とある野望の凶刃(凍結)   作:翔馬

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他の作品が行き詰まっているので、リハビリと気分転換を兼ねての
久方ぶりの更新です。
読んで頂けたら幸いです



切り札 (2)

 

 「俺の、ぜぇ、ぜぇ……勝ちだ!!」

 

激しく息を荒げながら、勝利宣言をした学は、そのまま健児を地面に叩きつけた。

 

がその直後奇妙な現象が学を襲う。

 

 「何だ?!」

最初に覚えた違和感は、地面の感触。

健児の顔面を叩きつけた地面から返ってくるはずの

堅い感触がなく、何故か逆の柔らかい感触を感じる。

 

(どういう事だ。コンクリートが柔らかいはずが)

 

 地面から感じるはずのない感触を感じた学は、そのまま浮き上がって、吹っ飛んでしまう。

 まるでトランポリンか何かで激しくジャンプしたように。

 

 地面から飛ばされた学は空中で健児を掴んでいた手を離してしまう。

 

 「しまった」

 

そのまま地面に叩きつけられそうになるが、学は空中で態勢を変え、何とか足から着地する。

 

 

「ふう~」

 

無事着地した学は、大きく息を吐く。

 

(何の能力かわからないが

便利な能力持ってやがる)

 

 

学は大量の汗を掻きながら、両足をぶるぶると震わせ、喘ぐ。

 

「俺の燃費の悪さとは

  大違いだな」

 

(まぁ、夜のみって制限付きの能力を昼に使ったんだ

代償はでかいか)

 

 とはいえ、まだましだと学は思う。

 以前制限を破って、使った時は、血を吐き、ぶっ倒れたからだ。

 

 一方、空中で投げ出された健児の方は、地面に背中から落ちて、汚れてはいるが特に目立った傷はないし

息も荒げてはいない。

 

 「長期戦は不利だな」

 

学は息を荒げ汗を、地面に

落としながら、駆け出した。

 

 2

 

 

 「……危なかった」

 

服に付いた汚れを払いながら、走り迫ってくる学を

健児は見ている。

 

 さっきは危なかった。

学の予想外のスピードは完全に虚を付いていた。

 僅かに反応が遅れていたら、顔が地面にめり込んで

 いただろう。

 

(自分の声と違って、他人

の声は制御が難しいから、不安だったが、上手くいったぜ) 

 

シャウト、レベル3

それが、長田健児が

この学園都市で得た能力だ。

レベル3で出力は、

レベル4に劣るが、

それを補って余りある応用力がある。

 

その能力は、声の物質化。

 

物質化する事により、

形のない声に形を与え、その硬度を固くまたは柔らかくする事ができる。

学に対して行ったのは

彼の切り札の1つ自分

以外の声の物質化だ。

 

学に喉笛を抑えられた

健児は、学の声を物質化させ、学の声を柔らかく物質化させ、トランポリン変わりに、使ってピンチを凌いだのだ。

 

「……くそっ。

休む暇は与えてはくれないか」

 

こちらを、真っ直ぐに見ながら、ダッシュで

迫ってくる学を見て

健児はため息を吐く。

 

 

(他人の声を使うのは自分の声を使うのと違って、疲れるぜ)

 

疲弊した、学と健児

両者は最後の激突をする。

 




最後まで読んで頂きありがとうございました。

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