良かったら見てください。
短いので読みやすいと思います。
(^_^)
「痛ってぇ、こぶが出来ちまったぜ」
後頭部を擦りながら、学は立ち上がる。
距離にして、4、5メートルぐらいは
飛ばされたみたいだ。
「ほう〜。
今のを喰らって、立ってくるとは……流石は蒼天飛翔と言ったところか。
腐っても鯛という奴だな」
立ち上がった学の耳に、健児の嘲(あざけ)りが入ってくる。
両手をポケットに突っ込んだまま、
学に近づいてきていた。
体を右に左に、傾けながら学に迫る
健児。
その余裕で歩いてくる、健児を学は黙って見続ける。
吹っ飛ばされたダメージが、まだ残っていて、頭が重く感じるからだ。
だが、ただダメージが回復するのを、待つほど学は間抜けではない。
脳内で、健児の分析もおこなう。
(風使い、いや違う。といってテレキネシスでもない、音使いか?)
学は吹っ飛ばされた時の事を、思いだしながら、健児の能力が何なのか突き止めようと知恵をしぼる。
(それが一番可能性が高いか、とりあえず音使いと仮定して、後は戦闘してたら、詳しい事が判るか)
学はある程度能力分析を終えると、迎撃体勢に入る。
左手を軽く握りしめ、顔の前に置き、
右手を頬骨に付けて、肩幅に足を開く、左足を前にして、右足を後ろにする。
そのファイティングポーズは、ボクシングのオーソドックススタイルだ。
「ほう面白い。
俺にどつきあいを挑むというのか」
学の構えを見た、健児は立ち止まり、顎に手を置きながら、感心げに学を見る。
健児の問いかけを無視して、じりじりと、地面を擦りながら学が
距離を詰めてくる。
ゆっくり、ゆっくりと学は健児との
間の距離を縮めていく。
朝の太陽の光が二人を照らしている。
2
「どうしましょう、春上さん」
突然始まった、学と健児の喧嘩を
初春は口に手を置いて、困惑しながら
見ていた。
春上に話しかけられて、初春はやっと
心ここに非ず状態から、正気を取り戻していた。
隣にいる、春上も心配そうな顔で、ふたりの喧嘩を見ている。
時は既に、8時35分をまわっており、遅刻が決定してるのだが、心配している二人は気づいていない。
「先生呼んでこよう。
初春さん」
春上がそう決めて、強い口調で言う。
「そうですね」
春上の意見に初春は賛成する。
意思が決まった二人は、急いで学校にいる、先生を呼びに行くのだった。
3
初春達は気づかなかったが、初春達以外にも、二人の喧嘩を見ている者がいた。
「あいつ何やってんだ?」
初春達のクラスメイトである、山先将真(やまさきしょうま)である。
この山先、長田健児の親友である。
山先は親友が朝っぱらから、喧嘩しているのを見て、呆れ果てた声で呟く。
「血の気が多いのは知ってるけど、
よりにもよって、学校の校門近くで、
おっ始めるか?」
やれやれとばかりに、山先は首を振る。
次に山先は、健児の相手を見る。
(おうおう。臨戦体勢でこれまたおっかない)
山先は、小柄で一見ひ弱そうに見える
学(無論山先は名を知らない)の構えに
隙がないのに、気づきただ者でないと
見抜く。
(相当格闘技をやってるなぁ。
構えからして、ボクシングってとこか)
山先が観察している、間にも健児達は距離を縮めていく、もうすぐ両者共に射程距離に入る。
二人が距離を詰めていく、横を何人かの学生が早足ですり抜けていく。
関わり合いになりたくないのが、その態度から見てとれる。
「お坊っちゃんに、これが防げるか?
」
先に射程距離に入ったのは、健児。
間髪入れず、左のローキックを放った。
木のバットでもへし折れそうな、重い蹴りが学の足を刈ろうとする。
「!!」
が、学はその攻撃を読んでいた。
健児は威力を重視するあまり、蹴り足を振りかぶり過ぎていたのだ。
脚の描く軌道を見れば、狙いは判る。
蹴りが足に当たる前に、バックステップして、学は避けれた。
「しっ」
バックステップした後、すかさず
学は前に踏み込む。
反撃の右ストレートが、ローキックを
放って、片足状態の健児の顎目掛けて
打ち込まれる。
直後、鈍器か何かで壁でも殴ったような音が鳴り。
「ぐぅ……」
学が右拳を抑えながら、呻き声を
上げた。
「残念だったな」
健児の得意気な笑い声が、辺りに響くのだった。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
(^_^)