とある野望の凶刃(凍結)   作:翔馬

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こんばんは。遅くなりましたが次話投稿です。
今回も長いです。 纏めるの下手ですみません
それではどうぞ。(-.-)


惨劇(6)

序章 (6)

 

 

 

(なぶる気はなしか)

 

俊一は村上が目を血走らせて、自分に迫って来るのをじっと見ていた。

 

次に俊一は腹の傷を見ると、ため息をはいた。

 

(こりゃ助からないな。

高レベルの再生能力ならともかく、俺はレベル0だからな)

俊一は無能力だがシスコン陰陽師と同じ、肉体再生(オートリバース)の保有者だ。

村上が止めを刺さなかったため、オートリバースが発動し死なずにすんだ。

 

死ななかった俊一はさおりが殺されそうになるのを見て、後先考えず腹に

刺さった、刀を抜き取るとそれを村上目がけて投げつけて、彼女の危機を救ったのだ。

そして今、愛する者を守るため俊一は

凶刃に対峙する。

「せめて……恋人だけでも助けてやらないとな。

警備員へは通報した。

警備員がくるまでの間、持ってくれよ」

 

(俺の体……いや命よ)

俊一は腹を押さえていた左手を離して、両拳を握り歯を噛み締めて、

きっと顔を上げた。

その顔は、強い意志に満ちていた。

 

実は警備員達から177支部に押しつけられた誤報は、俊一が自身の携帯からかけたものだった。

 

俊一は通報するとすぐに電話をきった。

こうすると向こうで勝手に事件性があると判断し、逆探知して警備員か風紀委員が駆けつけてくれるのだ。

口下手な自分が説明するよりはるかに手っ取り早い。

悪さやってたころに、得た知識である。

因みに日本はどうか知らないが、外国では救急車呼んで、途中で連絡が切れた場合、警察が事件性あるとして、一応通報場所を確認するそうだ。

 

 

「くたばれ!!」

 

俊一が試行錯誤しているうちに、すでに村上が刀の届く間合いに 入っていた。

 

ザンッ

 

何の躊躇いもみせずに、村上が刀を

横なぎに振るう。

狙いは首、一撃で仕留める気だ。

 

「うぉー!!」

 

気合いの叫びを上げた、俊一が自分の首筋に迫る刀を凝視する。

 

もし、俊一が立ったままなら彼は首と胴が離れて、この世を去っていただろう。

しかしそうはならなかった。

 

「何だと!!」

村上は自分が放った必殺の一撃が不発に終わって愕然とする。

 

「こんなもんかよ……エリート風紀委員」

 

左腕の半ばまで刀を食い込ませながら、俊一が不敵な笑みを浮かべた。

 

「貴様!……」

 

片腕を犠牲にするという常識はずれの防御に村上が、驚愕して一瞬動きが止まる。

 

 

この僅かなチャンスを俊一は見逃さない。

かっと目を見開きながら前蹴り

 

ブンッ

「ぐう……うっ」

 

俊一の前蹴りが、村上の股間に炸裂した。

 

たまらず刀から手を放し、両手で股間をおさえながら、村上が後ずさる。

 

「まだまだぁー」

 

鬼気迫る表情の俊一が更に攻める。

 

「調子に……乗るな」

 

村上が一気に近づいてくる、俊一を憎しみを込めた眼で睨み、握っていたナイフをポケットに入れた後、ベルトの間に差していた仕込みの鞘を掴み抜き取ると、それを叩きつけるように降り下ろした。

 

ナイフではリーチが足りないと判断した結果だ。

 

降り下ろした鞘は俊一の頭目掛けて、綺麗な山なりの軌道を描く。

 

敵の頭蓋めがけて、降っていく鞘を見て村上は余裕を取り戻して、勝ったと心の中でおもう。

 

(てこずらせやがって、だが終わりだ)

 

村上は割れたスイカ見たいに、割けた俊一の頭を心の中で想像する。

 

「うっぁぁっあぁぁー!!」

 

自分の頭目掛けて、迫る鞘を俊一は見る。

見た俊一は左腕に食い込んだ刀の柄を右手でつかみ、そのまま力任せにくいこんでいた刀を強引にぬき取った。

鮮血が辺りに飛び散り噴水のように血が飛び散ると、彼の左手手首は半ばどころかほとんどちぎれ、僅かに残った皮に手首がプラーンと繋がって、垂れた。

 

だが俊一はそんな左手の惨状に、一瞥すらせず、抜き取った刀で敵の鞘の一撃を払い、防ぐ。

カーンと金属の甲高い音がなり、その 弾かれた勢いに耐えきれず、村上は鞘を手放し、鞘は暫くを空を飛んだ後、茂みに落下した。

 

「はぁ……はぁ」

 

鞘を弾き飛ばした俊一は、力を使いすぎ地面に片膝を付く。

 

「くそっ、一般人が通報してんのに

ちゃんと働けよ警備員!」

 

片膝を着きながら、目だけは村上を追い、俊一はいまだに到着しない

警備員を呪った。

 

「はい到着ですの」

 

その頃、俊一が待ち望んでいる救援である白井黒子は、柵川中学校の女子寮前に二人の少女と一緒に地面に着地した。

 

「ありがとうなの」

 

「ありがとう白井さん」

 

そう言って白井と一緒に地面に着地した二人の少女が揃って礼を言う。

 

少女たちは、白井と同い年ぐらいで

茶髪にカチューシャとおでこがチャーミングな少女が枝先絆理で、ちょっと飛び出た癖っ毛で、ボーっとした表情なのが春上衿衣。

二人とも白井の友人である。

任務を受け、通報場所に向かっていた白井だったが、尖った髪にピアスとかつけた明らかに柄の悪い不良たちに絡まれていた、春上達を発見したのだ。

通報者がまさか殺されかけているなどと、知らない白井は二人がか弱い少女まして、友人でもある彼女達を見捨てる事はできなかった。

もし白井が通報者の命の危機に気づいていたら、我慢して現場に向かっただろうが、あくまで一応の確認が任務内容なので、白井は友人たちの危機を優先したのだ。

不良共を一瞬で片した白井は、また絡まれたら何の意味もないので、自身の能力のテレポートでちゃちゃっと、寮まで送り届けたのだ。

 

(因みに倒した不良たちは、自分の管轄外だったので、そこを担当する風紀委員に不良達の拘束場所を報告して後は任せた)

 

 

お礼を言って寮に帰っていく、春上と枝先の二人の少女たちに手を振り、見送りながら、白井は自分の相棒である、初春に任務報告の電話を掛ける。

するとコール2回目で初春が電話にでる。

 

『はいこちら初春、白井さんどうしました

現場はどんな状況ですか? 』

 

相変わらずのスィートボイスに、癒された白井は報告をする。

 

「初春、まだ現場にはついていませんの。

実は……」

 

白井は向かっている途中で、不良に絡まれている、春上と枝先を発見したこと、現場はあくまで一応の確認だけなので、友人たちの危機を優先し送り届けたこと、また、不良たちは拘束したが、場所が管轄外だったので、そこの管内の風紀委員に、後を任せた事などを手短にまとめて初春に伝えた。

 

「……というわけですの 。

ですからこれから現場に向かいますわ

初春、あの後再度の通報とかはありまして」

 

『いえ、それ以降の通報はありません。

通報を受けた警備員はいたずらと判断して、それで終わりにしたそうです』

 

初春が ちょっと怒りながら、言う。

ゴールキーパー殿は、警備員の怠けぶりにご立腹らしい。

 

「そうですの。

といっても私も人の事を言える立場ではありませんわね。

確認任務を後回しにして、私情を優先しているのですから」

 

『なに言ってるんですか!

白井さんは違いますよ』

 

強い口調で初春は否定する

 

「違う?」

 

『そうですよ。

白井さんは任務を放棄して遊んでいる訳じゃありません。

それにいくら任務があるからって、友人の危機を見捨てるような白井さんなら、私は絶交します』

「絶交とは穏やかではありませんわね」

 

白井が初春の絶交宣言に、驚く。

 

『あくまで、例えばの話ですよ

私は白井さんはそんな事しない人だって知ってますから』

 

初春が言い過ぎたとばかりに、慌てて

弁明する。

 

「わかってますの、初春。

それに目の前の危機に瀕してる一般人を見殺しにするようなら、風紀委員なんてしてませんわ、それはあなたもそうでしょう?」

 

必死に早口で捲し立てる、初春の話をやんわりと した口調で止めた、白井は、相棒に問いかける。

 

「もちろんです、風紀委員なら当然の行動です」

 

初春から迷いのない決意が伝わる

 

「それでこそ、私の相棒ですの」

 

そんな一見頼りなさそうに、見えるが 実はとても頼りになる相棒を白井は頼もしく思った。

このひ弱な少女がいざとなったら、

学園都市最強のレベル5に片腕をへし折られても啖呵を切ることも、一人の女性を助けるため、人間ドラッグシュートという無茶をやったこともある。

白井はそんな相棒の武勇伝を思い出す。

 

『白井さん』

 

白井から絶対の信頼を寄せられている事に初春は感激する。

電話の向こうの彼女は涙目になってるが、幸い電話なので白井には気づかれなかった。

 

それから暫く時は流れた。

 

5分後

 

「……って 思い出に浸っている場合ではありませんでしたの。

仕事、仕事。

遅くなりましたが、ふたたびこれから現場に行きますわ」

 

『わかりました。

何かあったら、すぐに連絡ください

たぶん特に何もないと思いますが

あっ、支部においしいコーヒーとケーキがありましたから、用意しておきますね』

初春が名案とばかりに、手を叩きながら言う。

 

「それは楽しみですわね。

でも、疲れているのでコーヒーより

甘い紅茶が欲しいですわ」

 

相棒に気遣いに感謝しながらも、ちゃっかりと注文を白井はつけた。

 

『わかりました。

温かいミルクティーを用意しておきますね』

 

「初春ミルクティーでしたら」

 

『わかってます。

ミルクはムサシの牛乳入れときますね』

 

初春がみなまで言うなと、ばかりに相棒の要望を先読みする。

 

「では、ご褒美を楽しみに

もうひとふんばりしますといたしますの!」

 

白井はそう言って、自分を元気づけると、夜空に飛び上がってテレポートした。

 

この白井の友人を思った行動が、致命的な遅れとなり、小笠原俊一と水原さおりの運命を 大きく変えてしまったのだが、それは後の話である。

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございました。
書けば書くほど、難しく感じる今日この頃です。
ですが、読者いる限り自分は頑張ります。
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