金曜日凄い雪でしたね。自然は怖いです
ほんとはバレンタインデーに投稿したかったのですが、
遅筆のみで間に合いませんでした。
それではどうぞ。
転校生5
(ほぉ〜これまた随分変わった
ファッションだな)
歩いてると、突然背後からぶつかって来た少女を咄嗟に片手で、支えた学はその少女を観察して唸った。
小柄で短い黒髪に、自身と同じ柵川中学校の制服(ただし女子)を着た一見普通のトロそうな少女に見えたのだが、
頭に付けている髪飾りは
独特と言うか、異常というのか
とにかく特別だった。
その髪飾り1つでただの普通の、中学生の少女が一度みたら、忘れる事はほとんどないと言っても、過言ではないくらいの強烈なインパクトを与えている。
それもそのはず、彼女は四季折々の花で飾られた歩く花瓶のような髪飾りを
していたからだ。
ぶつかったのは初春飾利だったが、無論
今日が転校初日の学は、知らなかった。
その助けられた張本人である初春は
学の、生き物でもじっと観察するような目線に耐えられず目を逸らす。
「あの、もう大丈夫です。
助けて貰ってありがとうございました」
初春は早口で学の顔を見ないで助けて貰ったお礼を言うと、自分の腰を抱えてる、学の左腕に自分の腕をのせて、
彼の腕を外そうとする。
(何だ?可愛いげのない)
別に感謝のキスとか、そんな見返りを望んだ訳ではないが、顔も見ないで
礼を言う、少女の素っ気ない態度に、一瞬学はムッとするがすぐにその理由に思い当り、怒りを鎮める。
(ああそういや、今の俺下手したら
不審者に見えるな)
学は自身の格好を思い出す。
朝寮から出た後、蒼天飛翔館の制服はあまりに派手すぎたので、途中から
寮に引き返した学は、寮の部屋にある
柵川中学校の指定のウィンドブレーカーに良く似た私物のウィンドブレーカーをド派手制服の上に着たのだ。
その後防寒ようにネックウォーマーを目元の下ぐらいまで上げて着けたのだ
更に、くろぶちのゴツい眼鏡をつけている。
浮いた存在と思われないように真面目な生徒を演じるための小道具だ。
なるほどパッと見不審者に見えなくもない。
学は反省し、少しでも警戒心を減らすために、ネックウォーマーを外した。
ボタンで、止めるタイプなので簡単に外れる。
それから眼鏡も外した。
蒼天飛翔館在校時、女性徒どころか
女教師までも魅了した、美少年と言って差つかえない容貌が現れる。
学が素顔を晒すと、先ほどまで警戒心を露にしていた初春の顔が一瞬で真っ赤なリンゴのようになる。
更に最後のひとおしとばかりに、学は
その美しい容姿で微笑みを浮かべる。
そうすると、初春の赤面率がまた更に
上昇する。
そんな自分に見惚れている、初春の様子をみて学はちょっとやり過ぎたかなぁと 思って頭を掻く。
「まぁ大丈夫そうで」
「初春!!」
何時までも見とれて貰っていても、周囲に迷惑なので正気に戻そうと、声をかけた学の声はより大きな声でかき消された。
大声の聞こえた方を見やると、 黒髪セミロングの少女と、その大分後ろから茶髪の少女が走ってきてる。
黒髪の少女の方が、足が早く先に
初春の元に着く。
「大丈夫!?初春」
初春の両肩をつかんで、心配そうな目で佐天涙子は見る。
「ふぇ!?佐天さんどうして」
学の容姿に見惚れていた、初春が
いきなり自分の肩を掴んだのが、佐天だと知って不思議がる。
「どうしてってあんたが通行人の人にぶつかったから、じゃない。
全くパソコンしか見てないし俯いてるし、そらぶつかるよ」
佐天は早口で説教すると、次に初春に声をかけようとしたまま、固まってる
学に話しかける。
「どうもすみません。
この子ちょっと鈍いところ、ありまして」
佐天は頭を何度も下げて、学に謝る。
「いや。別に怪我もないし、構わないよ 」
学は佐天の謝罪に答える。
「そうですか、そう言って貰えると助かります。
良かったね初春」
「はい。すみませんぶつかってしまって、怪我はないですか?」
佐天に促されて、また学が不審者でないとわかった初春は、今度は誠意を込めてちゃんと謝る。
「いや大丈夫だよ。そんなに、おもいっきりぶつかられて、ないし
一応鍛えてるんでね」
学はそう言うと、左手をL字に曲げて
前につき出す。
体型に見あわない太くゴツい鍛えられた腕がそこにある。
その腕を初春と、佐天が見る。
見ながら、凄いですね、とか色々な賛辞を小声で言ってるが、はっきりとは聞き取れない。
「初春さーん佐天さーん」
そこに佐天より後ろを走っていた
春上がやっと二人の元に着く。
「春上さん。
すみません心配かけて」
春上に気づいた初春が、ペコリとお辞儀して、謝る。
「ううん。いいの
それより初春さん、その人は」
春上が、腕を剥き出しにして、ポージングをしている学の方を見て問う。
「ああこの人は初春がぶつかった人で、名前は……あっ聞いてなかった」
佐天は春上に紹介しようとして、その名を知らないことに気づく。
「しまったぁ、聞いてなかった。
え〜とすみません、お名前は?
」
佐天は春上の疑問に答える為に、名前を聞く。
学はふと脳裏に人の名前を聞くなら、先に自分の名前をと思ったが、
女性が聞きたがっているのに、無粋だと思ったので、その思いは胸にしまい、答える。
「 ああそういや名乗ってなかったな。
初めまして」
学はそう言うと、ポージングをやめて
直立不動する。
いずまいを正し、礼をする。
「俺の名前は藤田学、13歳
中学一年だ宜しく」
「あっ同い年だったんですね。
私は佐天涙子、同じく一年生です」
「佐天さんと同じクラスの初春飾利です。宜しくお願いします」
「春上衿衣なの、宜しくお願いします」
佐天が元気よく、初春が丁寧に、
最後に春上が、小声で静かに自己紹介して3人の挨拶は終わった。
この時まだ佐天達は、目の前にいる
少年が噂の転校生であることに、
気づかなかった。
彼女達が、その事に気づくのはもう少し先の事である。
最後まで読んでいただきありがとうございました。