インフィニット・ストラトス 世界への反抗   作:鉄血のブリュンヒルデ

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クレーム

「おいゴラァ!アホ!」

 

な、なんか櫂が凄い形相で掴みかかってきた。

 

「ど、どうしたんだ?」

 

「どうしたんじゃねぇよ!なんだよあのリング!」

 

リング?あぁ、昨日渡したやつか。

 

「あれがどうかしたのか?」

 

「どうかしたのか?じゃねぇよ!不良品じゃねぇかよ!」

 

「そんな事言われても、あの魔法石は俺も輪島さんも知らないんだ」

 

「は?」

 

これは、説明した方が良さそうかな。

 

「それを作った魔法石はウィザーズから俺に宛てて送られて来たんだ。輪島さんに聞いても知らないって言うし」

 

そう。あの指輪を作るのに使った魔法石は突然送られて来た。とりあえず作ってみたけど、そもそも俺も見習いな訳で、突然依頼なんてされても作れるはずも無い。

 

「ウィザーズから?………なぁ、その魔法石まだ残ってるか?」

 

「あぁ、まだ一個作るくらいなら残ってるぞ」

 

「なら、これを貸しといてやる」

 

そう言って櫂はフレイムウィザードリングを取り出した。

 

「え?なんで?」

 

「その魔法石なら、作れるかもしれねぇ」

 

「何をだよ」

 

「…………ウィザードの新たな力だよ」

 

 

…………………………

 

 

時は流れて翌日の朝。

 

「眠い……」

 

「珍しいな。お前が隈作るなんて」

 

白々しい。そもそも櫂がリング作れなんて言うから…。

 

「そういえば、今日って鈴とセシリアと訓練だっけ?」

 

「あぁ、そういえばそうだな」

 

リングの事で頭がいっぱいだったせいで完全に忘れてた。

 

「とりあえず食堂行こうぜ」

 

「おう」

 

そのまま適当な話をしながら俺達は食堂に向かっていた。すると、食堂の扉にもたれかかっている銀髪の女子生徒がいた。えっと、確か……

 

「よっ、ラウラ」

 

「っ!櫂!」

 

あ、そうだボーデヴィッヒさんだ。ボーデヴィッヒさんは、櫂が話しかけると途端に顔を上げて嬉しそうな表情になった。

 

「悪いな。昨日は立て込んでて話せなかった」

 

「いや、私も話しかけてなかったんだ。大して変わらないだろ」

 

「二人は仲がいいんだな」

 

なんか、カップルみたいだな。違うんだろうけど。

 

「お前が、織斑 一夏か」

 

「ん?いや、そうだけど」

 

俺が答えると、ボーデヴィッヒさんは頭を下げた。

 

「すまない!お前が誘拐されたのは私達の警備が甘かったからだ!」

 

「え?いや、そんなの気にしなくていいって!別にボーデヴィッヒさんのせいじゃないだろ!」

 

そういえば、櫂が言ってたな。ボーデヴィッヒさんはドイツ軍人で、俺の誘拐事件に責任を感じているって。

 

「でも、あの時私が強ければ、お前にあんな経験をさせずに済んだのに…」

 

「でも、俺は気にしてないよ。それに、ある意味あの事件があったから俺は精神的にも強くなれたんだし」

 

そうだ。あの事件が無ければ俺は前に進む勇気を持てなかった。だから俺は後悔はすれど非難はしない。

 

「そ、そうか…」

 

ボーデヴィッヒさんは静かに俯いた。

 

「あの、ボーデヴィッヒさん?」

 

「………でいい」

 

「え?」

 

今、ボーデヴィッヒさんが何か言った?

 

「ラウラでいいと言ったんだ。いつまでボーデヴィッヒさんではかしこまっている様でくすぐったい」

 

「じゃあ、俺も一夏でいいぜ。ラウラ」

 

「あぁ、分かった。一夏」

 

(何これ、お前ら付き合ってんの?)

 

わざわざテレパシー使って茶化すなよ。ていうかそれならお前の方がそれっぽいだろ。

 

 

…………………………

 

 

と、まぁそんなこんなで、食堂で食事を一緒に摂る事にした俺達は食堂のおばちゃんから料理を受け取って席に着いた。

 

「櫂。最近変わった事は無いか?」

 

「ねぇな。一夏が俺専属のリングメーカーになった以外は」

 

「そうなのか?それは羨ましいな。私も何か櫂の役に立てればいいのだが」

 

ラウラはそう言うが、案外指輪を作るのは大変だ。とにかく神経を使うし、魔力の流れというか、そういう感じの物を感じなければいけない。そして何より

 

「櫂の注文やばいからやめた方がいいよ」

 

「む?どういうのがあるんだ?」

 

「もっと強いの!とか」

 

「そんなアバウトな…」

 

ラウラがあからさまにやれやれ、みたいな表情で櫂を見る。それに対して櫂は少しバツが悪そうな表情で頬をかいた。

 

「しゃーねーだろ?一言で語れないのが天才なんだよ」

 

「なんだよそれ」

 

「全くだ」

 

「うるせぇよ」

 

俺達は顔を見合わせて笑い、そのまま談笑を続けた。談笑は箒の時間が無いという言葉を聞くまで続いた。

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