「おい!、いったい何があったんだ?」
頭から血を流して、座り込んでいる佐天を見た学は再度、初春に理由を聞く。
「……」
だがよほどショックな事があったのだろう。
初春は何かぶつぶつ言って、体を震わしているだけで学に返答しな、いやできなかったが正解か。
「大変なの」
学の後を追ってきた春上が、目を大きく見開いて佐天を見る。
佐天は目を瞑って(つぶ)首がうな垂れており、ピクリとも動かない失神してるのは明らかだ。
「春上だったな、悪いが救急車呼んでくれ」
学はそう言うと、佐天の元に行く。
「不味いな、意識がない」
佐天の頭の血を拭いた、学は険しい顔をする。
「もしもしなの、救急車をお願いします。
場所は第7学区の」
学に言われた通り春上は、早速救急に電話をかける。
それを横目にしながら、学は次に佐天を地面に寝かせる為に、中腰になると、着てる、ウィンドブレイカーを脱いで毛布がわりにして佐天をその上に寝かす。
そこまでやった学は、少しは落ち着いただろうと、初春にもう一度話しかけようと
「フン!!、無能力者の分際で突っかかって来るからだ」
したが、その時別の方向から声が聞こえてくる。
ひどく怒っているような感じのその声を、学は聞き取ると声の主を見上げた。
怒り口調で、そう言ったのは学に
喧嘩腰だった長田健児だった。
2
「佐天が突っかかってきた?
どういう事だ」
学は、鋭い眼光で長田を睨み付けながら、問いただす。
静かな声音だが、その声には有無を言わさぬ威圧感が込められていた。
「……そっそれは、佐天が」
学の威圧に気圧され、長田が口ごもる。
「佐天が……何だ!!」
口ごもる長田に、容赦せずに学が詰め寄る。
佐天のひどい有り様を見た事で、
学は完全に冷静さを欠いていた。
「佐天が……佐天が悪いんだ!!」
あいつが突っかかってきたりしなければ
長田はそう小声で言うと、佐天との間に何があったのか語りだす。
3
まとめるとこうだ。
佐天があまりにも学を庇うので、二人は恋仲と長田が邪推した。
それに対し佐天は否定する。
長田は恋仲ではないが、狙っているのか、強かな女だなぁと佐天をからかう。
これに今度は初春が、長田さんひどいですと反論。
反論した初春に長田が、ノー天気お花畑女が、風紀委員成ったのはまぐれかと茶化した。
「長田、あたしの友達を馬鹿にするんじゃないわよ」
と佐天が手を振り上げながら迫る。
すると長田は近づくなと、能力を使って吹っ飛ばしたら、電柱に佐天がぶつかったと言う事だ。
学はあくまで俺は悪くないと、主張しながら、言い訳する長田の言葉を黙って聞いた。
そして聞き終わった後、大きな息を1つ地面に向けて吐く。
フゥーと。
それから吐き終わると同時に、ダッシュ。
一直線に、長田目掛けて走って距離を詰める
「なっ、何だ?」
猛進してくる学を見た長田は、後ずさって距離を取ろうとするが
ガッと学が走りながら、伸ばした右腕が、長田の頭を鷲掴みする方が早い。
「言いたいことはそれだけか?」
学は掴んだ頭を自分の方に引き寄せると同時に、膝を曲げて飛び上がる。
すなわち飛び膝蹴り。
引き寄せた長田の顔と学の膝が激突し、バットでどつかれたような
強烈な衝撃が長田の脳を揺らし、おまけに引き寄せながら、学は頭頂から後頭部に掴む場所を変えていたので、衝撃が抜けずにダメージが倍加する。
この学の痛烈な一撃を喰らった、長田は前のめりになって、地面に膝を突く
両手を地面につけて、倒れるのだけは何とか防ぐ。
「立てクソ野郎!……女に口で罵られた程度で、能力で攻撃なんざしやがって」
地面に四つんばいになってる、長田を
まるで害虫でも見るような、冷徹な瞳で見据えながら、学は吠える。
更に吐き捨てるような、ぶっきらぼうな口調で、続ける。
「高位能力者の力は拳銃ぶっぱなすのと変わらねぇー。
長田って言ったなぁ。てめぇは腹が立ったからって殺しあいするのか?
その腐った性根叩き直してやる」
四つんばいの状態から、立ち上がった
健児は指をポキポキと鳴らしながら、
怒気を発する学を、憎しみのこもった目で見た。
そんな学を、心配そうな目で春上は見ていたが、学の目には長田健児しか
写っていなかった。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
ところでウィザードバリスターズ弁魔士セシル
メッチャ面白い、続きが気になって仕方ない。
失礼、執筆しながら見てたのでつい。(-.-)
それではこれにて失礼します。