とある野望の凶刃(凍結)   作:翔馬

15 / 22
こんばんは最新話投稿します。
よかったら見ていってやってください。(^_^)



転校生(6)

転校生(6)

 

「あれ?藤田学さんですか

どこかで聞いたような」

 

皆の自己紹介が終わった後。

自分が転けるのを助けてくれた恩人の名を聞いて、ふと初春は首を傾げ、考え込みだす。

 

「初春!? 」

 

親友が急に首を傾げて、考え込み出したのを見た佐天は不思議そうに見る。

 

「どうしたの?」

 

それに釣られて、春上も初春の方を見る。

 

「藤田……学さんってもしかして!!」

 

 

首を傾げてた、初春が突然はっと顔を勢いよく、上げると学の顔を凝視する。

「ん?俺の顔に何か付いてるのか」

 

見つめられた学は、自身の顔に指を指

し困惑した風で初春を見返す。

 

初春の瞳にはさっきの恍惚とは違う、

驚きが籠っている。

 

「あの……藤田さん。

間違ってたらすみませんが、もしかして藤田さんって今日入ってくる転校生じゃないですか?」

 

 

おそるおそる初春は、自分が感じた疑問を口にする。

 

一見表情は気弱にみえるが、声には強さがあり、適当に言ってはいない。

ある程度の確信があるのだろう。

 

 

 

 

 

「……へぇー見た目と違って、情報通なんだな」

 

 

 

初春に転校生かと問われた学は、それには答えず、手を叩き拍手しながら口元に笑みを浮かべた

初春への称賛を込めながら。

 

「それじゃやっぱり」

 

 

そんな学の態度を見て初春の確信は、80%から100%へとなる。

 

 

 

「ああご名答。

改めまして今日からこの学校に転校した、転校生の藤田学だ。

ホームルームで紹介される前に、解って締まらない話だが、まぁ宜しくな」

 

学はちょっと気まずそうな、顔をしたがすぐに、照れながら笑うのだった。

 

 

 

 

2

 

「ええっ藤田さんが、噂の転校生だったんですか?」

 

 

 

「びっくりなの」

 

 

学の2回目の自己紹介を聞いた、佐天と春上が驚きに目を丸くする。

 

 

「どんな噂か知らないが、俺が転校生なのは間違いないぞ」

 

 

学は驚く2人の少女に投げやりに、

答えた。

 

 

 

(やれやれまだ、校内にも入ってないのにこれだ)

 

 

学は初春達の自分を見る、興味津々な

顔を見てうんざりする。

まぁあくまで興味があるだけで、敵意がないのが救いか。

 

蒼天飛翔館にいた頃は、蒼天飛翔館の生徒と知れただけで、よくスキルアウトに目の敵にされたものだ。

 

まぁそれは、実は蒼天飛翔館中学校の

一部の生徒がストレス発散のための

スキルアウト狩りをしていると言う

裏事情があるのだが、それは公然の秘密である。

 

(これでもし俺の身元まで知ったら、もっと驚くかもな)

 

 

学は心の中でふとそんな事を思った。

 

 

 

「それにしても初春。

良く藤田さんが転校生ってわかったね」

 

 

 

 

学が物思いに耽っている間に、佐天は

初春に疑問をぶつけていた。

 

 

 

「転校生の方が今度は、男の子だとは

前に先生がそう言ってるのを聞いたんです」

 

 

 

 

「へぇー以外と普通なんだ。

パソコンでうちの学校のサーバー調べたとかじゃないんだ」

 

 

「そんなことしませんよ。

私は風紀委員ですよ」

 

 

佐天の問いに心外だと、ばかりに

反論する。

 

「でも出来ない事はないんだよね」

 

「それは確かに学校のサーバーぐらいなら、簡単に入れますけど」

 

 

 

「じゃあ名前とか調べたんだ」

 

「流石なの初春さん」

 

佐天と初春の会話に、春上も入ってくる。

 

 

「春上さんまで……違いますからね。

ハッキング何かしてないからですね

……もう佐天さんが変な事言うから

 

 

初春は、顔をトマトのように赤くしながら、佐天に詰め寄る。

 

 

「ごめん、ごめん」

 

詰め寄った初春をなだめながら、

佐天は話を続ける。

 

 

「全く気をつけて下さいね」

 

 

初春が佐天に注意する。

 

「初春さん、ハッキングしてないの?」

 

 

 

春上が、指を顎にあて、首を傾げる

 

「じゃあ、どうやって知ったの?」

 

 

「どうやってって言うほど、大したことはしてません」

 

 

初春は、誤解を解くために話す。

 

 

 

「クラスメート山先(やまさき)さんが

転校生の話をしているのを、偶然

聞いてしまったんです。

名前はその時知りました」

 

 

初春が種明かしとばかりに話終えた。

 

 

「山先が?そういや山先って結構

噂話とかに詳しいよね」

 

 

 

佐天が納得する。

 

 

ちなみに山先と言うのは、彼女たちのクラスメートで、学年5位以内に入る、秀才の少年である。

 

 

「う〜ん流石山先。

山先なら名前と性別だけでなく、他の事も知ってるんじゃないの初春?」

 

 

更に情報を引き出そうと、初春に問う

佐天

 

 

「そうですね……他にですか?」

 

初春は、思い出そうと両腕を組みながら考えこみだす。

 

「他に、他に」

 

 

「そんなに俺の事が気になるのか?

 

考え込んでる、初春に学が声をかける。

 

「えっ気になると言うか、佐天さんが知りたいって言うか、って藤田さん!」

 

初春が声をかけたのが誰か知り、

目を大きく開き、驚く。

 

 

「ふうーん佐天さんが、俺の事知りたいって 訳か」

 

 

そう言った学は次に、佐天の方を見る

 

顔をみた後、視線を胸、腰と下ろしていき、足元まで見る。

 

 

(悪くないな)

 

学はニヤリと笑うと佐天に話しかける。

 

「そんなに俺の事知りたいのか?」

 

 

「ええまぁ、蒼天飛翔館中学校から転校なんて凄いですし」

 

佐天は頭を掻きながら、小声でボソボソと言う。

 

 

「あっ……私も知りたいというか、

私の風紀委員同僚の白井さんが

知りたいそうなので教えて頂けると」

 

初春が決まり悪そうに、手を上げながら、同調する。

 

「モテモテなの」

 

 

そんなやり取りを見て、天然な春上が

空気を読まない発言をする。

 

 

「白井さんが?本当なの初春!!」

 

 

予想外の初春の発言に佐天が驚き

声を上げる。

 

「はい朝に電話したとき、話したら

転校生の藤田さんの事を聞いてきて」

 

 

「白井さんって、百合にしか興味なかったんじゃないの?」

 

 

「佐天さん今の発言、白井さんが聞いたら怒りますよ」

 

 

「うっしまった。失言

初春黙っといて」

 

佐天が両手の平を合わして、拝む。

 

 

「しょうがないですね。

そこまで頼むのなら」

 

自分を拝む佐天の姿を見た初春は、

照れながら、絶対喋らないですからと言い、それを止めさせる。

 

 

 

「で二人は俺の事を知りたいって事でいいんだな」

 

 

佐天と初春2人に、いつの間にか、かやのそとにされていた学は、会話に割り込んで存在をアピールする。

 

 

「はいそうです」

 

二人は学の問いかけに、同じ言葉を

同時にかえす。

 

二人とも苦笑いを浮かべている。

 

 

「そんなに熱望されたら、答えない訳にはいかないな」

 

 

学は二人を交互に見ながら、言う。

 

 

「ありがとうございます」

 

「じゃあさ、何でわざわざうちなんかに転校してきたの?」

 

 

 

初春は、御辞儀をしながら先に礼を言い。

 

佐天はチャンスとばかりに、好奇心を隠さずに質問する。

 

そんな親友のデリカシーのない態度に

(佐天さん)と苦言を言うが、佐天には聞こえない。

 

 

 

「確かにうちの学校に来るのは不思議なの」

 

 

 

 

春上も興味があるのか、佐天に続く。

 

 

「ふん!!朝から両手に華どころか、それ以上とは蒼天のエリートいや、元エリートは手がはやいな」

 

 

突然背後から、大きな声が聞こえて

くる。

 

 

その声に学が真っ先に反応して振り返る。

 

その声に、自身に対する、明らかな

悪感情を感じたからだ。

 

 

果たして振り向いた先には、学が通う

柵川中学校の制服を着た、一人の少年が仁王立ちで立っていた。

 

学に対する明らかな敵意が、その瞳に宿っている。

 

 

(さっきの発言と言い、こいつ俺にケンカ売ってんのか?)

 

 

敵意むき出しの、鋭い眼光を見た学も自然と形相を険しくして、威嚇を込めて相手を睨みつける。

 

 

学の眼光に気づいた、その少年は

鼻息を荒げ、ふんと学を馬鹿にするように鼻で笑う。

 

どうやら威嚇失敗らしい。

 

 

「長田」

 

「長田さん」

 

「長田くん」

 

 

学と突如現れた少年が睨みあってると、学に遅れて振り向いた、佐天達が学に相対する人物の名をそれぞれが教えてくれた。

 

 

「長田って言うのかあんた」

 

 

学が佐天達が、呼んだ名で目の前の少年にぞんざいに呼び掛ける。

初対面の相手に呼び捨ては非礼だが、学はさっきの発言と敵意むき出しの眼差しを見て、ケンカを売ってきてると判断しているので、関係ない。

 

 

「ふん……まぁこっちはお前の名を知ってるのに、そっちが知らないのなら不公平だし、構わんか」

 

そう言うと敵意ある少年改め、長田は

さっき背後から掛けた以上の大声を張り上げた。

 

 

「柵川中学校一年A組所属の長田健児

(けんじ)、ちなみに能力レベルは3の(強能力)だ。

柵川中学校へようこそ、蒼天飛翔館の落第生殿」

 

 

自己紹介までは、まるで軍人が上官に

所属と階級を答えるかのように、はきはきと堂々と言い、後半の嘲りは

敵意むき出しで、学にケンカでも売るような、文句で締めくくると長田健児の自己紹介は終わったのだった。

 

 

 

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございました。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。