とある野望の凶刃(凍結)   作:翔馬

21 / 22
こんばんは久ぶりの更新です。拙いですが良かったら見ていって下さい。(^-^)



切り札(1)

1 

(まだねばるか)

 

学へのラッシュを続けながら、長田は目線を下に落とす。

 

 

見下ろすと、学はパンチの嵐をひたすら避けたり、腕でガードしたりして凌いでいる。

防戦一方だ。

 

 

その学の口元が一瞬緩んだのを、攻めている長田は見逃さなかった。

 

(何か狙ってる!!)

 

そう感じた長田は、自身の勘を信じて一旦距離を取ることにする。

 

(見た目とは違って、慎重何だな)

 

突如猛攻撃を中止して、バックステップした長田を学はガードした腕の隙間から、注意深く見る。

 

実は長田の嫌な予感は的中していた。

学は攻撃を受けながらも、能力分析を続けていたのだ。

そして一つの答えを導き出していた。

 

(詳しい能力まではわからねぇ……けど奴が能力を使った時には必ず声を出してる)

 

学はガードを下ろし、自信のこもった目で長田を見る。

かっと目を見開いた学の鋭い眼差しを見た長田が、無意識に一歩後ろに下がった。

 

「行くぞ!!」

 

学は長田が後ろに一歩下がるのと同時に、大声を上げながら突っ込んでいく。

それはまるで、勇猛なサイが突進するが如く力強く、速い。

 

(何だ? ただ突っ込んでくるだけか)

 

迫る学を見て長田は拍子抜けしていた。

確かに速く、力強い突進だ。

だが一直線に駆け抜けてくるだけの単純な攻撃など、見切るのは容易い。

 

「杞憂だったか」

 

狙いをつけながら、長田が大きく息を吸う。

 

 

 

シャウト [レベル3]

それが長田の能力名。

その力は、発声した声の物質化。

自分が物質化した声は、他人には見えない。

物質化した声の硬度は、豆腐から鋼鉄までで、長田の意志で自由に変える事が出来る。

出力は大した事がないが、それを補う応用力がある。

 

「すぅぅぅー 」

 

大きな深呼吸で溜めた空気を大声にして解き放とうとする。

 

「!?」

 

が出来なかった。

何故なら目の前で音もなく学が消えたのだ。

土ぼこりを巻き上げるほどの勢いで迫っていた、学が一瞬で。

慌てて首を左右に動かし長田は、学を探すが見当たらない。

 

「奴はどこ……ぐはっ!!」

 

首を振っていた長田が、いきなり背後から激痛を感じ呻く。

 

「はぁはぁまさか、昼に能力を使わされるとはな」

 

全力疾走をした後のように、息を荒げた学が背後から左手で、長田の首を掴み握りしめ、そのまま持ち上げる。

 

「うぐぐっ……」

 

首を締められた長田は、潰れた声しか出せない。

 

「やっぱ声を使う能力か」

 

声を出せなくなって、力が使えない長田を横目で見ながら、満足げに学は笑う。

自分の推理が当たっていたことに喜ぶ。

痛い思いをした甲斐があったというものだ。

 

「俺の勝ちだ」

 

学は勝利宣言をすると、首を握り締めてる、長田を地面めがけて顔面から叩きつけたのだった。

 




最後まで読んで頂きありがとうございました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。