インフィニット・ストラトス 世界への反抗 作:鉄血のブリュンヒルデ
「……………ねぇ、晴香」
IS学園が建設されている島の最北端。そこにあるベンチに私と鈴は腰掛けていた。
「何?鈴」
「私って、最低だね」
鈴は顔を俯かせたまま呟いた。
「そんな事ないよ。鈴は辛い過去を語ったんだもん。それに対して織斑先生が何を言おうと、鈴のストレスになったのなら言わないと」
「でも、あの人は私達を心配してくれてた。なのに…」
弱い鈴だ。鈴はその性格上、人に虚勢を張りやすい。けど、私と櫂さんの前ではこうやって弱い鈴を見せてくれる。きっとこれは親愛の証なんだと思う。
「そうだね。織斑先生はなんの企みもなく、ただ私達を危ない目にあわせたくない一心で叫んだ。でもその思いは、鈴も同じだったから感情が抑えられなくなったんじゃない?」
「え?どういう事?」
鈴ってまさか、自分の気持ちに気付いていない?
「櫂さんの事、まだ好きなんでしょ?」
「なっ?!なな、何言ってんの!わ、私はそんな…」
これで隠せているつもりなの?可愛過ぎる。
「隠さなくてもいいよ?」
「隠すも、何も、私はもう櫂の事は……」
「あからさまに嫁にしろなんて言ってふざけている様に見せて、まだちゃんと好きなんでしょ?」
私の言葉に、鈴は凄く動揺した。
「どっちにしても、私に櫂を好きになる資格は無い。なんたって、私は!」
「櫂さんの好きな人を目の前で助けられずに死なせた、から?」
「……そうよ。その通り。私は櫂が好きだったあの人を助けれなかった。私が盾になれば良かったのに!」
「それで櫂さんが納得したと思う?」
「え?」
鈴。本当にあなたは分からないの?自分が何か忘れている事に。
「鈴。最後にあの人が言った言葉、当ててみようか?」
「え?そんなの分かるわけ「櫂君を、そのまま好きで居てあげてね」っ?!どうして?どうしてそれを!」
「知ってるから。私、その人から聞いた事あるの。自分より鈴の方がよっぽど櫂君にお似合いだって」
「そんな、あの人一言もそんな!」
「鈴には、気恥ずかしくて言えなかったんだよ」
「そんな……そんなの私!」
鈴は両手で顔を覆った。そしてその端から、涙が零れ落ちる。
「私はね、鈴に自分の気持ちに正直に生きてほしいの。それが、私とあの人の望みだよ」
「晴香…………ありがとうっ…………」
鈴は泣きながら私に抱きついた。私はその頭を撫でながら語りかける。
「大丈夫だよ、鈴。私しかいないから、めいいっぱい泣いて」
「晴、香……はるぅ、かぁ!うあぁぁ!」
「よしよし。頑張ったね、鈴」
撫でながらふと、私は思った。
(私って、お人好しだな………)
だって………
(私も、櫂さんの事、好きなくせに)