

「なのはさんはどうですか?」

リインは懐かしい空気を一通り感じ終えると、海鳴生まれであるなのはに訊ねた。

「私は懐かしいというより、あれ?仕事中なのに帰ってきちゃったって感じかなぁ」

「なのはちゃん。ワーカホリックになってるわよ」

なのはの感想にリインが声を出して笑い、コハナはツッコミを入れた。

「ミッドの田舎あたりと大差ないわよね。街並みも人の服装とかも……」

ティアナが探索を怠ることなく、周囲を見回しながら感想を述べる。

「うん。私は好きだなぁ。こういう感じ」

スバル・ナカジマも任務は怠っていないが、ティアナよりは海鳴の空気に浸かっていた。

「まあ、そうよねぇ。何かのんびりしてる感じだし」

喧騒な都市で生活では、こういう田舎のゆったりとした空気を味わう事は到底できない事にティアナは同意した。

「ティア、アレってアイスクリーム屋かなぁ?」

「そうかもって、やめなさいよ。任務中に買い食いなんて……」

店へと足を向けようとしてたスバルをティアナが睨みと注意で押さえた。

思ったよりも順応している二人を見て、なのはは笑みを浮かべながらも探索を続行した。

 

 

海鳴の空は青く、所々に白色の雲が泳いでいた。

飛行機はもちろんヘリコプターも飛行しておらず、貸し切り状態といってもおかしくはなかった。

「そーいやずいぶん久しぶりだなー。海鳴の空を飛ぶのって」

ヴィータは一人で飛んでいる事を幸いに、口を開いて呟いた。

十年前、初めて海鳴の空を飛んだ時にはこのような感慨にふけるようなことはなかった。

あの頃は主であるはやてを救う事を最優先としていたため、他の事に目もくれる余裕はなかった。

時空管理局に身を置くようになってからは他の次元世界の空を飛ぶことはあっても、海鳴の空を飛ぶ機会は得られなくなったのも確かだ。

「仕事でなきゃ飛べないってのも不便だよな~」

管理局員である以上、自分の力で空を飛ぶにも何かと面倒な手続きを踏まなければならない。

「ま、いっか。さてと仕事すっかな」

ヴィータの表情が仕事モードへと切り替わる。

「なのは隊長。あたしはロングアーチの直接指示で動いてるからな。上空からのセンサー散布だ」

サーチャーを海鳴の青空へと散布していく。

『了解。ヴィータ副隊長』

念話の回線を開き、なのはが自分の報告を了承した。

『リインも手伝わなくて平気です?』

更にリインも入り込んで、単独行動で不安がる。

「平気だ。リインはなのはを手伝ってやんな。お前の探査魔法は優秀だかんな」

リインの申し出をヴィータはやんわりと断る。

『はいです。ヴィータちゃん』

『それじゃあお願いね』

リインとなのはは念話の回線を閉じた。

「おう!」

短く答えてからヴィータはさらに作業を続行した。

 

 

湖畔のコテージでははやてとシャマルが自分達の役割を果たしていた。

「サーチャー動作確認。順調です」

シャマルがタッチパネルモニターに触れて、ヴィータが散布したサーチャーの動作を確認していた。

「うん。これなら夜までには進むなぁ」

シャマルの後ろから、はやては凡その見当をつけた。

「はい」

シャマルもその見当は間違っていないと判断して返事した。

「侑斗さんとデネブちゃんもそろそろ着いた頃やろなぁ」

「そうですねぇ」

ここにはいない一人と一体の所在も予想する。

 

 

 

良太郎とライトニング部隊は探索を進めていた。

といっても、大した収穫は得られていないというのが現実だ。

「遺失物探しは根気が必要だが、手がかり一つなしとなると時間がかかるな」

も予め形がハッキリわかっている物を探す事はさほどの苦にはならないが、今回のようにヒントが『ロストロギア』だけとなると雲をつかむ行為に等しい。

「そうですね。でも怪人がロストロギアに関して知識を持っていたとしたら急がないといけません」

フェイトも時間がかかるという点には同意するが、そう悠長に構えていられないとも考えていた。

「そうだな。怪人は我々の常識などなんのそのでやらかしてくれるからな」

シグナムもフェイトの言葉に首を縦に振る。

しばらく無言で探索をしていると、人だかりを発見した。

「キュクー」

さすがに海鳴市ではフリードリヒを自由に飛ばすわけにはいかないので、鳥籠の中に入れてある。

「どうしたの?フリード」

キャロ・ル・ルシエが窮屈な中で訴えているフリードリヒの向いている視線に顔を向ける。

「赤い光がクルクル回ってる。何だろ?」

エリオ・モンディアルが人だかりの中で光っている赤い光に疑問を持っていた。

「赤い光?ああパトカーのランプだね」

良太郎がエリオの疑問に答えると同時に、何が起こっているのかが気になり始めた。

「「パトカー?」」

聞き慣れない言葉にエリオとキャロは声を揃えて、首を傾げた。

「あの白と黒のツートンカラーの車は見える?」

「あ、はい。見えます」

「何だかパンダみたいですね」

「ミッドチルダにもパンダっているの?」

「前にフェイトさんに買ってもらった動物図鑑に載っていたんです」

キャロは良太郎の質問に首を横に振ってから、パンダを知っている理由を答えた。

「へえ」

「僕にはF-1という自動車のレースの映像ディスクを買ってくれたんですよ。車があんなに速いのにミスなく動いて競い合っているのが凄くて凄くて!」

「F-1というより、ハイスピードの中を自在に駆ける事にエリオは関心があるんだね」

「はい!僕もあんな風に速く動けるようになりたいって思ってしまうんです」

魔法を用いているエリオならその目標は適っているのだろうとぼんやりと良太郎は考えるが、恐らくエリオの目標ははるか先なのだろうと考えて軽はずみなことは言わない。

「良太郎さん。パトカーって何ですか?」

キャロの一言で、良太郎は脱線から戻る。

「ええとね、地球の警察っていう組織の人達が乗っている乗り物の事だよ」

「あの、ケイサツというのは時空管理局のようなものでしょうか?」

「そうだね。そう捉えてても問題ないと思うよ。僕も管理局に関してはそんな感じで認識してるし」

「あ、そうなんですか」

仲間がいる事でキャロは安堵の表情を浮かべた。

「二人と会話してるところ申し訳ないけど、良太郎。あの人だかりが気になってるんじゃないの?」

フェイトがライトニングの隊長として、上手いタイミングで会話に入り込んだ。

「うん、ちょっと行ってくるよ。すぐに戻るから」

「あ、僕も行きます」

良太郎が人だかりに向かおうとすると、エリオも同伴を申し出た。

二人はパトカーが停車している人だかりへと向かっていった。

 

 

 

人だかりに入り込んだ良太郎とエリオは上手く捌きながら、最前列へと到達することに成功した。

『KEEP OUT』と記載されているテープが侵入を防ぎ、更に制服警官が前に立っていた。

私服警官や鑑識がテープ内で忙しなく作業をしていた。

「あの人達がケイサツカンなんですか?」

「うん。あの、すみません。何かあったんですか?」

エリオの質問に首を縦に振ってから良太郎は制服警官に訊ねる。

「ああ、何ていえばいいのかわからんのだよ」

「わからない?」

「ああ。確かに被害者は出てる。だがどうみても自殺とは思えないし他殺にしては変だからね」

良太郎は制服警官の言葉に引っ掛かりを感じた。

「他殺にしては変って言いましたけど、どのように?」

「何て言うのかね。こう……」

制服警官の言葉に良太郎とエリオはゴクリと固唾を飲む。

 

 

 

「蜘蛛の糸のようなもので窒息死しているんだよ。でも、人間一人を楽々覆って窒息死させる事ができる蜘蛛がいるなんて考えにくいしね」

 

 

 

制服警官の言葉に良太郎は人外の者が行ったという確信めいたものを得たが、何か引っ掛かりのようなものを感じた。

「良太郎さん。コレってやっぱりイマジンの仕業なんでしょうか?」

隣にいるエリオが自分の推測が正しいか否かを確認するようにして訊ねる。

「わからない。だけど人が行ったものじゃないというのは断言できるけどね」

良太郎の表情は真剣なものになっていた。

「そうですね……」

放たれる雰囲気にエリオは呑まれていた。

ロストロギア探しに怪人が関わっていると断言はできない。

「行こう」

「はい!」

良太郎は静かにライトニングメンバーがいる場へとエリオを促した。

 

 

 

 

 

すずかを運転手に、アリサ・バニングスを助手席に乗せて一台の自動車が海鳴市の道路を走っていた。

途中までは快適に走っていたのだが、渋滞となって現在は鈍行を余儀なくされていた。

「なのはとフェイト達。相変わらず頑張ってるみたいね」

「晩御飯は私達で用意してあげよう。折角コテージなんだしバーベキューとかいいよね」

「いいわねぇ。なのはの生徒達は予想だけどたくさん食べそうだし、モモタロス達もいるから多いに越したことはないわね」

「うん」

今後の予定を組み終えるが、いまだに渋滞だった。

「それにしても道路工事でもないのに何で混んでるのよ……」

「事故とかなのかな?」

渋滞の原因を二人は想像する。

制服警官が誘導している姿が目に入る。

「すみません。免許証を」

すずかは即座に免許証を呈示する。

「あの、何かあったのでしょうか?」

アリサが訊ねる。

「実は近くでで事件があってね。現場保持のために一部の道路を規制しているんだよ」

「そうですか。どうもありがとうございます」

制服警官の説明にアリサは納得する。

「お気をつけて」

すずかは制服警官の言葉を合図にアクセルペダルを踏んだ。

徐行ではあるが、自動車は前へと進んでいく。

「何かしらね」

「事件っていってたけど……」

「いくらなんでも、なのは達絡みじゃないわよね?」

「どうなんだろ……」

アリサとすずかはまさかの予想をしてしまい、打ち消すことはできなかった。

彼女達は深くではないにしろ、それなりに知ってしまっているのだから。

 




次回予告


第二十八話 「機動六課 海鳴へ④ ~隠れた偉人?前篇~」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。