インフィニット・ストラトス 世界への反抗   作:鉄血のブリュンヒルデ

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宿命

「おぉ、櫂。おはよう」

 

「おっすー」

 

あれ?朝なのに櫂が怠そうにして無い?今日ゲリラ豪雨でも降るのかな。

 

「おい一夏。なんかお前えげつなく失礼な事考えてねぇか?」

 

「ん?いや、朝なのに櫂が怠そうにして無いから今日ゲリラ豪雨でも降るのかなって思っただけだよ」

 

「お前馬鹿正直かよ」

 

「あぁ、つい口が滑った」

 

「お前なぁ…」

 

なんだろう。最近こういう所は櫂に毒されてきている気がする。

 

「ていうか今日休日なのになんで起きてるんだ?」

 

「同居人の朝が早いせいで起きちまったんだよ」

 

なんだ、俺に釣られたのか。

 

「ていうか、なんか朝からえげつねぇ魔力の塊がある気がするんだが、お前知ってる?」

 

「知らねぇよ。俺魔法使いでもなんでもねぇし」

 

「そりゃそうだわな」

 

でも、もし分かるなら俺は少しでも櫂の役にたてるかもしれない。そう考えると魔法使いになりたいとも思うが、それを言うと確実に櫂は怒るので本人には絶対いない。

 

「ていうか、えげつない魔力の塊ってどういう事だ?」

 

「純度の高い魔法石か、膨大な魔力を持った魔法使いかファントム」

 

「ファントムだったらどうするんだよ」

 

「倒す」

 

「だよな」

 

一気に眠気が覚めたようにハッキリとした口調で言う。どんだけ目標高いんだよ。

 

「あら?櫂さんに一夏さん。こんな朝早くどうしたんですの?」

 

「俺は普通に起きたから朝食食べようと思って」

 

「俺はコイツに起こされたから眠気覚ましに散歩してただけだよ」

 

今さらっと俺のせいにしやがった。

 

「まぁ。それなら私も櫂さんにご一緒してもよろしくて?」

 

あぁ、そういえばセシリアって櫂に惚れてるんだっけ。結構露骨にアピールしてるのになんで気付かないんだ?

 

「おう、別にいいぜ。一夏、また後でな」

 

「おう」

 

櫂はセシリアを横に連れて、そのまま食堂とは逆の方へと向かって行った。

 

「さてと、じゃあ行くか」

 

俺は櫂達に背を向けて食堂へと向かう。

 

「おい、お前」

 

突然、俺の後ろから”男の声”が聞こえた。この声は櫂じゃない……………まさか!

 

「誰だ!」

 

俺が振り返るとそこには、黒いコートの男が立っていた。

 

「俺は、怪物だよ」

 

男は、そう言いながらその姿を異形へと変えた。

 

 

…………………………

 

 

「櫂さん。どこまで行きますの?」

 

「適当に、中庭行こうかなーって」

 

俺はセシリアと並びながら廊下を歩く。一夏のアホのせいで休日に早起きしちまって最悪だぜ。

 

「そういえば、先程一夏さんとは何を話していたんですの?」

 

「ん?あぁ、なんかでかい魔力の塊が近くにある気がするって言う話」

 

「魔力の塊?以前話していらした魔法石やファントムの事ですか?」

 

「まぁそんな感じ」

 

セシリアは察しが良くて助かる。いちいち話すのも面倒だし。

 

「そーれにしても暇だな」

 

「それなら、もう少ししたら朝食をとりに行きませんか?」

 

「あー、そうだな。そろそろ腹減るだろうし」

 

何ともない会話だ。あー、こういう日は何もなけりゃ

 

ドカアァァァァァン!

 

「なんですの?!」

 

「あー、フラグだったか……」

 

「櫂さん!あの方向は、先程一夏さんと別れた場所と食堂の中間地点ですわ!」

 

「はぁ?!」

 

え、嘘だろ。アイツがそんな事する筈もねぇし…………まさか!

 

「コイツが正体か!セシリアは避難誘導頼む!多分ファントムだ!」

 

「いえ!私も行きますわ!もし仮に襲われているのが一夏さんなら、助ける者が必要ですわ!」

 

ちっ!それもそうか!でもセシリアを戦いに巻き込むわけには…

 

「櫂!何してんの!」

 

その時、向かい側の建物から鈴と晴香が飛び出してきた。

 

「セシリア。一夏は俺達に任せろ。お前を危険に晒せない」

 

「…………分かりましたわ」

 

「頼んだぜ!」

 

俺はセシリアに背を向けて走る。その後ろを鈴達が走ってついてくる。

無事でいろよ!一夏!

 

 

…………………………

 

 

「グアァ?!」

 

「ハッハッハッ!なんだ?天下のISはこんな物か?」

 

「クッソ!」

 

全然攻撃が効かない!これが、人間とファントムの力の差なのか?だとしたら、圧倒的過ぎる!ていうか、前の奴より格段に強い!

 

「さて、そろそろてめぇにも飽きてきたわ」

 

ファントムはそう言いながら鎌の様な武器を取り出して振りかぶった。

 

「死んじまえ!」

 

〈ハリケーン、プリーズ〉

〈フー・フー・フーフーフフー!〉

 

「させるかよ!」

 

その時、緑色の風がファントムを吹き飛ばした。

 

「一夏!無事か!」

 

「おう、なんとか…」

 

ダメだ。ダメージのせいか、体に力が入らない。

 

「嘘ついてんじゃねぇよ。とりあえず後ろで休んでろ。晴香、頼む」

 

「はい!一夏さん、掴まって」

 

「ごめん、ありがとう」

 

晴香の肩を借りて、俺はなんとか立ち上がれた。男のくせに、これは情けない。

 

「さてと、今度のファントムはどんな………嘘だろ」

 

「櫂、あれ………」

 

「ちっ、地味に痛てぇじゃねぇか」

 

櫂達は、ファントムを見て硬直する。一体どうしたんだ?

 

「見つけたぞ、あの日のファントム!」

 

「あぁ?おー、お前らあの時の魔法使いか!ハッ!おもしれぇ!またあの時みたいに、仲間一人盾にして逃げるか?」

 

「てめぇー!」

 

櫂は、激昴した。そしてそのまま武器を構えて走りだした。

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