インフィニット・ストラトス 世界への反抗 作:鉄血のブリュンヒルデ
「はー、超暇ー……」
寮のベッドに寝転がっている櫂が、怠そうに言う。いや、じゃあ宿題とかすればいいだろ。
「宿題とか暇すぎてもう終わったしなー…」
終わった?!あの量を、昨日の夜で?
「なぁ櫂。本当に終わったのか?」
「まぁな」
コイツ、面倒くさがってやらないと思ってたんだけどな。
「暇だし、訓練でもしよっかなー」
「いや、安静にしてろって言われたろ?」
「暇なんだよ!」
「知らねぇよ!」
どんだけ暇なんだよ。いつもなら訓練するなんて絶対言わないのに。まさか?!
「お前、この前の指輪使っておかしくなったのか?!」
「お前何気にえげつない事言うよな」
「だってよー。お前が訓練とか有り得ねぇだろ」
「お前な」
prrrr prrrr prrピッ
そんな日常的な会話をしている所に突然電話がかかった。それは櫂のスマホだったらしく、櫂はスマホの画面を操作して電話をとった。
「ウィッスー」
『ウィッスー、じゃない!櫂、昨日新しい指輪を受け取ったというのは本当か?』
「はい、本当ですよ」
櫂が話しているのは、どうやら凄い人らしい。櫂が敬語を使うっていう事からなんとなく想像出来る。
『今日は休みになったと鈴から聞いたよ。今日家の店に来い。特性とか調べるから』
「分かりました。今から向かうんで一時間くらいかかりますけどいいですか?」
『あぁ、分かった』
「それじゃあ、また一時間に」
プツッ
櫂は通話を終了させてスマホをテーブルに置くと、服を着替えだした。
「どっか行くのか?」
「あぁ、少しこの前手に入れたウィザードリングの件でな」
「ふーん」
いいなぁ。俺も出かけたいんだけどな〜。あ、そうだ。
「なぁ櫂。俺も着いて行っていいか?」
「え?なんでだよ」
「いや、多分千冬姉あたりが一人では外出するなとか言いそうだから、とりあえず一緒に行った方がいいかなって」
我ながらそこそこ無理のある理由だと思う。けど察しのいい櫂なら、もしかしたら意を汲んでくれるかもしれない。それに、櫂が尊敬する人って、凄く気になる。
「まぁ、いいぞ」
俺の考えを察したのか察してないのか、櫂は私服に袖を通しながら答えた。
「お前、まさか制服では行かねぇよな?」
櫂は黒い革ジャンを羽織りながら答えた。
「流石にそれは無いわ」
俺はクローゼットから私服を取り出して着ようとした。そしたら急に櫂が笑いだした。
「ちょ、おまwwwそれ前俺がネタであげた服じゃんwww」
「え?」
なんとなく掴んだ白いパーカーだったんだけど、なんだ?
「って、これか……」
服の背中側には黄緑色の字で『働かざる事山の如し』とか『NEET』とか、判子みたいな感じで『自宅警備』って書いてある。確かに中三の時に櫂から誕生日プレゼントで貰った奴だ。今見ても変な服だな…
「いや、着ねぇよ。これだよこれ!」
咄嗟に隣にあった服を掴んだ。しかし櫂は腹を抱えて笑いだした。
「それメイド服www」
「なんであるんだよ!」
「鈴にふざけてバストサイズ全く合ってない服送ったんだよ。そん時に鈴めちゃくちゃ怒ってさwww」
そりゃな……
「それでボッコボコにされて、メイド服も返却されて処分するにも使い道ありそうだから取っといたんだよ。しかしまさかここで需要があるとはwww」
櫂爆笑してんじゃねぇか。ていうかなんでそんな物ここに持ってきてんだよ!
「ていうかどっち道お前全然まともな服ねぇな」
まぁ、お洒落とか考えずにただ季節に合ってるとか色が好きとかそんな感じでしか選ばないし。櫂みたいにイケてる感じの人からすれば、まぁ変なのかもな。
「て言っても、他に服ねぇぞ?」
「安心しろ。そんな時の為のリングがある。これ右手の中指にはめろ」
櫂はそう言いながら指輪を俺に向かって投げる。俺は言われた通りに指輪を右手にはめた。すると櫂は俺の手を掴んでバックルに当てた。
〈ドレスアップ・プリーズ〉
魔法が発動すると、俺の体を魔法陣が通過する。すると次の瞬間には俺の服は全然違う物に変わっていた。
「すげぇな」
「やろ?」
「ドヤ顔すんなよ」
ていうか、だんだんと時間が過ぎていく。
「さてと、じゃあ行くか」
櫂はそう言いながら部屋を出る。俺もそれに続いて部屋を出た。
「そういえば、どこに行くんだ?」
俺がそう聞くと、櫂は俺に背を向けたまま左手のリングを見せながら言った。
「俺達の大黒柱の所」
ちなみに、作中に出てきた一夏の服は、作者の私物から抜粋しました笑
それと櫂の服装は仮面ライダーウィザードの操真晴人と同じ物です。