とある野望の凶刃(凍結)   作:翔馬

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新年明けましておめでとうございます。
新年最初の投稿です。
よかったら見ていってやってください。



転校生藤田学
転校生(1)


転校生

 

「ほらよっ」

流雲は左手に猫掴みしていた冬牙を、

そのまま指で、でこぴんするみたいにはね上げ、冬牙を自分の部屋のソファーまで吹っ飛ばした。

落ち方が悪く、頭をソファーの角にぶつけた冬牙が頭を押さえて、唸っているが流雲は無視して風呂場に行く。

時刻は午後10時半をまわったところだ。

流雲が殺人現場の常盤台中学、女子寮近くの公園から逃走して、約40分後の事だ。

逃走した流雲は、自分の借りてる部屋に冬牙を担いできた。

流雲の家の方が、冬牙の住まいより近かったので、流雲は仕方なく冬牙を自分の部屋に入れる事にしたのだ。

冬牙のルームメイトはセフレが何人もいるモテ男で朝帰りは当たり前だったので、問題は無かった。

しかもそのモテ男の愛人の一人が、

自分たちの寮の管理人という鉄壁ぶりで、そちらの方の問題も無かった。

流雲の借りてる部屋は、2LDKと広く

ひとつの部屋には、トレーニングマシンと、武器庫があり、もうひとつの部屋には、大きなテレビと本棚がある。

キッチンは、オール電化であるが、

基本外食か、インスタント商品で済ますため、調理器具も、食料品じたい

あまり置いてない。

ただ飲み物は、コーラやノンアルコール、あるいはお茶、スポーツドリンクと豊富だ。

独り暮らしなのに、そこそこ大きな部屋にそれも、16歳と言う若さで住めるのは、彼が冬牙と同じ悪人だからである。

まぁそれでも落ち着いたら、冬牙に

連絡はさせないとなっと思う流雲だった。

 

(だがその前に)

 

 

「今から風呂作るから出来たら先に入れ。

顔が泥や血まみれだぞ」

 

流雲は風呂の蛇口を捻りながら、やっと痛みが収まって、立ち上がった冬牙に伝える。

 

「はぁ……ありがとうございます」

冬牙は頭を撫でながら、ぼそぼそと返事する。

恨めしそうな目で、風呂の準備をしている流雲の背中を見る。

 

(血は兎も角、泥汚れはあんたのせいだろうが!!、仰向けの俺を役立たずと言って踏んづけるは、脇腹に蹴り入れるは唾は吐くは、やりたい放題しやがって)

 

冬牙は、流雲の後ろ姿を見ながら流雲に公園で受けた仕打ちの数々を思い出した。

 

 

「よう。男に馬乗りにされる趣味があるとは知らなかったぜ」

流雲はぶっきらぼうにそう言うと、ゲラゲラと品のない笑い声を上げだした。

「大米……」

 

首だけ持ち上げて、突然現れた仲間の

名を呼ぼうと冬牙はするが 、その目の前が突然真っ暗になり

グシャッと音が鳴ると、冬牙の顔に

痛みが走る。

 

顔を踏まれたと冬牙が気づいたのは

流雲の自分を馬鹿に、した侮蔑が始まりだしてからだ。

 

「なぁ冬牙、お前変わった趣味あったんだな。

男に馬乗りになられたい趣味があったとは初耳だぜ」

 

 

流雲は小馬鹿にするように言いながら

冬牙の顔を踏んづけた足を、タバコの火でも消すように、足を小刻みに動かし追い討ちをかける。

泥や砂などが口に入ったり、顔に塗りつけられたりするが、冬牙は堪えるしか手はなかった。

冬牙は戦闘でダメージをおっていたからだ。

それに自分の顔を踏みにじっているが彼、流雲が助けに来たとことに変わりはない。

冬牙は流雲の怒りが収まるのを静かに待った。

しばらくすると気がすんだのか、流雲は顔から

足を上げてくれて踏みにじるのをやめてくれた。

だが追い討ちをかけられ、ダメージを蓄積した冬牙は立ち上がる事が出来なかった。

そんな冬牙を流雲は無能者を見るような、冷たい目で見下ろす。

 

「おっと、さっき投げ飛ばした奴の

とどめがまだだったなぁ、

しゃあねぇ、

お前への説教はまた後だ

 

流雲はそう言うてから、冬牙めがけて

唾を吐きかけると、そのまま俊一の元に向かった。

迅速に俊一を始末した流雲は冬牙の武器や殺した二人の財布を回収したあと、肩に担いで冬牙を自分の部屋まで連れてきたのだ。

冬牙がさっきまでの災難を思いだし終わった頃、流雲が再び声をかけてくる。

 

「おい、風呂できたから先入れ

そんな汚れたままだと俺の部屋が汚れちまう」

 

流雲は怒ってるように聞こえる、強い口調で言うと、冷蔵庫の方に歩いていった。

 

 

「ありがとうございます。

先にお風呂頂きます」

 

冬牙は、右足を引きずるように歩きながら流雲に礼を言う。

 

(畜生、収容所上がりの犯罪者が……

エリート風紀委員である俺をこけにしやがって)

 

心の中では、流雲を憎んでいる冬牙だがそれを決して悟らせはしない。

 

もし含むところがあると知られたら、

ソファーに投げつけられるだけでは

すまない、もっとひどい目にあうからだ。

 

冬牙は、冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルをラッパ飲みしてる。

流雲をちらっと見た後、舌打ちを一回してからバスルームに入っていった。

「うぅぅ。……朝ですの」

午前6時30分。

常盤台中学校の寮内の自室で白井黒子は、気だるそうに目を覚ました。

 

惨劇から一夜明けた次の日の朝の事である。

昨晩は黒子にとってまさに最悪の一日だった。

 

流雲逃送(無論黒子は流雲や冬牙の存在は知らない)から15分後現場に到着した、白井が見たのは二人の若いカップルの死体だった。

死体を見た瞬間、黒子はお怖気に震ってしまったが、更によく見るとその死体が、同じクラスの同級生だったと知ると激しく動揺しついには、嘔吐するはめにおちいった、黒子だったが何とか177支部に連絡して事の状況を伝えた。

白井から事情を聞いた先輩の固法は

直ぐに警備員に報告した。

その後警備員の指示により、さおりの遺体は常盤台女子寮に保管し、俊一の

遺体は警備員が引き取り、警備員の詰め所に保管されることになった。

これは常盤台中学の理事長が、警備員とはいえ、外部に常盤台中学生の遺体から、能力開発技術が漏れるのを防ぐための処置であった。

そのため今日改めて、警備員がさおりの遺体を検視する事になった。

 

現在さおりの遺体は、冷凍保存されて

寮監が昨日の晩から徹夜で、寝ずの番をしてくれている。

 

 

黒子は臨時の安置室となってる、寮監室目指して重い体をひきづるようにして歩いている。

寮監室まで、後数メートルといったところで、突然黒子の制服のポケットが振動する、黒子の携帯電話がバイブレーションで震えているのだ。

黒子は億劫な感じで、携帯電話をポケットから取り出す。

画面に表示された名前は初春飾利

彼女の友人で風紀委員の相棒だ、

黒子は通話ボタンを押して電話にでる。

 

『もしもし、初春です白井さん朝早くにすみません』

 

初春は黒子を気遣うような優しい声音で電話にでた。

 

初春は白井から連絡来た後、長丁場になるからと、固法が後は私がやるから帰れと命令されたので帰っていたのだ。

それでも彼女は帰る前に、黒子に電話し、黒子も警備員が来たので後は任せて自分も寮に帰ると、電話したのだ。

 

その時、朝一に警備員の検視があるからそれに立ち合うと言ったので、気になって電話してくれたのだろう。

ありがたい友である。

 

 

「大丈夫ですの、もう起きてますわ

今、遺体の安置室となってる、寮監殿のお部屋に向かってる途中ですの」

 

『……』

 

遺体と言う言葉に、初春は一瞬黙ってしまう。

無理もない学園都市風紀委員として色んな事件に関わり、事件を解決したりしたが、殺人事件には初春も黒子も関わった事は無かった。

風紀委員はあくまで警備員の下位組織で、基本校内活動が主な仕事であり

校外や、重要事件は警備員の管轄なのだ。

しかし何の因果か白井黒子たち177支部は連続カップル殺人事件に関わる事になってしまった。

特に白井は第一発見者である。

警備員に丸投げとはいくまい。

「大丈夫ですわ。初春

殺人事件なら警備員の担当でしょうし

それに昨日の晩の話では、警備員の検視は本部の警備員が行うそうですわ

私はちょっと話を聞くぐらいですわよ」

黒子は自身も昨日の疲労で元気はないが、友人を安心させるため空元気をだしてなるべく楽観的な感じで心配するなと言う。

 

黒子の懸命の演技が通じたのか初春の声のトーンが明るくなる。

 

『そうですか。本部直属の警備員のかたが、来てくれるのなら安心ですね

じゃあ白井さん立ち会い頑張って下さいね』

 

「私より、寮監殿の方が心配ですわ

検視前に何かあっては行けないと、寝ずの番をしておられますの」

 

『寮監さんが、そうですか

わかりました。じゃあ白井さんまた放課後支部で会いましょう』

 

そう言って締めくくって、初春は電話を切ろうとする

 

「待ってくださいの初春」

 

それを白井が慌てて声を上げて止める

 

 

『何ですか?

何かいい忘れた事でも」

 

 

初春は電話の向こうで小首を傾げる

 

 

(いつもありがとうと言おうと思いましたが、よく考えてみると照れ臭いですわね)

 

白井は日頃の感謝を言うつもりだったが、やはり照れ臭いのでやめようと思った

 

(しかし何でもありませんの等と言ったら初春の性格上余計気になって追及してきますわね)

 

黒子は上手いこと誤魔化そうとする。

 

こう言うところは、彼女が敬愛するお姉様と違って大人である。

お姉様の場合は、何でもないっていってんだろう、ごらぁと照れ隠しで電撃を放つ。

 

 

『 あの白井さん、用は何ですか

さっきから黙ってますけど』

 

初春がすこし、ひなんするような感じで、話してくる。

 

 

「あぁごめんなさいの、ちょっと考え事を」

 

『考え事って何を考えてたんですか?』

 

(不味いですわ、つい口を滑らしてしまいましたの)

 

黒子は上手く誤魔化そうと考える

その時黒子は、あることを思い出した。

 

 

(確か佐天さんに前に聞きましたわ)

 

「ええ、あなたのクラスに転校生が来るって佐天さんに聞きましたの

確か今日来るんでしたわよね」

 

 

『えっ!?、……あっ転校生の事ですか、はい確かに今日転入してきます

でもどうして白井さんが、そんなこと気にするんですか?』

 

初春は電話の向こうで予想外の質問に動揺しながら、おろおろして答える。

 

「佐天さんから聞いた時に、その転校生の転校する前の学校の名前が気になりましてね」

 

『ああなるほど、それはそうですね。

うちのクラスの皆も、不思議がってました。

何せ蒼天飛翔館中学校から、うちに転校ですからね』

 

「共学の常盤台との異名を持つ

長点上機学園の兄弟校。

成績トップ15位までは長点上機学園に無条件で推薦入学できる

学園都市の中学校の中では5本の指に入りますわ、

そんな名門校の生徒が何故と思いまして」

 

『意外ですね、白井さんがそう言う事に興味を持つなんて、まぁ今日うちのクラスに来ますから、タイミングを見て今度聞いてみますね。

何なら、頼んで白井さんに紹介させてもらいましょうか?』

 

 

「そうですわね。それも良いかもしれませんわね。

では御願いしますの。

そうそう初春はその転校生がどんな人か知ってますの?」

 

 

黒子は話していると、興味が湧いてきたのか、どんどん初春に質問する。

 

『わかりました。じゃあ頑張って仲良くなって、白井さんに紹介しますね。

でも安心しました。

白井さんも男子に興味あったんですね

 

 

初春が明るい声で言う。

 

 

「それはぁ、どういう意味ですの?

うぃはるぅー」

 

黒子がすこしドスの聞いた声で、問い詰める。

 

『大した意味はありませんよ。

あぁうちの転校生のことでしたね

私が知ってるのは、男子で名前は藤田学(ふじたまなぶ)君と言うことです

能力レベルや、何故、うちに転校してきた理由とかはわかりませんね』

 

初春が追及されないように、早口で

白井の聞きたかった情報、を伝えて

誤魔化そうとする。

間違っても同性愛嗜好でなかったの?とは、口が裂けても言えない。

 

 

「まぁ良いですわ。

私も忙しいですしありがとうですの

初春。

色々聞けて気持ちが楽になりましたの 」

 

『そうですか。

じゃあもう少し転校生の事、わかりましたら伝えますね。

それじゃ頑張って下さいね白井さん』

 

初春はそう言い終わると、きりますね

っと言った後、電話を切って二人の

会話は終了した。

 

 

電話が終わった後黒子は、携帯電話を

ポケットにしまうと、一人呟く。

「春上さんの時は、ポルターガイスト事件、枝先さんの時はケミカロイド事件。

今回は何事もなければいいんですけれども」

黒子はそれだけ言うと、寮監室目指して再び歩き出すのだった。

この時初春と噂しあった転校生藤田学に、黒子は直ぐに出会うことになるのだが神でない彼女が知るよしもなかった。

 

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございました。
今年も宜しくお願いいたします☆
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