インフィニット・ストラトス 世界への反抗 作:鉄血のブリュンヒルデ
「で?何しに来たんだ?兎」
「もー、いい加減束って呼んでよ!」
えっと、どういう状況だ?
「呼び合う程の仲じゃねぇだろ」
「酷い!最後の希望とか言ってたくせに!」
「しゃーねーだろ。決まり文句なんだから」
「き、決まり文句?!」
あ、セシリアが反応した。
「あ、あんな台詞大勢に言ってますの?!」
「おう」
「〜〜〜〜っ!」
うわ、顔真っ赤だ。なんであれで気付かないんだ?
「まぁそれは置いといて」
「「置いとかないで(下さい)!」」
「話進まねぇから」
「じゃあ私がする!カーくんが言うと余計な事も言いかねないし!」
「へいへい」
櫂がやれやれと言わんばかりに手を上げて後ろに下がると、束さんは少し怒りながら前に出る。そして表情を一変させて、ニッコリと笑う。
「さてと!それじゃあここからは束さんが説明するね」
「待て!そもそもなんでお前がここにいる!」
「ん?あ、忘れてた。カーくんに渡すものがあったんだった」
「なんだよ。新しい指輪か?」
「それは説明終わってからね」
束さんが勿体ぶる様に言うと、櫂は溜息をつきながら壁に寄りかかって先を促す。
「それじゃあ説明しようか。その後私の魔力を完全消滅させた後に、白い魔法使いが現れたの」
「白い魔法使いだと?!」
「おいおい千冬さんよ。どうした?」
千冬姉が過剰に反応する。
「あの魔法使いは、お前じゃないのか?」
「どういう事だよ。まさかあんた、白い魔法使いと会ったことあんのか?」
「………第二回モンド・グロッソ、だね?」
「あぁ。そうだ」
「千冬姉!その話は!」
俺はつい大きな声を出してしまった。
「いや、一夏。その話を、私達は聞くべきだわ」
「白い魔法使いは、私達魔法使い集団”ウィザーズ”の創設者でもあり、最初の魔法使い。そして……」
「俺の親父だ」
櫂の、父さん?で、でも確か
「櫂の父さんって」
「死んだってのは半分嘘だよ。あの人は俺達を放ったらかして旅をしてた。その中で見つけた魔法に夢中になって、俺達家族を巻き込んで実験を始めた」
「実験?ど、どういう事なんですの?」
「親父は、俺達を使って魔法の力を制御する為の実験を繰り返した。俺が魔法を使えるのは絶望しなかったからだけど、ウィザードになれるのは、多分その実験のせいで体内の魔力が強くなったからだろうな」
嘘だろ?そんな事って、あるかよ。なんで、そんなに苦しい筈なのに苦しがらないんだ?
俺には、櫂が分からなくなっていた。
「そんなこんなで、白い魔法使いはカーくんのお父さんという事になってたんだけどね。あの日に現れたのは、違ったの」
「なんで、そんな事が分かるんだ?」
「さっき半分って言ったろ?確かに一夏達に説明した頃は生きてた。けど、サバトが起こる三年前に、母さんが親父を殺した」
「え?!」
嘘だろ?あの温厚な人が人殺しなんて……
「だからその時、私とカーくんは白い魔法使いに何者か聞いたの。でもその後、白い魔法使いは何個かの魔法石を置いてどっか行っちゃって」
「魔法石?」
「俺の指輪を作る時の材料だよ。魔法石を削ったりして型にはめ込む事で完成するんだ。まぁ、作れるのは魔法使いの中でも少数なんだけどな」
なんて言うか、こうやって聞くとやっぱり俺達からは遠すぎる世界なんだな。
あれ?そう言えば
「なぁ。敗北するISの話は今聞けたけど、魔法使いの方はどうだったんだ?」
「それなら、俺じゃなくて鈴の方が適任だな」
「え?鈴が?」
「確かにそうね」
鈴はそう言いながら前に出る。そしてその鈴を、束さんは心配そうに見つめる。
「いいの?これは、カーくんと君の二度目の絶望の原因だよ?」
「大丈夫ですよ、束さん。私は、もうとっくに乗り越えてます。櫂はいいの?ここにいて」
「この話した時点で思い出しちまってるから変わらねぇよ」
「そう。それなら話しても問題ないわね」
鈴は、少し遠い目をしながら、語り出した。
なんかこの終わり方が三回連続してる