インフィニット・ストラトス 世界への反抗 作:鉄血のブリュンヒルデ
「悪い、一夏。ちょっと外出てくれねぇか?」
「え?おう」
一夏を面影堂の外に出すと、俺は輪島さんの方を向いた。
「輪島さん、どうでした?」
「うん。機能自体は普通の変身用と変わらない。けど、根本的に違う部分がある」
「根本的に?」
根本的?一体どういう事だ?
「まず、魔力の内包量が大き過ぎる。普通の魔法石じゃあここまで大きな魔力を内包出来ない。誰から渡されたか、分からないんだろ?」
「はい、あの時は必死だったんで。すみません」
「気にするな!仲間の為に手を伸ばしたんだろ?お前らしいじゃないか」
輪島さんの言葉はいつも暖かい。何人もの魔法使いが、この人の言葉に救われただろう。それだけこの人は凄い。魔法なんて使えなくても、この人は誰かの希望になれる。だから俺はこの人に憧れたんだ。
「一先ずこれはうちで預かっておくから。鈴にも伝えておいてくれ」
「はい。今日はありがとうございました」
「あぁ。おっと、それと今度は鈴達も連れて来てくれ。改めて皆でまた会いたいからな」
「はい!お邪魔しました!」
俺は一礼して面影堂を出た。
「もう終わったか?」
外では、ヘルメットを二つ持った一夏が立っていた。一夏はヘルメットを俺に投げた。
「早く帰ろうぜ。もう夕方だ」
確かに、街並みがオレンジに染まっている。俺はバイクに跨り、エンジンをかけた。一夏が後ろに乗ったのを確認すると、俺の愛車、マシンウィンガーに魔力を流す。
「ちょっと飛ばすぜ!」
「え?うおぉ?!」
マシンウィンガーは、勢いよく加速して、国道を走り出した。
…………………………
「指輪の魔法使いが闇の力を手に入れた、か」
廃墟となった祭壇に、僕は一人で座り込んでいた。
「そろそろ、僕も動くかな」
僕はそう呟いて、霧のようになって消える。
「楽しいショーの始まりだよ」
…………………………
「準備はいいか」
「……………はい」
僕に意思は無い。あっても、誰も気には止めない。
「もう一度言う。失敗は許さない。もしお前がしくじれば、私の雇った殺し屋が、お前を即座に消す」
「……………はい」
僕は
それが僕の、唯一の存在価値なんだ。
…………………………
「待っていろ、魔法使い。今度は私がお前を!」
暗い部屋で、私は拳を握りしめた。
「隊長。そろそろご出立の時間です」
「あぁ、分かった」
そろそろ行かなければなるまい。待っていろ。次は私の番だ!
…………………………
この時、俺はまだ知らなかった。三つの意思が、それぞれに牙を研いでいる事を。